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現代詩の世界2022-5

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#現代詩

2022/5/31『胞子』

見てごらん、続落する株価 平安の都の牛たちを育てた男たちの生活 見上げてごらん、神々の歩く…

2022/5/29『夏子へ』

願いである、かなえられない 灯台のツバメたちが海へ帰る ヒット曲のひとつふたつ覚えている …

2022/5/26『ユダの福音書』

首を吊って死んだと言うのは嘘です そのことはあなたもずいぶんといぜんから しっていたでしょ…

2022/5/24『透徹の誤診』

鎌倉の峠よりも狭くて長くて届かない道を 薬売りの姿をして歩いている 白い牡丹の花のように疲…

2022/5/23『やさしい神学』

水から上がった生命体のひれのようなもの 巨大な石造りの神殿への階段 市営の温室から持ち出さ…

2022/5/21『カヤック』

逃れるために、そしてパリの街のカヤック 神秘のオード、平行するクジラたちの 実力、宝飾品の…

2022/5/19『文字への記憶』

ジョン・ケージの音楽から記憶が消されている ホスピタルの階段で 彼の手提げカバンから ころがり落ちる「音符」をはすかいに見る 文字に記した傾向と耐震化の数字は わたしの昨日のほとんど理解されない文字である バッテリーから漏れている サナダムシの頭の部分が、何故かホタルに似ている 甘い旅客機のエンジン部分からチョコが もれだしている、萌え出している 忽然と現れて、わたしたちに可視化される 本当の世界の事実、それは バーナーで焼かれつつある、死体のように 元気です、わたしは今日も

2022/5/17『真珠』

広々と後悔している 女が喜びをカラス貝にしている ハッブル宇宙望遠鏡の眠ろうとする時 キャ…

2022/5/14『核融合』

聞こえる、聞こえる 核融合するーメイドたちー原発の内部 太陽から手を離せ オーボエの基盤か…

2022/5/13『カンザスへ』

不確かなカンザスへ 不確かにカンザスへ 君は気持ち・君は気象・君は天空のカンザスへ ハチド…

現代詩の世界2022/5/13『世界創造』

神の自己否定による「世界の創造」とは、永遠のものが「時間性の中へ」あらわれることである。…

現代詩の世界2022/5/8『神とは』

神とは現象する宇宙のわたしが「自覚と自由」に於いて感知する『時』である。 『時』であると…

現代詩の世界2022/5/3『ギター』

禅師は畑にて鍬をふるっておられます 汗をかいて畝を作っておられます 野菜づくりは禅師の大…

現代詩の世界2022/5/2『量子』

今いるところは、朝日のあたるところ その仮想的世界のプランク定数 ひずみのあるばね仕掛けの歩く速度の一歩がおかしい 記憶の中ではアシナガバチが東の空へと消え去る 神の存在する真昼の処刑場で、人々はチューリンゲンの計算機を カタカタと振る、そこから導かれる結論の背後 人間の意識する地平線の到達する新大陸の野蛮なる文明を 神々の存在する午後三時の流行と不易の狭間で 短い間隔で演奏され、星間飛行の最低限の燃料として、金は 燃えている、キンは燃えている、ひどい匂いが