誰が満足しているのか

(私が読むものを)選択しているのだろうけど、どうにもあっちでもこっちでもどこの世代でも不満の声しか聞こえない。

やれ子育て大変、子育てにお金がかかる、子供に対する資金援助が少ない、大学生は大学生で奨学金を返すのにまず大変、働いているものは賃金が少ない、賃金が上がらない、氷河期世代の人が今、40代くらいで、非正規のままの人がいて、高齢者はもう年金だけでは食べていけなくて、でも身体が言うことを効かなくて、働きたくても働けない、対して行政はとても冷たい。

一体どこの世代の人が、何をしている人が日本に満足しているのだろうと思った。


実は一番日本に満足しているのは何を隠そう、外国人である(一部を除く)。
日本に観光に来てどこに行っても人は皆親切で優しい、ゴミが落ちていない、落とし物が返ってくる、24時間店が空いている、自販機がいたるところにある、etc・・・・
どれか一つでも聞いたことあるだろう、治安の良さと清潔感に、驚嘆の声をあげるのだ。 
正直、今の接客業者は日本人より外国人相手の方がモチベーションが爆上がりするはずだ。何より今まで通りの接客で大感激してくれるのだから。

参考までに日本人はココまでしないと満足しないんだ、という実際に受けたクレームをひとつ例として紹介する。某スーパーレジ打ちパート。
ある商品を買うとポイントが付く商品だったのだが、それはスマホでクーポンをダウンロードするのが前提。今ではどこでもやっているような内容だ。
そのお客様はその商品を複数個買ったのだがそれを知らなかったのでポイントがつかなかった。こちらはそれを説明したのに留まったのだが、悪く言えばその一点張りに終始。後に「わかりにくいですよね、上の者にその旨伝えておきます」くらいの言葉が欲しかった、という本社宛にクレーム。
対応したのは私ではないが、もし私だったら買った商品を全部返品して、クーポンをダウンロードしてから改めて書い直していただくという説明対応をするだろうが、「わかりにくいですよね、ウンタラ・・・」という言葉はさすがに出てこない。
日本の接客が当たり前すぎて、自分が思う接客以下の接客(言葉が足りない、笑顔がないなど)をされると不満で、自分が期待する以上の接客をされないと感謝できないのが今の日本人。何も接客に限ったことではない。電車が時間通りに来ない、荷物が時間通りに届かない、荷物のダンボールが凹んでいる(商品は無事)どう考えても崩れるであろうケーキなんかを普通に送って崩れているとクレームetc・・・枚挙に暇がない。

他にも、実は日本は医療制度が充実していて、だから安価で診察を受けることができる、それが長寿国の一因にもなっている。昨今の世界的インフレでイギリスでは医療費が高額になって歯医者に行けず、虫歯を自分でペンチで引き抜くという話を聞いた時は「中世の話か!?日本で良かった」と心底思ったものだ。


バブルが’崩壊してからちょっと経った頃だろうか。日本はこれからは年功序列制度が成り立たなくなるとされた時、大変になるなと思った。
これから稼ぐのは真の実力世界になっていくのかと思ったからだ。

バブルの前の空前の好景気の時に、職業選択の自由とCMで謳われていた時に自分の力量を勘違いしていた私は声優という、やはり実力の世界に飛び込んだ。
結果は箸にも棒にも引っかからなかったが、そんな社会がこれからいわゆる芸能界だけじゃなくて社会全体がそうなっていくのか、大変だと正直な感想だった。

そろそろその真の意味が表面化している。

多分強いのは、日本は諸外国から見たら本当に奇跡に近い国なんだと気づいて、それに感謝して、さらにそれを踏まえて満足せずにゆっくり着実に上にいける者だ。(出世する、という意味ではない)

多分、年功序列の安定にあぐらをかいてのうのうとしていた者、この奇跡の国と諸外国から言わしめる日本という国生まれたことに感謝できない者にはこの先厳しい現実が待っているだろう。

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