見出し画像

あなたの趣味は何ですか?

と聞かれても、私は即答出来ません。
断続的に続けているものを指すのでしょうか。
うーん。最近はnoteになるのかな。

でもここは私を知ってる人が誰もいない前提で書き散らかしているので人にはあまり言いたくない趣味です。




NHKの語学講座をエンタメとしてたまに見ます。
英語、韓国語、中国語、ドイツ語、イタリア語、フランス語、ロシア語、アラビア語…
たまたまその時やってるやつを見るので、何曜日に何語があってるかまでは把握していません。

勉強したい!話せるようになりたい!という気持ちは微塵も無く、一体どこで役に立てればいいんだという外国語のフレーズをその場限りで学びます。
覚える気がないので当然翌日には忘れます。
アラビア語なんて段違いに難しいので口ずさむことすらできません。鬼言語です。
ただ、「へーそうなんだ、知らんかった勉強になったわ」欲求がお手軽に満たせます。

語学番組に限らず、教養番組も同様に面白いと感じるようになった自分を「さすがに30代も半ば、アタイも大人になったんやな」と自画自賛しつつ、テレビを見ながら手に持つうまい棒(めんたい味)は見ないことにします。
タラタラしてんじゃねぇよのときもあるよ。


特に分野にこだわりはなく、興味の赴くままに30分単位の教養番組を流し見していると
こういう世界で生きてたらどんな人生だったのかなぁ、こういう分野の勉強してみたいなぁ
なんて思うことがあります。

去年見た、90年代に撮影された調香師と香水の番組の再放送は面白かったなぁ。
思わずイランのバラ農家に嫁いでしまった。
繁忙期は背負子いっぱいに毎日バラを摘まなきゃいけないからまぁ大変だったわ。やれやれ。

さすがに毎回脳内転職してる訳ではありませんが、使い道のない知識を得ることが楽しいです。
イランのバラ農家事情知ってて良かったー!
なんてことが私の人生に起こるとは思いませんが、知らなかったことを知る楽しさがやっと分かるようになりました。

そんなときに水を差す言葉。


それ、知った(出来た)ところで何になんの?
仕事の役に立つの?



呪いのようなやる気をへし折る言葉を思い出します。

絵を描くことが好きで美術系の大学に進学しようと思ったとき
外国に住んでみたいという理由だけでフランス語を勉強し始めたとき

それ就職に繋がるの?

誰に言われたのかも忘れましたが、そんな真綿で絞めるようなプレッシャーがいつもどこかにありました。

そして歳を重ねるごとに、実益に繋がらないことに時間を割くことを躊躇うようになりました。
映画やアニメなど何か作品を見て楽しむ娯楽の時間とは別の話です。
自己研鑽やスキルアップなど色んな言葉で表される広い意味での「勉強」。
知識や教養を増やすこと。
知らなかったことを知ること。
何かができるようになること。

へーそうなんだ。知らなかった。面白いね。

それだけでいいはずなのに
「それが何になるの?」
という心の声に喉の奥がつっかえてしまいます。
いつ誰に植えつけられたのかも分からない呪いの言葉です。

何の役に立たなくてもいいじゃない。

そう自信を持って言い張りたい。
人生には無駄や余白が必要だ、豊かな人生はそんな無駄や余白で出来ていると言うじゃない。

そもそも豊かな人生とか充実した生活とか、そんな言葉自体が抽象的すぎて一体何をすれば正解なんだと思っていた時期もありますが。
そんなん人それぞれなんですよね。
楽しいと思う時間を少しでも増やす。
何に楽しいと思うかは人それぞれな訳で、生活の糧になるかならないかなんて知ったこっちゃねぇでいい。

美味しいな、と思ったものにハマって少し食べ続ける。
そのうち別の種類や産地とかこだわってみる。
食べ飽きたら別のものを食べる。
でもある程度食べ続けた味は忘れないし、時々また食べてもきっと美味しい。

趣味ってそういうものなのかな。

私はもうしばらくの間、何の役にも立たないし全く身につかないけれど「へーそうなんだ、知らんかった勉強になったわ」を今日も食べようと思います。むしゃむしゃ。



新しいことを知る喜びを。

Bonne  journée!



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?