婚活

これまでの私 ◆婚活パーティー編◆


ー人間ルーレットと悲しい年越しー


◆人間ルーレット

結婚相談所を辞めた私は、もっとリーズナブルに多くの人と出逢える婚活パーティーの世界へと足を踏み入れる。

様々な企業が企画していて、検索するとそれはまぁ膨大な量のパーティーが出てくる。「女性は3000円くらいで参加できる!コスパよい!」と、ハマった。

会場は都心の飲食店やビルに設けられている会場など様々。私は主に20代後半から参加可能な1対1で会話ができるパーティーに参加した。


会場につくと仕切られた2人がけの席に案内される。そしてやってくる問題。”パーティーが始まるまで隣の男性と会話するのかしないのか問題”

これは大変重要な問題である。このあと間違いなく会話することになる相手。なのにパーティーのGOサインがでるまで相手の様子を伺いながら黙ったままでいる2人。

”違和感” なんだこれ。

そしてGOサイン。待ってましたと言わんばかりの勢いで始まる会話。さっきまで静かな会場だったのに、壁で仕切られた向こう側から楽しい会話が聞こえてくる。

”90秒”

パーティーにもよるが、相手と会話できる時間は平均して90秒だった。多くて10人の男性と会話をする。

プロフィールカードを持った男性が代わる代わる私の隣へ座る。

”人間ルーレット”

まさにそんな感じだった。90秒の間にプロフィールカードに書かれたわずかな情報をもとに会話をする。薄っぺらな会話で終了。

「わけわからん」私の正直な感想だ。誰が誰かなんて覚えていられない。


そしてパーティーの終盤にやってくる、誰が自分とマッチングしたいか分かる仕組み。その人数で、自分がどの程度なのかわかる。拷問のような、この瞬間。

その拷問が終わると、マッチングしなかった者に追い討ちをかけるように最大の問題がやってくる。

”マッチングした男女の横を通って帰宅するの気まずいし悲しい問題”

そう。マッチングした男女は部屋を出たすぐのところで落ち合うことが多かった。その横を1人何気ない顔をして通るのが最大の問題なのだ。これは回数を重ねて”自分は気にしてません”という表情を作りだすことで解決できた。(解決できてしまうくらい多くの回数マッチングできなかったということである)


◆悲しい年越し

そんな私も無事マッチングできたことがあった。

婚活パーティーで、3000円を払って、90秒会話をして、マッチングした相手。

数回デートをした。食事、ショッピング、遊園地 。まるで義務のように、デートが終わると次回会う日を決めていった。表面上の会話に嘘っぽい笑顔。お互いにそんな感じだった。

そしてやってくる、悲しい年越し。

私から、年越しイベントに一緒に行こうとマッチング相手に提案したのだ。


”全然、楽しくない”


そう。私の本心は、その人と過ごしたいからではなく、年が変わる瞬間に”誰でもいいから誰かといたかっただけ”なのだ。1人は寂しいという世間の目を気にして、相手とデートを重ねていたのかもしれない。なんて失礼なことをしていたのだろう。

私のそんな思いは相手に伝わったのか、どちらともなく連絡は途絶えた。

それで良かったと思う。


婚活パーティーで活動するも、心から楽しめていない、結婚に本気でない私はいい関係を築ける男性と出逢うことはなかった。世間体のために結婚せねば、相手を見つけなければ。

そんな私は、次なる活動へ進む。NEXT




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