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ちょろINFJとINFPお姉さんの恋模様

花(はな):
女性 19歳、INFJ。カフェ「パレット」で働く若い女性。大人びた性格だが、恋愛経験はなく、感情に戸惑うことが多い。無意識に惹かれているはるに対し、少しずつ感情を自覚していく。

はる:
女性 26歳、INFP。カフェ「パレット」で花と共に働く同僚。無邪気で人懐っこい性格だが、時折花をからかうこともある。花の純粋な反応を楽しんでいる様子だが、内心を明かすことは少ない。




カフェ「パレット」、閉店後の夜。

店内は夜の静けさに包まれ、片付けもほぼ終わりに近づいていた。外の街灯が柔らかく差し込む中、花はカウンターでお皿を拭いていた。ふと、隣で軽くストレッチをしているはるが、ため息混じりにぼそっとつぶやく。

はる:「はぁ…彼女欲しいな~。」

その言葉に、花は一瞬手を止めて、はるの方を振り返った。

花:「えっ、彼女…ですか?」

驚きながらも、その話に興味を持ってしまう花。はるは、淡々とした表情で続けた。

はる:「うん、だってさ、女の子好きな女の子って、そんなにいないんだよね。出会いも少ないし。」

花:「そ、そうなんですか…?」

まさか、そんな話をはるから聞くとは思わなかった花。自分がどう答えていいかわからず、少し戸惑いながら返事をする。はるはふと花に向かって、意味ありげな笑みを浮かべる。

はる:「うん、わたしの周りで言えば…花ちゃんくらいかな?」

その一言に、花の心臓が一気に跳ね上がった。花ちゃんくらい…?まさか、自分のことを…?

花:「ええっ!? わ、わたし…女の子好きなんて、言ったことありませんよ!」

動揺しながらも、花は自分の気持ちがよくわからないまま答える。確かに、はるに対して特別な感情を抱いているのは感じていたけれど、それが何なのか、まだ言葉にできなかった。

はるはそんな花の反応を楽しんでいるかのように、肩を軽くすくめる。

はる:「だって、花ちゃん、わたしのこと好きでしょ?この前も、わたしの写真をフォルダに入れてたし。」

花:「えっ!?!?なんでそれを知ってるんですか!?」

顔が真っ赤になり、驚きと恥ずかしさで胸がいっぱいになる。こっそり保存していたはるの写真が、まさかバレているなんて夢にも思わなかった。

はる:「うーん、それは…ないしょ?ふふ、女の子には秘密があるものだよ。」

はるは悪戯っぽく笑いながら、軽く花の腕に触れる。その軽い接触だけで、花はますます動揺してしまう。

花:「そ、そんなこと…」

どう言葉にしていいかわからず、顔を伏せたまま言葉が詰まる。自分の中にある感情が、少しずつ押し寄せてきて混乱していく。

はる:「ふふ、ほんとに可愛いね、花ちゃん。」

はるは優しく笑いながら、ゆっくりと花に近づいていく。距離が縮まるにつれて、花の心臓の鼓動はますます速くなる。

はる:「そういう可愛い花ちゃんには、ご褒美が必要だよね?」

その言葉に、花は戸惑いながらも、何とか応えようとする。

花:「ご褒美…ですか?じゃあ、コーヒーでも淹れましょうか?」

花は少し落ち着こうと、何とか日常的な提案をするが、はるはゆっくりと首を横に振る。

はる:「んーん、コーヒーじゃなくて…」

はるは花の顔を覗き込むようにしながら、優しく微笑んで耳元に囁いた。

はる:「花ちゃんが欲しい。」

その一言に、花は体が硬直する。心臓がドキドキと大きな音を立て、顔が真っ赤になるのを感じる。言葉が出なくて、ただ唇が震える。

花:「えっ…!? そ、それって誰にでも言ってるやつですよね…?」

顔が真っ赤になりながらも、何とかその場をやり過ごそうと必死に言葉を紡ぐ。しかし、はるは笑みを浮かべながら、すっと花の手を取る。

はる:「ふふ、誰にでもなんて言わないよ。花ちゃんだけだよ、こんなこと言うのは。」

その言葉に、花はさらに顔が熱くなる。手を繋がれたまま、どうしても目を合わせることができない。はるは、そんな花の様子を見て微笑み、花の頬に手をそっと当てる。

はる:「ほんとに可愛いなぁ…。」

はるは花の顔を少しずつ自分の方に近づけ、軽く唇を合わせる。その瞬間、花は全身が固まったように感じた。時間が止まったかのような感覚に包まれ、ただその感触に身を委ねる。

数秒後、はるがゆっくりと唇を離す。

はる:「ねぇ、花ちゃん、顔赤いよ?そんなにわたしのこと、好き?」

その言葉に、花は驚いたように顔を上げたが、すぐに冷静を装い、はるの耳に視線を向ける。

花:「はるさんこそ…耳、真っ赤ですよ?照れてるんですか?」

その一言に、今度ははるが驚いたように目を見開いた。

はる:「え、えっ…!? な、何が…?」

慌てて耳を触るはるを見て、花は思わず笑ってしまう。そして、少し余裕を見せるように、はるの顔をじっと見つめた。

花:「はるさん、やっぱり可愛いですね。」

その一言に、はるはますます動揺し、顔を真っ赤にして目をそらす。

はる:「ち、違うよ…!そんなわけ…!」

はるのいつもの余裕のある態度が崩れたのを見て、花は心の中で勝利の笑みを浮かべた。




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