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機動戦士ガンダム 水星の魔女 12話 モビルスーツでは相手の顔が見えない

今期話題をかっさらって行った水星の魔女についての感想です。
ネタバレあり。







最後の展開に賛否両論あるけど、私は賛だ。
12話を見て思ったことは戦争を賛美しないことだった。

水星の魔女は学園内の決闘という模擬的戦争を描いてきたけど、モビルスーツがかっこよく戦い熱い展開が続き心を動かされてきた。
12話ではスレッタ達は学園の外に出て戦争に巻き込まれてしまう。
そこで初めて戦闘による人の死を見る。
これまでも人が死んでいるが(プロローグとか強化人士4号とか…)、決闘の時とは違いドラマチックな熱い展開はなくただ絶望と恐怖を描いていた。

グエルが父を殺してしまうのもとてつもなくグロいすれ違いだった。
戦場では敵か味方かしかいないが、敵がどんな人間か分からない。
戦場でのクリスマスの逸話などがあるが、国同士は敵対していても場所が違えば分かり合えることもある。
しかも武装していると顔も分からない。
そんな戦争の無慈悲さを最悪な展開でよく描いていると思った。

決闘ではモビルスーツ戦をかっこよく描いてきたから、この悲壮さとグロテクスさはただ「これがガンダムだ!」なんていうドヤ感を出すためではなく、戦争を鼓舞したり賛美しないために描いたと思っている。
昨今は軍事強化が押し進められているように戦争が身近に感じることもある。
ガンダムはロボットを通して戦争を描いてきたけど、今の時代だからこそ戦争を賛美しないアニメを作ったんじゃないかな。
私はそこが良かったと思う。

Cパートのスレッタは怖かった…
母に洗脳されているとはいえ、人を殺すことを良しとされると躊躇無く出来てしまうのめっちゃ怖い…
私は戦争を知らないけど、戦争している時はそうなってしまうのかな…
ただ、あの状態ですぐにベストな行動ができるかとは思えず…
スレッタはミオリネの危機が迫った時に咄嗟に母と同じ行動をしたんだと思うと「お母さんに褒めてもらいたい娘」っぽさにも納得がいく…ような…

大きな権力に翻弄される子供達を描いてきて、モビルスーツに乗ることで男女の力の差が無くなったことを描き、12話のCパートでモビルスーツ自体が強大な力であることを描いて、かなり複雑だな…
2期も期待しています。

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