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ショートストーリー

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短い創作小説を置いています。
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#転生

黒猫白猫(ショートストーリー)

「黒猫と白猫、どちらがよろしい?選びたくなければ産まれた時のお楽しみとなります。どうしますか?」 神様のところで猫になりたい列に並び、産まれる順番を待っていたんだ。 その時、優しく天使にそう聞かれたんだよ。 「ボクどうしようかな。どっちでもいいな。ウ~ン、黒猫がいいかな」 そう答えた。 僕の後ろに並んでいた子も 「私も黒猫か白猫だといいなぁ、じゃあ白猫にします」 そう答えていた。ちょっと可愛い子だった。 天使はメモ帳に何か書いている。みんなの望みを間違えないようにメモして

青と桃(ショートストーリー)

「ねえ、桃ちゃんてさあ。何で青い服ばかり着てるの?名前が桃なんだから、ピンクの服を着なよ」 マナはちょっと口を尖らして言った。 「うん、いつもと違う色の洋服を買おうとお店に行っても、結局同じような服になるんだよね」 私はそう言ったが、それは本当ではない。 私は青い服を着ていたいのだ。似合うのはマナが言うように、淡いピンク。 私は覚えている。前世の記憶。青の事。 私のその時の名前は今と同じ、青の名前も前と変わっていないと思いたいが、どうだろうか。 生まれ変わったらと約束