見出し画像

粋な酒場で逢いましょう。

『もし「粋」という語がわが国のみ存するものであるなら、「粋」は特殊な民族性をもった意味である事になる』粋を分析した哲学者 九鬼周造(1888〜1941)

『粋』はにっぽん特有の美意識らしいです。
響きもカッコいいし、モテそうです。粋なオトコになりたいです。

でも「粋なヤツだな〜」なんて言葉は時代劇か落語でしか聞きません。
実際、何をどうしたら『粋』認定されるのでしょうか?

調べてみると諸説ある様ですが、「粋」とは江戸時代の「庶民の暮らし」から生まれた「色気、意気地、欲望に執着しない」の要素と「他人が心地良いように」という気配りが込められた振る舞いだそうです。

また本来にっぽんは「粋か野暮か」で人を判断し、大金持ちでも野暮なコトをすればビシバシとツッコんだ、ともあります。コレいいですね。嫌な金持ち沢山いますよね。

粋を求めて先ずは「旬の走り」に注目してみました。
走りってのが何かそれっぽい感じです。江戸のこんなエピソードありました。

『旬の走りに目がない江戸っ子は特に初鰹に相当熱い想いがあり、初物を食べると寿命が75日延びると言われているが、初鰹は10倍の750日延びると言われ、初鰹を買い逃した歌舞伎役者が「おいらはもう一生鰹は喰うめえ」と悔しがったほど初鰹は江戸っ子の粋の象徴でした』

寿命伸び過ぎだろってツッコミたい江戸っ子らしいチャキチャキ噺です。
ただコレ、いい大人がそこまで言わなくてもいいんじゃないかとも思いますよね。
絶対またチャンスあるし、と思ってしまいました。
この歌舞伎役者は「欲望に執着しない」に欠けてむしろ野暮です。

国民栄誉賞を断った人達が粋だと表現された記事もありました。
「世界の盗塁王」元阪急ブレーブス福本豊さんは辞退の理由に「そんなのもろたら、立ちションでけへんようになる」とコメントしたそうです。貰う断ると言うより、立ち振る舞いが素敵です。

さてさて、再びようやく動き出した?飲食業界。
これから始まる激しい日々と格闘しながらも、粋な気持ちは忘れずに持っていたいと思います。不要不急で騒がれたコロナ中も気にかけていただいたお客様に粋な恩返しをしていきたい。
なんて思いました。

天晴レ、にっぽん!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?