間違え電話
とあるラジオを聞いていた、確かその時のテーマは《誤爆した》だった。世の中が便利になってきて恋人に送るはずだった《愛してる》を間違えて父親に送ってしまったなど明るい誤爆の投稿が多かったのだけれど私の心にずしりと来たその投稿は、少しトーンの違うものだった。
携帯が鳴って仕事中だったため出られず後からかけ直そうと見てみたら固定電話からだた。というものだった。
留守電にメッセージが入っていたので聞いてみると
「○○ちゃんごめんなさい。私たちが悪かったわ。お願い帰ってきて、せめてどこにいるかでも教えて。」
どうやら家出した娘に対しての電話を間違えていた様子。固定電話からだったため市外局番を調べると福島からだったそうだ。間違えてますよと電話をしようと思うか迷ったその数分後あの大地震が起こった。
というものだった
電話がかかってきた人はきっと毎年その事をおもいだすのだろう…あの親子は、会うことができたのだろうかと。
親子だからこそ許せないことがある。自分がやってきたこと・世の中の常識・確率的に無難な方を…対立し自我が目覚めた子どもは親離れ出来るのになかなか子離れは難しいものだ。
あの震災の中両親はそのメッセージがせめて子供に届けばと思う。そして届かなかったメッセージ…子供は震災の中両親を思ったであろう。メッセージが届かなかったからこそ思いは強くなったかもしれない。
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