見出し画像

沼にはまるということ

中学1年生の時、急にジャニーズにハマった。
きっかけが全く思い出せないのだけれど、KinKi Kidsのファンになった。
それまで何かにハマることもなかったのに、急に沼にはまった。
といえ、中学生といえば大体沼にハマるもので、健全ともいえる。
田舎の女子中学生、スカートの丈が長すぎる、流行りには疎い太眉だった私とは、どう考えても不釣り合いな沼だった。
コンサートに行くことすら考えられず、ただCDを買うだけで精いっぱい。
その当時、アマゾンなるものもなく、CDショップに買いに行かねばならず、そこも家から車でしか行けないので、それだけで大儀だった。
VHSのビデオテープを何本も3倍モードにして、KinKi KidsやジャニーズJr.(いわゆるジャニーズJr.黄金期で、小原裕貴くんのファンだった、、)が出る番組は全部録画。
地方なので、朝でも深夜でもジャニーズが出る番組が流れる、そんな番組を全部逃さないように必死だった。

中学3年生の時、夏休みに嵐(1999年ジャニーズJr.からデビュー)が松坂大輔さんにインタビューをしに行った。
嵐を目当てに見たのに、なぜかあのワインドアップに惚れ込んでしまって、急に野球沼にハマった。
松坂大輔って、、、って中1の時に言っていたのに、急にハマった。
なぜかずっと野球を観ている変な女子中学生が爆誕した。
その後高校に進学し、その高校は女子高だし、野球とは完全に無縁なのに、そして有料チャンネルとかもなく、YouTubeとかもなく、家でインターネットも見れず、それなのに野球で頭がいっぱい。
大学生になって、野球が身近になって、沼から現実的に好きになり、東京に出てもう少し身近になり、そのうち野球が好きなのか野球選手が好きなのか良く分からなくなって、海外留学(25歳)を機に見るのを止めてしまった。

それから沼にハマらないように生きてきた。
沼にハマれるのは幸せなのに、沼にハマる前にストッパーをかける癖ができた。
W杯はちゃんと毎回にわかファンというかミーハーをやるけれど、Jリーグを見に行くまでにはいかない。
というか、スポーツや音楽は好きだけど、観に行く人の圧とかヤジとか、ノリとかに怯えすぎて、行けない。
どんどん色んなことが億劫になって、沼にハマれない自分。
毎回沼にハマる寸前まで行くのに・・・・。
コロナ禍になって、お笑いにハマったのに、でも結局LIVEで観に行けない。
私が好きな芸人さんは、チケットが取れないステージ以外にも出ているので、観に行こうと思えば観に行ける。
あの芋女子中学生と違って、東京に住んでいるし、インターネットですぐに情報を集められるし、お金だって少しは融通がきく。
でももう、沼にハマる勇気もない。

今年、なぜか日本シリーズ終わりでオリックスに少しハマった。
私が知っている選手はほぼいなくなっていて、これがオリックスかーと思った。
でも前と違ってずっと前から知っていた選手を見ては、もう30歳になったのかと思ったり、あーこの子はあの高校出身だから~とかだいぶおば目線が止まらない。
でも、おそらく有名な選手もほぼ名前が分からなくて、コーチのほうが私の中では見覚えがあって、あー私も年を取ったんだなという方向にいっている。
弟や息子を見るように、頑張れって、やっぱり少し遠い目線で見ている。

最終的に今、何にハマればいいんだっていう迷子になっている。
沼にハマるのは突然らしいのに、私はいつまでもストッパーがかかる。
早く、次の沼が来てほしい。ハマれるって幸せなことだ。
今だから、それを幸せって言える。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?