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22卒 コロナ禍での就活大戦争 その2

  その企業から選考結果の通知が来るのは○○日以降とのメールが届き、ちょうど5日が過ぎようとしていた。○○日の夜、眠れなくて一日中待った。次の日は大学だったが、もはや授業どころではなかった。スマホを握りしめ、テキストに隠れてメールボックスと睨めっこ。22卒の就活生に限った話ではないと思うが、最近の就活生は『マイナビ』というアプリを活用して就活をするらしい。そのマイナビのアプリの通知をオンにしているせいか、通知が来るとビクッとしてしまう自分がいる。【まだ間に合う!エントリーシートの書き方!】『○○株式会社採用課担当 ES締切のお知らせ』…毎日合計で70通以上ものメールが届く。毎日来る迷惑メールにはうんざりしているが、ここ5日間はその迷惑メールが届く通知音ですら期待してしまう自分がいる。メールボックスを見る。迷惑メールが届く。通知音が鳴る。メールボックスを見る。今度はインターンシップのお知らせが届く。待てども待てどもまだ来ない。今度はGoogleで検索をかけてみる。
『🔎内定 通知結果 遅い』
しかし、どの記事も、''不安が募るのは分かりますが、焦らずに待ちましょう''と書かれた内容ばかりだった。これはもしや、サイレントお祈りなのか。その言葉が頭をよぎる。いやいや、最終面接でそのようなことは無いはずだと自分に言い聞かせる。こんな時に限って、TwitterやInstagramで

''おめでとう!遂に終活!みんな遊ぼー!''
''やっと終わったー!内定GET!''

などの文章がよく目に入るようになった。そのような文章が、さらに焦りを加速させるのであった。だが、羨ましいなどという気持ちは微塵も湧き上がっては来ない。なぜなら、彼らの内定を私が貰ったところで、そこが自分の行きたいところとは限らないからである。彼らは彼らなりに頑張って内定を貰ったのだろうと思う。 

  第1志望だった企業からお祈りメールが届き、気持ちを切り替え、今回の企業からのメールをひたすら待つ日々が続いている。手応えはあったと思うが、こればかりは分からない。面接結果はもう変えることは出来ず、一日千秋の想いで、ここまで首を長くして待つのは人生で初めてかもしれない。皮肉なことに、明日は22歳の誕生日である。誕生日に内定を貰うことが出来たらどんなに嬉しいことだろうか。もしかしたら、友達や親に貰うプレゼントよりも内定は何より嬉しい誕生日プレゼントかもしれない。そうなってしまうとプレゼントしてくれた人に申し訳ない思いもあるが、一刻も早く終わらせたいという焦りが募るばかりであった。
(続く→)

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