冬の精『詩』
地味なピンクのあの帽子
毛糸で編んだあの帽子
毎年冬が近づけば
頭にチョコンと載せてやって来る
おばあさんがやって来る
毎年毎年待ってるの
おばあさんに出会える日
冬の訪れ感じる頃に
微笑み交わすそのために
おばあさんは私かも
今年はきっとわかるはず
毎年毎年そう思う
冬の精の証なの
おばあさんのあの帽子
冬の精がおばあさん
知らないわよね誰だって
雪のように儚げで
溶けてしまいそうな女の子
おばあさんも若い頃
そんな日々があったはず
私はずっと待っている
帽子を受け取るその時を
私の髪が白くなり
帽子が私を認めた時に
おばあさんと私
木枯らしの中で入れ替わる
その日はホントに来るかしら
*私の髪はすでに白いのに。
まだまだ、冬の精にはなれないみたい。