木の実このまま税理士 毎週ショートショートnote
宇宙船は、USO８００地点に到着。
そこにある星は驚くほど小さい。一本の木しか生えていない。その一本の木は星全体を包み込んでいる。まるで神話の中の木のようだ。いつ訪れても赤い木の実がたわわに実っている。
この木の実を一粒食べると願いが叶う。
常識外れの願いは、ほぼ叶わない。だから大金持ちなる夢を叶えたいと願う者が殆どだ。
選んだ赤い実を手にし、再び乗船した客たち。
さあ、食べようとした時、船長が引きつった顔で言った。
「この船は動きません。船も無線も故障。申し訳ありません」
２０名の客たちはお互いに顔を見合わせる。
誰か一人が自分の夢をあきらめて、無事に帰れることを願ってくれさえすれば１９名の願いは叶う。
一人の客が申し出た。
「私が無事に帰れるように願います。皆さんは木の実をこのまま召し上がってください。その代わり、皆さんは私の上得意になってください。このまま税理士の私も、ご相伴にあずかります」
彼は用意した契約書を差し出した。
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たらはかにさんの企画です。今週の裏お題『木の実このまま税理士』です。
ため息しか出ないお題ですが💦
さて、契約書には何と書かれていたのか気になります。それにしても、用意周到な税理士です。