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二人の兄弟

その兄弟は超有名人。

彼らを知らないと言う人を、私は知らない。

彼らはある意味、訪問者である。適度な訪問回数は求められるが、多くても少なくても、不満が出る。

しかも音沙汰が無ければ、大きな問題に発展する。複雑かつ微妙な存在だ。

この二人、一緒にいる所を目撃される事は少ないかもしれない。仲が悪いのだろうか。
一緒にいる事があるとすれば、訪問先がとても小さく可愛らしい場合が考えられる。
それ以外であれば異常事態の事もあり得るので、監視と注意を怠る事はできない。


弟については、彼の訪問回数は問題視される。また、痛い思いをさせられる事もあると聞く。しかし、すぐに水に流してくれる鷹揚さも持ち合わせてもいるのだ。堪忍袋の性能は、なかなかのもの。

対して兄は体質的に弟とは全く違う。身体は大きく感嘆符がつくほど立派だ。反対の意見もあるかもしれないが、その判断のありようは人それぞれと言っておこう。
彼もまた別の意味で訪問回数は大きな意味を持つ。彼の訪問を心待ちにしている女性は少なく無いらしい。羨ましい事だ。

彼らの人生は不思議に満ちている。


ところで、あなた方は旅行が好きだろうか。勿論、私は好きだ。

この兄弟も御多分に洩れず、憧れている。
二人が生涯に一度でも旅が出来るかと問われれば、出来る確率はどうだろう、程々というところだろうか。
だが、運の良いもの達は、一年に一度、団体旅行の名簿に名を連ねる事ができるらしい。


ただ、彼らの旅は私達のそれとは少し様子が違うようだ。

例えば、兄弟で同じ日に出かけたとしても、乗り物はそれぞれ別だ。
彼ら自身が決めた事では無い。まあ、そう言うものなのだ。

昔であれば、兄は小さな箱、しかも使い古し。今では最新のアイテムが用意され、劣悪な環境では無く、極めてスタイリッシュな旅ができていると思われる。

弟の場合は、また違う。
兄よりも短距離の旅行になる可能性は大だ。ただ、
紙とプラスチック、どちらかが用意されている。どちらにしても一期一会の使い捨て、贅沢な旅だ。


兄弟の旅のメインは同じ場所。
特別室に案内され、様々な角度から注目され、数字での表示が行なわれる。

それは彼らには名誉な事なのかもしれない。なぜなら、その結果は人助けに繋がるのだ。

しかしながら、それは彼らの望んだ旅であったかどうかは疑問ではある。これと全く違う運命を辿ったとしても。

最終的な目的地に到着すれば、愛情を込めた抱擁の中で彼らは仲間達と一体化するのだ。


彼らを侮るなかれ。
彼らの存在がなければ、我々生き物、人間は生きていけないと言う事を思えば、祈りにも似た心境にあなたもなるはずだ。

彼らに感謝を込めて、9月31日、この日を彼らの為の日として制定したいが、そのような日付けはどんなカレンダーにも存在しない。残念無念。 

もうお気付きだと思うが、彼らの正式ネームはビッグベンとリトルベン。

二人合わせて、し尿とも言う。

あなたの健康に貢献してもいる彼らは、

あなたの運命をも司っているのだ。愛情を持って付き合って欲しい。うんと見守り続けて行こう。
そうする事は私達の運気を養う事にも通じる

幸運は、いつも彼らと共にあるのだから。



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**追記(必要無いかも)

•兄の乗り物は、マッチ箱。お若い方はご存知だろうか。
•特別室とは臨床検査室。
•931 語呂合わせ