真綿で首を絞め続けている

甘ったるい恋愛小説を読んで自分で自分の首を絞めている。キュンとするのはいいが、絶対今ではない。キュンどころか心臓が苦しくて息ができないよ。

旦那とはもう2日まともに顔を合わせてないし、口なんかきくわけないし、LINEすらしてない。どこでご飯食べてるのかも知らないし、今月のシフトも貰えないのでいつが休みなのかも知らない。
私が話しかけてこの喧嘩が終わるのであれば、それはそれでいいのかもしれないけど、生憎可愛くない女なのでそれもしたくない。私謝るようなことしてないし。
同じ家の中にいてわざわざ会話しないのも面倒くさい。いっそ帰ってこない方がマシまである。いないならいないで一人暮らしみたいで楽しめるし。

明日は気乗りしない飲み会で、珍しく迎えに来てくれるって言ってくれたのが唯一の救いだったのに、結局代行かタクシーで帰ることになりそう。寂しいし金がかかるしだりぃ。気乗りしない飲み会が更に憂鬱に。もう帰ってくんのやめたろかな。なんやかんや言うても迎えに来てくれるなんて少女漫画のような展開は期待してません。そんなのないもん。そんなのあるんだったら喧嘩してないもん。

酒飲んで忘れるしかねぇ〜このまま離婚とかしたらウケる〜そんなわけないじゃんと言い切れないのもこえ〜愛されているだなんて思ったことね〜言われたこともね〜自信ね〜必要とされてるかもわかんね〜たぶんそこそこちょうど良い女で催促されたから結婚しただけ〜プロポーズもされてね〜結婚指輪ももらってね〜私と離婚しても早々に再婚しそう〜

え、なに、私ってもっと愛された方よくない？

と、思うけど、それは私が愛されるべき存在ではないから仕方ないか。人を愛そうともしないくせに、愛されたいだなんてあまりに傲慢。

てか、愛って何？美味しそうに焼けた方のハンバーグをあげること？このお菓子好きだったなあって買ってあげること？ここ面白そうだから一緒に行きたいなあって思うこと？

どれも納得できるけど、どれもしっくりはきてない。

これって10代くらいの子が悩むやつじゃない？恋愛経験の乏しさ故に30代で悩んじゃってんだが。きちぃ。

現実嫌すぎて二次元に行きたいが口癖になってるよ。まあ私は二次元でも結局同じ道を歩むことになるね。だって人を愛したこともない捻くれた人間がヒロインになれるわけない。ヒーローの横にいる女の子はいつだってキラキラしてかわいいんだよ。純粋で真っ直ぐでヒーローを愛してんだよ。

ぷーーーーーーー
来世に期待！いや！来世なんかいらない！はよ終われよ今世すら。

きっともう今世では叶わないだろう望みが頭の中をぐるぐると回るけど、仕方ないじゃないか。自分で選んだんだもの。嗚咽を飲み込み奥歯を噛み締め唇を引き結んで、その望みたちを手放すしかない。涙が止まらなくても顔を上げて前を見据えて立つしかない。