![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/51832418/rectangle_large_type_2_63254d0fbff1a953d8e89ee7d7451b9c.jpeg?width=800)
【Poem】 小さな私がうそをついた理由。
人生で最初についた嘘を今もハッキリ覚えている。
姉がどうしても使わせてくれなかった色鉛筆。
5歳の誕生日に、やっと自分の色鉛筆12色セットを買ってもらうことができた。
なのにデパートからの帰り途、置き引きにあい、なくなってしまった。
肌身離さず持っていればよかったのに・・・。
少し目を離した隙に・・・なくなっていた。
泣き出すより前に、頭を思いめぐったのは、「どうしよう」という想い。
母に叱られる、怒られる、怒鳴られる・・・。
「なんて説明しよう・・・」
とっさに嘘が口をついて出た。
「大きなお兄ちゃんが持っていってしまった」「返してって言ったのに」
「悲劇のヒロインにならなくては・・・」そう思った。
いくつになっても、あのときついた嘘は忘れられない。
今でも失敗すると必ず「どうしよう」と、言い訳するための理由が頭をめぐる。
でも、少し冷静になると、「嘘なんてつく必要ないじゃない」と可笑しくなる。
「嘘をつく」のは自分を守るためだった。
大人になって、その事実にふと気がついたとき、
「私は絶対にそんな親にはならない。なってはいけない」と誓った。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?