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2022/6/15『サクラガイ』

奇妙なものがサクラガイの後ろから現れた
たぶん百年前からその貝殻の後ろに隠れていたのだと思う
波が来て、その親切なアガスは
べらぼうな金額で太平洋を渡って行った
海の風景は彼女の腰から下を洗う
ベルリンやルクセンブルクでは皇帝の冠について
多くの解説本が描かれていたが
その表紙に突然姿を現したのは
亀甲とT字型石柱の古代の神殿である
アイルランドとその周辺では、ミルガの神像が倒された
彼等の多くは、造船技術を民族の宝として
栗の木から船体を造り
コールタールを使用して水の侵入を阻止した
マラガとイダテンは水上の照り返す日射しのために喉が渇く
そこで瓢箪の栓を抜きとり、口をつけるのだが
アマテラス神々の愛情は林立する都会のビル群
黒いガラスの垂直に垂れ流す
病身のクライスラー、たらちねの母の会話する
ざんばら髪の狭い墓場の湿度と翳りの中で
幽体は心臓のあたり、モービルの尖った先端の
金属体・死霊体・翡翠体・蛇紋体
できるのならわたしは墓石の番人となろう
教育的夜の心霊達のわだかまりを捨て
蓮の池の暗がりの蓮の花はまだ開かない頃に
飛び立つ鳥たちの羽音
それは基地の近く
深海の人々の挨拶する、コールする
サクラガイの裏側には
都市のビルが眠る。