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小説、エッセイ、俳句etc
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#エッセイ

セピア色の桜 青ブラ文学部

セピア色の桜を見たことがあるかと問われれば、Yesです。 ただし、それは写真の桜。 1950年代。 私がまだ幼い頃、父の職場の仲間の間で写真を撮る事が流行った事があり、こぞってカメラを購入したとか。 カメラといっても、現在の一眼レフでは無い。二眼レフだ。ミノルタ製だったと思う。私が二十歳ごろまでは確かに家にあったはず。 私は長子だったので、妹達より多くの写真を撮ってもらった。 父の会社の施設の隅に暗室があり、現像も焼き増しも父達が自分でやっていたそうだ。 色付けも自分た

ほしかったラブレター(バレンタイン特別企画)

私の初恋は、中2の時。 同じクラスのヨシ君。 幼稚園、小学校は同じところに通ったのに、同じクラスになったのは初めてだった。 けっして、カッコよくもない、ひょろっとした男の子。 「あの人が好き」って言ったら、聞いた女の子達が「ええ〜!」っと、のけ反った。 どう言う意味だったのか、未だに分からない。 彼はスポーツ万能、テニス部のキャプテン。 しかも成績は学年で一位二位を争う秀才。 なぜ、私が彼を好きになったのか。ある事がキッカケだったのだと思う。 「ねえ、めいの好きな人だ