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30代後半女人生初転職活動を振り返る

先日、2社の最終選考通過連絡をもらい(新卒でいう内々定)、うち1社に決めました。転職35歳限界説と言わておりますが、35歳を超える年齢でも無事に内定をいただけたので、ここに記しておきたいと思います。

1、わたしのスペック

・30代後半女・地方国公立大卒・専攻は法学系
・地方都市出身・神奈川県在住・東京or神奈川エリアで転職
・既婚・子無し
・新卒で某金融系に就職して十数年経過
・職種は非営業部門
・月収が少ない代わりにボーナス多めの給与体系(金融あるある)

転職市場では、やはり若い人が人気なんだということを思い知らされることは多々ありました。「この会社は入社5年目前後の人を想定しており、みずりさんは紹介できない」と、とある会社を受けようとしたらはっきりエージェントに断られたこともあります。

2、転職のきっかけ

・ちょっと前に望まない勤務地・職種になった
・通勤時間が往復1時間→3時間と長時間になり感染リスクも高くなった
・望まない職種のうえに残業が多くつらかった
・職場のメンバーと衛生観念が合わなかった
・スキルが身に付かなかった

プライム上場・金融系のいわゆる世間からしたら「いい会社」なので、なぜ辞めるか、と面接を受けた企業から言われることはありました。正直「夫と結婚したい」が唯一にして最大の目標の新卒就職で、「全国に拠点があり、(夫が一年後に就活予定だったので)いずれ夫のいるエリアに異動できる」「夫の両親から反対されるような会社ではない」を満たす会社として選んだので、まわりより会社愛は薄く、執着はしていませんでした。

異動希望をすべて勤務地重視で申請したうえに、モチベーションも能力も高くなかったので自己責任ですが、出世コースに乗れず、何の研修にも呼ばれず、もとが地方採用なので一都三県採用のメンバーと同じ仕事をしても若干安い給料で働いているうえに、つぶしのきかない仕事を淡々とし、10年後・20年後も同じような仕事をやっていくんだろうなと想像できた結果、この会社じゃなくていいかな、とますます思うようになりました。

また、異動に関しても、子持ちや地元の社員が優先されており、子どももおらず持ち家で実家が他エリアでアラフォーに差し掛かる年齢になり、会社にとって、わたしの優先度が下がっているのを薄々感じました。ついに、こいつはやめないだろうと思われたのか、希望していない未経験職種かつ希望しない遠方の職場に異動になりました。そこでは数値を競うようなものもあり、未経験のわたしはほぼ最下位に近く、前場所のあたりまえが通用しないことも多く、心が折れそうになりました。

そのうえ衛生観念が合わず、感染予防目的でのテレワークのはずが、他部署の人が私たちの職場に来てテレワークすると言い出して上層部はそれをよしとし、(まん防の時期でしたが)終業後に会社規定では禁止されている組み合わせ・人数での飲み会に行っていました。「COCOAで濃厚接触の通知が来たけれど出社してよかったのでしょうか」と出社して聞く社員もいました。コロナ禍にもかかわらず最後の場所の衛生観念はひどいものでした(金融機関なので厳しめのルールがあり、前場所の人たちは自席で食事を取りミーティングや1on1面談も自席や別々の会議室でzoomを使い慎重に対応した結果、2020年度はコロナ陽性者ゼロを達成しました。現職では、緊急事態宣言のさなか昼食はみんなで食べ、飲み会もし、飲食をともなう納会を普通に行い、1on1面談だからテレワーク日だけど出社してと言われたこともありました。感染予防のためのテレワークのはずが、なぜか昼休みに外にラーメンを食べに行っている人もいました。のべ換算で2割の従業員が本人や家族のコロナ絡みで休みました)勤務地のあるエリアには、顎マスク歩きたばこでむせる人、地べたに座り飲食する人、ノーマスクで呼び込みをする夜のお店のお姉さんなど、衛生観念が合わないなと思うような人がたくさんいました。

極め付けは職場の近くにコロナ受け入れ病院があり、そこで働く医療従事者が宴会してクラスターを発生させました。徐々にこのエリアにいる人全員が汚らわしいものに見えてくるようになり、最後のほうは最寄り駅についた瞬間から最寄り駅を去るまで、社内外ウイルスだらけのような感覚に陥っていました。

前場所では職務経歴書に書けそうな業務をいくつか任せてもらえましたが、現場所ではこの会社でしか使えない商品やシステムを勉強するだけと感じることが多くなり(これもわたしのとらえ方の問題かもしれませんが、少なくとも当時はそう感じました)、これは転職だな、と思い始め情報収集や勉強を始めました。

3、転職活動

1、スケジュール

2022年秋     簿記3級合格
2023年1月上旬 転職エージェントとオンライン面談
2023年1月中旬 気になる求人に応募を始める
2023年1月下旬 書類選考が通らず落ち込む
         2社ほど書類選考が通る
2023年2月    2社の選考を各社3回合計6回受け、オファー面談を受ける
       うち1社はオンライン1回・対面面談2回
       うち1社は全部オンライン
       (なぜかこの後書類選考が通り始め困惑)
       夫に経過報告
       実家の両親に一応経過報告
       1社に決める

2、応募総数

24社
(書類落ち18社、辞退4社、最終選考通過2社)
※エージェントの手厚いフォローのおかげで面接は全勝

3、最終選考を通過した2社の詳細

A社:現職と同業 親会社2社はプライム上場
・推定年収は残業(9時17時換算で)月40時間すれば同額くらい 
・自宅から1時間くらいの職場で転勤なし
・管理職の一つ下の役職付きの課長代理的なポジション
・ほぼBtoC
・残業は常に多そう
・有休は入社半年間もらえない
・同業なので業務のイメージはできる

B社:今と別分野の金融系のグループ会社 親会社はプライム上場
・推定年収は現職から約30%ダウン
・自宅から約1時間圏内でいつくか拠点あり転勤可能性あり
・役職はなし
・ほぼBtoB
・残業は普段はほぼなし、繁忙期は多少あり
・有休が初日から結構もらえる
・異業種だがこれまで勉強したことや資格を使えそう

4、最終決定


上記A社もB社も仕事内容や選考時に出会った人たちが魅力的で、正直悩みました。ただ、残りの人生を考えると、つらいことがあったときに「自分はこの仕事しかできないからこの会社にいるしかない…」と仕事を辞められないのが、真に一番つらいのではと「メンタルダウンで地獄を見た元エリート幹部自衛官が語る この世を生き抜く最強の技術」を読んで思うようになりました。メンタルを保つ秘訣として「つねにゆるく転職活動」という趣旨の記載がありました。

よって、どの会社でも必要とされる資格やスキルを身につけて、「とりあえず、どこでも最低限食べていけるくらいの収入は稼げる」ようになったほうがよいと考え、その観点で再度検討し、年収は下がりますがB社に決めました。

5、夫への報告


夫も転職経験者のため、(夫が転職した時にも、「どちらを選んでもわたしはあなたの配偶者だから」と伝えていたこともあり)「自分からどっちにしろとは言わないからみずりの望むようにしてかまわない」とすんなり了承を得られました。

5、親への報告


これが個人的にはハードルが高かったです。中1の最初の中間テストで予想外の高得点を取ってしまってから、「こいつ意外と勉強できる…!?」と両親の態度が変わりました。父は(わたしの志望校からワンランク落とした)「〇〇高校に行ったら人生終わり」とまで発言するようになり、受験生当時は相当ピリピリしました。公立の自称進学校→地元の国公立大学→一部(プライム)上場企業と、地方の低収入の両親にとっては、まわりに自慢するのに十分すぎるくらいの経歴になってしまい、彼らはわたしのことをトロフィーチャイルドととらえているフシがあると感じていました。とはいえ一応親だし事後報告はまずいかなと思い、先にメールで「転職活動をしており、その経過報告をしたいから電話したい」と母に連絡し数日後に連絡しました。

やはり転職理由を聞かれ、言いやすい理由として「勤務地(遠方・治安が悪い)」を挙げました。東京の地理に疎い母が分かるかな…と思いながら、最寄り駅名を伝えると、ドラマで聞いたことがあるからわかる、それなら仕方がないとすぐに納得してくれました。
「A社は親会社が〇〇と××で、B社は親会社が□□で、今はB社かなと思っている」「とりあえずどちらも後ろ指さされるようなところではないから安心して」「自慢の娘ではなくなってしまってごめんなさい」と思わず謝ってしまいました。母は「あんたまだ働くんだね!わたしは辞めてもいいと思ってたよ!」とあっさりしていました。2018年にも仕事がうまくいかない時期があって、やめたいと愚痴をこぼしたときに、「あなたの人生だから辞めたければ辞めればいい」と母は言い、「転職してもいいけど、未経験者扱いになるから給料は下がるぞ」と父は言いました。父も30代後半で転職して結構苦労して最終的にもとの会社の系列に戻ったので、この言葉は重みがありました。

6、総転職費用:約19万円


衣服:約8万円(スーツ上下・インナー2枚・ベージュのタイツ・1dayコンタクト6回分・黒パンプス・黒バッグ)
※トレンチコートで行くのは寒い時期だったため購入するか悩みましたが、手持ちのチェスターコートを使用することにし買い足しませんでした。若干カジュアルではありましたが受けた会社の服装規定がゆるかったのが幸いし、選考は通過しました。堅めの企業を受けるならスーツの販売店で黒いコートを買ったほうがよいかもしれません。
PC周り 約10万円(WindowsPC、黒色のイヤホンマイク)
※5年使用したmacは動作が不安定になりつつありちょうど買い替えるつもりだったので、ここに記載するか悩みましたが一応入れます。このほか、オンライン面談の際には、以前購入していた約2,000円のリングライトを使用しました。
写真 約3,000円
※現像した写真は最終的に使いませんでした。ZOOMの顔写真は、以前撮った免許用の写真(幸いスーツにあわせる白インナーを着て、美容院でセットした直後に写真屋さんに行って綺麗に撮ってもらった)データがあったので使用しました。
・雑費 約3,000円
※ベージュピンクのリップ、ジェットストリームのボールペン、ベーシックなメモ帳(逆質問リストを書いておく)、面接前のカフェ代など

ここ数年はスーツでお客さんと会うシチュエーションがほぼなかったので、社会人っぽい見た目を整えるのに、もろもろ買い足しましたが、普段持っている人は特別費用が掛からないと思います。

4、転職エージェントの存在

新卒の転職と違ったのは、やはり転職エージェントの存在です。ときに励まし、ときに改善のアドバイスをしてくれて、ときに一緒に喜んでくれて、(そして企業側にも丁寧にフォローを入れてくれて)わたしの実力というよりはエージェントの力が大きかったように思います。企業側の感想(よかったところや懸念点)や、過去の面接の傾向も教えてくれるので(求められる人物像、過去の質問、採用お見送り理由など)志望動機や自己PRはA社・B社でアレンジし、選考が進むたびに懸念点を払しょくするような一言を付け加えるよう心がけました。

5、さいごに

転職して年収が下がりましたが、いつ暴漢が入ってくるかわからない(とある人が会社に押しかけてくる可能性があるからと職場でさすまたを購入し、当時の職場には来なかったが後日逮捕されたと聞いた)、つねにフルネームを顧客に晒す仕事をしておりいつ匿名掲示板やSNSに顧客がわたしの個人名を書くかもわからない(前の部署の先輩が本当に2ちゃんねるに部署名と担当名を書かれた)、いつ訴状にわたしの名前が書かれるかもわからない(これは1回だけある)つねに緊迫した生活でしたが今はとても穏やかに暮らしています。
前職の持株会を売るため開設した証券口座で株をはじめ、負けているときは多少カリカリしていますが…。


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