オムライスをテイクアウトするタカラジェンヌを見かけた話

先日、宝塚大劇場近くの飲食店でランチしていたのですが、その時に一人のタカラジェンヌが入ってきました。

お稽古帰りなのか、これからお稽古なのか、ラフなジャージ姿。超小顔で細身で長身。脚なっが!!明るい短髪。男役の子だなと分かりました。

店主のおじさん、おばさんが、「いらっしゃい◯◯」と笑顔で、嬉しそうに声をかけます。

◯◯ちゃんも、ニコニコ笑顔で「おじちゃん、おばちゃん、こんにちは♪」と。

その声があまりにあどけなくて可愛くてキュン♡(ちっちゃな女の子のような声でした)

店の奥に◯◯ちゃんが座り、おばさんが「何にするの?」と聞くと「オムライス♡」と。

そしてどデカい(オムライス3人前は入りそうな)タッパーを渡していました。

おばさん(ちょっと笑いながら)「これに入れるの?」

◯◯ちゃん「うん♪」(ニコニコ子どもみたいな笑顔)

(え、可愛すぎる。おじさんおばさんに懐いてる子どもみたい。そしておじさんおばさんも、◯◯ちゃんのこと大好きで可愛がっている感じ)

と内心思い、でもあまり見ちゃダメだ、と思いながらパクパク自分のランチを食べていました。そして先に店を出ました。

私がこのような日常の一場面を見たのは今回がはじめて。でも街全体で、こんな場面は沢山あるんだろうなと思います。

街全体が、タカラジェンヌの子を見守り可愛がり、育てている感じ。自分の娘のように、温かな愛情で包んでいる感じ。

だからこそ、ここはムラだし、聖地だし、特別な場所なんだなと、胸が満たされる思いでした。

それにしても、あんなに可愛い少女みたいな声の子が、舞台に上がったら、男役の声で話し、歌い、キザって、投げキッスやウィンクまでするのか〜〜〜〜!!!!と思うと、にわかには信じられない気持ちに。嘘でしょ!?マジか!!と。

この振れ幅の大きさが宝塚の魅力で、そして相当すごいことやってるんだなと、改めて感じました。

試しに、自分が男役の声を真似しても、へなちょこ過ぎてすぐに心が折れます(当たり前ですが)だって喉が不自然に苦しくて長く喋っていられない。

自分が思っていた以上に、男役の子が「女の子」だったことを知り、舞台をつとめる彼女たちに、より尊敬の眼差しが加わりました。本当に、本当にすごいことやってる、と。

たまたまあの日、あの時間、あの場所でお見かけすることができた◯◯ちゃん。

あなたは私のことは何も覚えていないでしょうが、私にとっては忘れられない大切な記憶、思い出になりました。

存在自体が、人に喜びや嬉しさを与えてくれる。それがタカラジェンヌ。

ありがとう。大好きです。