夢の薬 #ショートショートnote杯
悪魔のような姿の男が、断りも無く私の前に忽然と現れ、一方的に話し出した。
「あなた、恋人はいませんね?」
いきなりの問いかけ、私はめんくらう。
構わず、彼はゆっくりとした調子で話し続ける。
「夢の薬を頭に思い浮かべるなら、若い人ならば、ほれ薬。まさに夢のクスリ。
でも、この薬が存在する事を殆どの方はご存知ない。
しかし、それは存在するのです。作った私が言うのだから間違い無い。
今こそ願いが叶うのです。ただし、手づくりのため僅かな方にしかお届けできない。まさにあなたが選ばれ