ゲーム作り2年目の自分から未来の自分へ
備忘録
現在、ボードゲームの自作をはじめて2年目の駆け出しゲーム作家です。
これからずっと続けていくつもりだから、将来忘れるであろう、今現在のゲームの作り方について備忘録を残そうと思います。
10年後に読み返す予定です。
すでにベテランのボードゲーム作家の先輩方からしたら、苦笑モノの内容になるかもしれないですが、それはそれでご笑納頂ければ!
今が半人前として、一人前になったときにどのくらい作り方が変化しているのか、今から楽しみです。
というわけで、本題に。
ゲームの作り方(現時点)
まずは目的から。
私がゲームを作る目的は、今までに発見されていない「おもしろさ」の発見と具現化です。なので、最終的にはこの目的を果たすゲームの作成をめざしてボードゲーム作りをやっています。そしてこの最終目的の前段階としていくつかの目標を置きました。
1年目の目標→とにかく形になるところまでゲームを1つ作る。
2年目~4年目の目標→既存ゲームをたくさん遊んで色々なメカニクスを知ること、すでに親しまれているゲームのゲーム性の分析、そして生産力の向上(遊んでそれなりに面白いと思える水準のゲームをとにかくたくさん作る)
5年目~→4年目までに貯めこんだ知見を基に、いよいよ最終目的に合致するようなゲームを作るため、メカニクスとゲーム性の両方で誰も見たことのない新しいタイプのゲームを作る。
1年目目標に対して、どのようなアクションを取ったか
1年目の目標に対して、自分が好きな題材で、自分が遊びたい相手と楽しむことを要件に設定しました。
まず自分が好きな題材は、世界観としてはファンタジー、ゲームとしてはダイスを使ったものでした。そしてこの時遊びたい相手として想定したのは自分の子供たちでした。
この時考えたのは、
「子供たちと遊ぶので、ルールはシンプルに。」
そして、ゲーム内容は次のような順で考えていきました。
・サイコロを使うということは確率のゲームになるので、確率を変動させる効果を設定することにしました。
・次にゲーム性として、「確率を上げる行為」と「ポイントを取る行為」とのジレンマをターゲットにすることにしました。
・大人vs子供でも楽しめるように、確率を計算する戦略性を必要としつつも、ダイスの目によって一発逆転が起こりえる形とする方針にしました。ダイスは1個当たり6パターンなので、一発逆転するようなケースが多くなり過ぎないよう、6×6×6=216パターンの出目の組み合わせが発生する、ダイス3個でのゲームにすることにしました。最終的に、6/216=1/24の確率で発生する「すべてのダイスが同じ数字」の状態になる度にポイントが入る形になりました。そしてより高い確率で発生する、2/3の出目が同じになるワンペアの状態や3つのダイスが連続数になった状態ではそれぞれ、ダイスの出目を変更できるカードを取ることができるようにしました。
・しかしこれでは毎回ただダイスを振るだけなのでジレンマが発生しません。そこで、①ダイスを振ってカードを取るアクションか、②カードを取らずにポイントを狙いに行くアクションのいずれかをプレイヤーが選択することにしました。当然、①のアクションではポイントが取れないわけですが、一発逆転の要素として、①のアクションでもカードを使わずにすべてのダイスが同じ数字になった場合は、ポイントが取れるというルールに落ち着きました。
・さらに、②で勝負にいくリスクをより強調するため、最終的には②に失敗したらすべてのカードが没収されてしまうという仕様になりました。
・ただし、このルールによって②を選択することにしり込みをしてしまうようになるため、さらに1つルールを足しました。それは、「だれかが②に成功したら全員カードが没収され、一旦リセットされる。」というルールです。
・これらのルールによって、①を選択した場合は「誰かが②を成功させた時点ですでに持っているカードが無駄になってしまう」というリスクを取ることになり、②を選択した場合は「失敗すると自分だけリセットされる」というリスクを取ることになりました。このようにして、最初に狙ったジレンマが発生する仕掛けができました。
・次に、出来上がったゲームルールに、ファンタジー要素をいれながら世界観を設定していきました。
・さらに世界観に合わせてイラストを作成し、ルール説明のカード含め、印刷業者に発注するためのデータ(カードデザイン、ダイスデザイン、パッケージデザイン)をそろえました。
もちろん、それぞれの段階ではかなり試行錯誤があり、試作品を使ってはプレイして、ルールを整理して、足し引きしてみたりと四苦八苦しました。
初めて発注したパッケージやコンポーネントが届いたときはちょっと感動しました。実際に子供たちとも遊び、喜んでもらえたので1年目の目標は達成できたかなと思います。
さて、2年目以降の目標に対するアクションはまた追々。
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