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アメリカ合衆国連邦議会選挙を分かり易く解説

皆さん、こんにちは。 留学コンサルタントのマサです。

今回は連邦議会(立法府)の議会選挙を説明します。最初に連邦議会とは上院(Senate)と下院(House of Representatives)により構成された議会で、二院制を採用しています。

議会の主な仕事は法律作り大統領から承認を得る事です、

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上院議員(Senate)は任期が6年です。

上院議員に立候補する条件は、30歳以上、米国市民となって9年以上経過しており、選出される州の合法的居住者が必要な条件です。出生時が外国でも上院議員にはなれます。各州から平等に2人ずつ選びます

上院の定員は100議席です。33人、33人、34人を2年ごとに選挙するので、任期満了の時期がずれてきます。各州の国民の有権者が投票し、選ばれた議員は6年間務めます。何度でも再選する事は可能です。各州全てから2人ずつ全ての州の権力を同じにしています。

上院議員の主な仕事は、役割は外交的な内容が多く、時間のかかる国際的な問題などを主に取り扱います大統領へ助言や同意。また大統領により指名された各省長官、最高裁判所裁判官、軍の司令官などの承認をします。

他にも、下院によって訴追した連邦役員の弾劾裁判を行います。上院の議長は副大統領が兼任していますが発言の権利はありません。承認の際に賛否が同数場合など最後の一票を副大統領が上院議長として投票できます。

つまり、上院議員はイメージとして州の代表議員、そして大統領側近のサポート役(サポート役はあくまでも大統領自身と同じ党が過半数を確保している場合に限ります)と解釈できます。

下院議員(House of Representatives)は任期は2年です。

下院議員に立候補する条件は25歳以上で、米国市民となって7年以上経過しており、選出される州の合法的居住者が必要な条件です。上院とは違い各州の人口によって選ぶ人数が違います。上院の定員は435議席です。

カリフォリニア州がもっとも多く53議席、一番少ないのはアラスカ州の1議席です。各州の国民の有権者が投票で選び、選ばれた議員は2年間務めます。

上院議員と同じく、何度でも再選する事は可能です。下院議員はイメージとして州よりも小さな地域の代表議員という事です。役割は税制や税率に関わる予算などの法案の先議権が一番大きな仕事です

大統領・副大統領その他の裁判官を含む連邦公務員を訴追・弾劾できる。(弾劾裁判は上院にて行われ、2/3の賛成を得る必要があります。)
また、大統領選挙の際に、選挙人を過半数獲得した候補がいない場合は大統領を選出する事もできます。

下院の選挙は2年に一度なので大統領選挙の間に行われる、選挙が特に注目度の高い中間選挙と呼ばれます。新しい大統領の世論の評価にもなります。

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2016年にトランプ大統領が当選して、2018年に中間選挙がありました。上院は共和党を2議席増やす事ができましたが、下院では大きく負け越す形になり民主党235議席、共和党200議席になりました。

民主党は8年ぶりの躍進でした。世論はトランプ大統領への不信感などが強くなったという表れでもありました。

このように2年に一回のペースで上院と下院の選挙は行われます。下院議員は特に2年間という短い任期なので、自分の立候補した地域に常に訪れ再選(再選率は約90%あります)できるようにしています。

さて、先ほど2018年の中間選挙で下院の民主党の躍進と書きましたがこれが連邦議会にどう影響するかを説明します。

ねじれ議会→トランプ大統領の弾劾裁判

下院選挙での敗北はトランプ政権に取ってかなり厄介な事になりました。下院の過半数以上が民主党勢力のため、予算の取り決めなどで毎回問題が起きるようになりました。

19年2月にはメキシコとの国境の壁の建設予算確保の非常事態宣言の差し止め案を下院で可決
19年10月にはトランプ大統領の弾劾手続きのスケジュールを規定する内容の決議案が作成され、トランプ大統領に対する弾劾調査報告書公表,大統領は自身の個人的・政治的利益を米国の利益よりも優先し,米大統領選挙の健全性を傷つけようと試み,米国の国家安全保障を脅かした。

という内容です。民主党の何が何でもトランプ大統領を罷免しようとした一連の活動でしたが、結局上院にて無罪放免になりました。

このように2018年から現在までトランプ大統領には試練の年になりました。このように上下院で自身の政党が過半数を取れていないと何かと問題をおきます。

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今回2020年の選挙が大統領選挙だけでなく、上下院の選挙もとても注目度の高い事がお分りいただけたかなと思います。

トランプ大統領、初の罷免大統領への道?

トランプ大統領はいつも過激な発言や行動で世間を賑わせていました。2018年の下院選挙の惨敗は大統領の世間からの成績表。世論の評価が下がったと言っても過言ではないと思います。

その後に下院から弾劾裁判にまで発展した問題について少しお話します。上院&下院の選挙がどれだけ大事か分かってもらえると思います。

まず初めのスキャンダルは

不倫疑惑-元ポルノ女優ら2人に対して口止料を支払ったと担当弁護士が告発した事件。

ロシアゲート-2016年の選挙の際にトランプ大統領を当選させる為に、ロシアがサイバー攻撃やSNSを使ってヒラリー氏の不利な情報を世間に公表した。民主党へのハッキングでヒラリー氏が不利になる電子メールなどを大量流出など。

この2つの疑惑は白ではないですが、何とかギリギリ乗り越えました。

ウクライナゲート-電話会談でウクライナ大統領に対してバイデン氏(民主党大統領候補)と息子のハンター氏の調査を依頼。その会談前にウクライナに対しての軍事援助を取りやめていたので、その援助の再開を武器に調査を依頼したと推測できます。

これにより、下院民主党は弾劾手続きをスタートしました。初の罷免大統領(ちょっと期待していましたが。)にはなりませんでしたが、大統領を不支持している人たちの感情は特に高くなっています。

このように上院や下院で自身の政党と逆の政党が過半数を持っていると協力ではなく反発そして争いがおきます。以前のオバマ大統領の健康保険も連邦議会を共和党が過半数以上で何度も修正、共和党の要望を聞き入れるなど時間を要しました。

大統領選挙も大事ですが、上院下院選挙も同じ政党が取れることが国として健全なことではないかと思います。大統領の疑惑に大半の国民は興味がありません、それよりも経済をよくする、

環境をよくすることが国民の願いです。トランプ大統領がもしまた来年も続けて行くなら、移民に対しての無駄な締め出しよりも(メキシコの壁にあんな莫大な金額使うことは誰も喜んでないです)、経済回復などに尽力をしていただきたいですね。

それがアメリカ合衆国が世界一のみんなが憧れる国です。アメリカ国民はトランプコーポレーションの社員ではない事を分かっていただきたいです。

最後は少しトランプ大統領への愚痴になってしまいました。すみません。

今年2020年、大統領選挙と合わせてこの上下院選挙も注目してみてください。以上になります。

有難うございました。

今日の紹介したい映画は「ODE TO JOY-世界一不幸せなボクの初恋」。病気の主人公の恋愛映画です。シリアス感は少なく、明るく楽しめる作品だと思います。

本日の名言は、

One man with courage makes a majority by Andrew Jackson

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勇敢な一人の人が多数派を作り出す

アメリカ第7代大統領、民主党を立ち上げた アンドリュー・ジャクソンの名言です。

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