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江戸の動物界のアイドルは象!?

 今の日本における動物界のアイドルはやはり「パンダ」だろう。

希少性という意味もあり、パンダが来日すれば、一躍大ニュースになり、上野動物園にはパンダを観たい人で溢れる。戦後の日本からアイドル動物はパンダである。

では江戸時代のアイドル動物といえば、なにか? それは象である。


1728年、幕府8代将軍、徳川吉宗の意向を受け、ベトナムから2頭の象が長崎に来日し、翌1729年に江戸に着いた。江戸で象は大ブームとなり、象関連の商品(本やおもちゃなど)が数々誕生し、飛ぶように売れた。

しかし莫大な飼育費用がネックとなった幕府は民間に払い下げる(民間人に売ること)ことを早い段階から決定し、1741年に中野村(現在の東京中野区)の百姓、源助に払い下げた。この百姓は商売に長けた人物で、象の見物料を取ったり、象のフンを薬としても販売していた。

結局この象は源助の元に来てから2年後に亡くなるが、死後も象の牙や骨を見世物として収入を得ていた。江戸時代に来日した象は死後も人々から興味を抱く対象だったのだ。


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