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チャリンチャリン太郎2 毎週ショートショートnote
茶鈴山。その山は昔、姥捨山だった。
山頂近くに寺がある。
昔、山に捨てられた者達を鎮魂するため、この寺が建てられたそうだ。
現在、寺の住職は居らず、葬式の時は隣村から僧侶がやって来る。
ある時、旅の途中の僧侶がこの村に立ち寄った。村の長に頼み、一夜の宿として寺に泊めてもらう事になった。
その夜、村の長はお勤めを一緒にするため本堂に赴いた。
そのお勤めの最中、おりんが妙な音で鳴る。
『チャリンチャリン太郎』と鳴るのだ。
不思議に思い、僧侶は長に尋ねた。
「このおりんは、いわくがあるのですか」
「このおりんは、待っているのです」
「何をです?」
「太郎という人を」
「なぜ?私は得度の前は太郎と言う名前でした」
「それですよ、おりんはあなた様にここの住職になるようにと伝えているのです。
この寺を建立したのが、太郎という方だったと聞いております」
「これも仏様の御導き」と僧侶は答えた。
村人はチャリンチャリン太郎様と、新しい住職をそう呼び、敬った。
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たらはかにさんの企画です。