金持ちジュリエット
その美しい娘、ジュリエットの家は大変な資産家だ。
しかし、彼女はこんな生活にウンザリしていた。先祖の残した資産でヌクヌクと生きていくだけなんて、何の面白みも無いではないか。退屈なだけだ。
彼女は自分の力だけで、人生を切り開きたかった。
彼女は決心した。家を出る事を。
つまり、家出。
軽く身支度を整え、地下室の秘密の通路から外へ出て行くのだ。家族以外知らない通路。
しかし、どうした事だろう。しばらく歩くといつもの通路が二股に別れていた。片方の道は土壁が壊れた事で現れた。この先にあるのは別の出口か?それとも。
新しい道の出現にも、ジュリエットは臆する事なく、未知の道を進んで行く。胸は高鳴る。
やがて、道は行き止まる。
現れたのは、山のような金銀財宝。
彼女の先祖が、密かに隠したに違い無い。
「なんだ、出られないのか」
ジュリエットは踵を返し、二股道まで戻って行き、無事に外に出た。さあ、旅立ちだ。
あぁ、金持ちの考える事はわからない。
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