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過活動膀胱の治験例

40代後半の女性のお悩み。

トイレに行きたいと思うと、「切迫感」でトイレまで持たない。1~2時間しか持たない為、通勤や仕事にも制限が出る。

大量に「失禁」することもある。下腹部が張ってガスが出る。

4~5年前から始まったと言います。どんなに辛かったでしょう。何とかして差し上げたい...強く思いました。

その他に「正常眼圧緑内障」で、視界の回りが暗いとのこと。

ハウスダストによる「アレルギー性鼻炎」もある。

病院に行けば尿を止める薬が処方され、又は鼻水を止める薬が処方され、眼圧が上がってしまうことも考えられます。

このように「あっちが立てばこっちが立たず...」となりやすい為に、西洋医学での治療はなかなか難しいところ...

では「漢方」ではどうか?ということで、ご相談にみえました。まずは緑内障の治療を優先させ、緑内障の疑いは晴れました。

問題は「切迫性の尿失禁」...痩せて内臓下垂タイプなので、胃腸を建て直すことから始めてみました。ところが「補気剤」に抵抗して、なかなか効果が出ません。倦怠感は取れたと言われましたが...

一ヶ月も手を変え品を替えやっても改善しないとなれば、原因は全く違うところにあるだろう...

ガラリと方針を変え、「自律神経系」と「ホルモン系」の漢方薬をお渡ししました。

一週間後、ようやく効果が出て「尿失禁」は気にならなくなりました。お腹の張りも取れ、念のためにもう一週間はこのままお飲み頂くことに。

ただ、「朝のくしゃみ鼻水」は「小青竜湯」を飲んでも改善せず。なるほどね...だんだんこの方の体質が分かって来ました。訴える症状では「実証」ですが「桂枝湯」の変方で様子を見ることに...

「尿失禁」の患者さんはずいぶん治療してきましたが、今回はその中でも非常に難しいと感じた例です。見た目や症状が「教科書」とまるっきり違っていたからです。

これからも油断すると「緑内障」になる可能性もあり、失った視力はもとに戻らない為、慎重に経過を見ていかないといけません。

それにしても、患者さんも諦めずによく続けてくれたと感謝しています。私も貴女の笑顔に救われました。有り難うございます!これからも頑張りましょう!


漢方相談スミレ















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