ルールを知らないオーナメント 毎週ショートショートnote
昨年片付けた場所に、オーナメントが見当たらない。
その時、二本足で歩いて近づいて来たのは白猫。至極当然のように猫は私に声をかけた。
「ご機嫌よう。何かお困りのようね」
私は、つい返事をしてしまう。
「ええ、クリスマスのオーナメントが見当たらないの」
「あ、それでしたら、私がお借りしてますのよ」
「あの、猫さん、困ります。お返しください」
「今日のパーティーが終わればお返しします。あなたもクリスマスパーティーをなさるの」
「いえ、ただ毎年飾っていますから」
「でしたら、私達のクリスマスパーティーにお招きします。明日の七時お迎えに参ります」
それだけ言うと猫は消えた。
次の日の七時、猫は迎えに来てくれた。
ドレスアップした私は猫達に囲まれた。なかなかの紳士淑女ぶりの彼ら。私は思いの外楽しんだ。
12時を知らせる時計が歌う。
気がつくと、猫達はオーナメントに姿が変わっていた。オーナメントが猫になっていたのだ。ルールを知らない?ま、いいか。
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たらはかにさんの企画です。
いつもありがとうございます。
気温差が激しいこの頃、ご自愛くださいね。
あ、Merry Christmas ❣️です。
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