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【十勝LOVE】 涙が出た。

学生時代の私はボロボロだった。
「ここの会計、キミのカードで払うの?」(飲食店マネージャー)
「あの人、すごくヤバイ人だよ?」(不動産屋さん)
見ず知らずの周囲の大人からこんな忠告を受けることもしばしば。
いよいよ、クレジットカードの支払いに困り、
その督促が親にいき、数十万円の借金がバレてしまった・・・。

ちょうど、そんなころ。
NHKのテレビ番組で、十勝の雪景色が映し出された。
キラキラとした光のコントラストと青い青い、青い空。
突然、ポロポロと涙が止まらなくなり、もう抑えられなかった。

あれだけ嫌って、飛び出したかった十勝。
数年後、ものすごい後悔とともに再び飛び出すことにはなるけれど。
結局は一時、〝借金のカタ〟に田舎に帰ることになった。

今なら、わかることが一つだけある。
故郷にはとくべつな〝何か〟があるのだ。
目や耳、舌、皮膚、踏みしめる足元や触れる手の感触、
全身のすべてが記憶し、染み込んでいる〝何か〟が。
十勝に帰ると、その蘇る何かに癒され、ホッとさせられる。
豊かな自然に、空に、エネルギーをもらえる気がする。

しかし、そこで生きることはまた別問題だ。
かくして、私は面倒くさい人間だな、と思う。



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