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大活字本を読んで

社会福祉法人 埼玉福祉会さんの発行・印刷・製本による
吉村昭さんの「間宮林蔵」を読みました。
1行31字、1頁11行、<上>306頁・<中>347頁・<下>286頁からなる、とてもきれいな本でした。
おかげさまで気持ちよくスラスラと読み進められました。

1807年千島エトロフ島のオホーツク海沿岸から物語は始まります。

 史料は、あたかも庭の飛石のように点在している。私は、その史料と史料の間の欠落部分を創作によって埋めていった。

<下>292頁 著者の言葉

間宮林蔵は農家の子として生まれ、利発な子と言われていた。少年時代強い興味を示したのは家の近くの川の堰止め、堰切りの工事だったそうだ。
頭を働かせ工夫をすることによって、自然の力を人の生活を豊かにさせるのに利用できることが興味深かったそうだ。

そこから地理への興味が湧いてきたのでしょうか。
世界地図に「間宮海峡」と名前が記されているのは間宮林蔵だけだそうです。

200年以上も前、エゾに入り先住民のアイヌの力を借りて原野に分け入り作図をした間宮林蔵の話、資料の合間の作者の創作に酔いしれました。

作り事ではないので読んでいてハラハラドキドキして一気に読めました。

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