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爪毛の挑戦状

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爪毛川太さんの企画です。 410文字の世界。お題は固定です。選ぶのはあなた。
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2022年8月の記事一覧

自分の光

自分の光とは、オーラの事だ。 昔、自分の光、又は魂の色を知るためには真夜中に鏡をみれば見える。その色により、性格、運命がわかる。などと言う記事が少女雑誌に掲載された。 私も試したが、何の色も見えず。友人も同意見だった。 あれから自分の色、魂の色の話は立ち消えてしまった。 だが最近、ブームが再燃したようだ。 何と高齢になった今、私には見えるのだ。自分の光はやはり見えないが、他人の光はよく見える。 真夜中でなくても。 しかし、今更占い師にもなれない。商売の才は無い。何の知識

裏地の刺繍

最近、購入したジャケット。 これは裏の商品。 裏の商品だからこそ美しい。高額に見せる為の演出でもある。 この裏地の刺繍は見事。右前身ごろに神秘的な女性が微笑んでいる。 だが刺繍糸には強い毒が仕込んである。 これを着る度に、毒が皮膚に少しずつ浸透していく。 その事を知っての購入。使いたい奴がいる。姉だ。 姉は、幼い頃から私の大切な物、大切な人を奪ってきた。 私の最も愛する人まで。子までもうけた。 絶対に許さない。 私はジャケットを、タンスの奥深くに仕舞った。 何の

焚火の写真

古い友人が訪ねて来た。 「誰にも秘密がある。私の秘密を君だけに教えようと思ってな」 そう言いながら、彼が差し出したのは一枚の写真。 暗い背景に火が燃えているだけの写真。 「焚火か?」 私は尋ねた。 「これが、なんで秘密なんだ?」 「しばらく見ていろよ」 私はじっと見つめた。 「あっ」私は、思わず声をあげた。 写真の焚火が燃えている。 まるで動画を見ているようだ。 炎に手をかざすと、温かい。 「なんだ、コレは⁈」 私は彼の顔を見上げ、返事を待つ。 「もう20年も