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【#ブルアカ2周年アート】動く!光の剣型レーザーポインター【工作】

Abstract

愛するべきゲーム「ブルーアーカイブ」が2周年を迎え、公式でファンアート大募集企画が行われた。

以前から作ってみたいと口にはしていた天童アリスさんの固有武器「光の剣:スーパーノヴァ」を動くようにして現実世界に顕現させた。こんな機会でもないと一生やらない、口だけの愚かな人間なので。

これは所謂、制作過程の備忘録的な文章である。

Introduction

ブルーアーカイブはYostarが送る学園×青春×物語が融合し・・・

登場するキャラクターは大体銃火器をもっていて、ほとんどが実銃なのだが天童アリスさんは(おそらくオリジナルの)レールガンを持っている。このレールガンは光の剣、もしくはスーパーノヴァと呼ばれている。ゲーム中やショート(ロング)アニメのモーションがカッコいい。

ちなみにアリスさんは月曜日の朝に我々先生(プレイヤー)の時間を容赦なく奪う極悪なコンテンツを展開している。このおかげで毎週生きていける。

とどのつまり、カッコいい武器なので現実に顕現させたい、動く形で、ということ。

制作

材料とか

本体
・3Dプリンタ用フィラメント PLA+ ホワイト
・鉄丸釘 #2.75×50 mm 
動力
・ステッピングモータ 28BYJ-48
・ステッピングモータドライバ ULN2003
・Raspberry Pi Pico
・青色レーザモジュール  1000円くらいのやつ
塗装
・Mr.サーフェイサー500
・水性ホビーカラー いろんな色
・水性プレミアムトップコート 半光沢

外装/機構

主要パーツはすべて3Dプリンタで制作。
鉄釘は3Dプリンタ製では破壊されやすい歯車のシャフト用。

光の剣は真ん中のパーツは垂直に動くが、先端のパーツは斜めに動く。
動作パターンはExスキル時のモーションのみとし、すべての稼働パーツが同時に動作する。

光の剣の動く方向

どうやって動かすかは、偶然見つけた「からくりすと」さんのサイトを眺めながら考えた。いろいろあって面白い。

また、動作機構と外装ディティールをそれぞれ設計/プリントすることで、試作のプリント時間を減らしたり、壊してしまった時の精神ダメージを抑制できた。CADは定番のFusion360。

分割設計

はじめは歯車を含む機構部のみで試作し、行けそうなら他パーツも設計/印刷。

最初はピニオンラックですべてを動かそうとしたが、設計手法があいまいなものをあって綺麗に動かなかった。そのため、楕円カムとピニオンラックを組み合わせたものを採用。歯車の丁数は制御時に混乱しないようにすべて統一した。

発射時駆動部


歯車やラックなどの駆動パーツは拡張機能?の「FM Gears」を使用。簡単に作れていい。

これまでにいくつか3D プリンタでものを作ってきたが、動かすのは初めてなのでいろいろ苦戦した。クリアランス不足とかガバ設計とか。
世に出ている商品の開発をしている人はすごいぜ…

制御

次の物を制御する
・光の剣の開閉運動
・レーザの発射
(・スイッチのLED)
スイッチを押したら光の剣が解放されレーザを放つ。そのようにしたい。

制御装置はサイズ的にもPro micro互換でよかったんだけど、手持ちにないのでRaspberry Pi Picoで。Pro microのコピー品の値段が上がってきている気がする。以前は3個で1500円とかでなかったか?

制御系すべてを筐体内に押し込むのは技術不足で無理だったため、内部にレーザとモータとドライバ、外部に他制御系を用意した。
特筆事項は特にないがレーザ用の電源を別で用意してあげた方が明るくなったかも。

大体の回路図

そしてとりあえずコード。

#include <Stepper.h>  // ライブラリのインクルード

#define PIN1 2  
#define PIN2 3  
#define PIN3 4  
#define PIN4 5  

// ステッピングモーター(出力軸)が1回転するのに必要なステップ数
#define STEP 2048

Stepper stepper1(STEP, PIN1, PIN3, PIN2, PIN4);  // オブジェクトを生成

int SW_PIN = 1;
int LED_PIN = 13;
int L_PIN = 7;

int count = 0;

void setup() {
  pinMode( SW_PIN, INPUT_PULLUP );
  pinMode( LED_PIN, OUTPUT );
  pinMode( L_PIN, OUTPUT );

  stepper1.setSpeed( 10 );  // 1分間当たりの回転数を設定(rpm)

  // stepping motor
  pinMode(PIN1, OUTPUT);    
  pinMode(PIN2, OUTPUT);
  pinMode(PIN3, OUTPUT);
  pinMode(PIN4, OUTPUT);
  
}

void loop() {
  int val;
  val = digitalRead( SW_PIN );

  if( val == HIGH ){// 押していないとき
    digitalWrite( LED_PIN, HIGH );
    digitalWrite( L_PIN, LOW );

    if(count > 0){ // 0より大きいトキ
      //0に近づける→閉じる
      stepper1.step( 32 );
      count -=1;
    }
    else{ // 0のトキ →ストップ
      digitalWrite(PIN1, LOW);  // 出力を停止(モーターへの電流を止め発熱を防ぐ)
      digitalWrite(PIN2, LOW); 
      digitalWrite(PIN3, LOW); 
      digitalWrite(PIN4, LOW);   
    }
  
  }
  else{ // 押したとき
    digitalWrite( LED_PIN, LOW );
    

    if(count < 17){ // 15より小さいトキ
      //15に近づける→開ける
      stepper1.step( -32 );
      count +=1;
    }
    else{ // 15のトキ →ストップ
      digitalWrite( L_PIN, HIGH );
      digitalWrite(PIN1, LOW);  // 出力を停止(モーターへの電流を止め発熱を防ぐ)
      digitalWrite(PIN2, LOW); 
      digitalWrite(PIN3, LOW); 
      digitalWrite(PIN4, LOW);   
    }
  }
  
  delay(10);
}

なぜArduinoでかいているのか→ステッピングモータを動かす参考文献がArduinoだったから。ArduinoIDEで書くと、書き込みのたびに抜き差しするのでコネクタがもげそうで怖い。

簡単に解説すると
・ボタンを押していると筐体が開く、全開になるとレーザ発射
・ボタンから手を離すとレーザが消え、筐体が閉まる
この2動作がすべて。

開閉途中の割り込みにどう対応するかを考えたくなかったので、押している間は開き続けるが、離すと途中でも閉まるように実装。
また、このモータは自身の角度を知ることができないので、カウンタを用いてそれっぽく動作させる。

コメントから察せられるように、私は飛鳥馬トキの実装を心待ちにしております。アビ・エシェフが良すぎ。ワロタ、プラモで出してくれ。

塗装

初塗装です。プラモも含んで。
塗装ブースもベランダも庭も、金も名誉も、すべてを持たざるものなので筆塗装に挑戦しました。作業中は手いっぱいで何も画像はない。

3Dプリンタ特有の積層痕にはサーフェイサーの500番が良いとのことなので従う。240番のやすりでテキトーに足付けをしたのちにサフ。ちなみにこれだけでは積層痕はまだ見える。

サフの後に、水性ホビーカラーで色を塗る。これはなんか筆塗初心者におすすめらしいので従った。1度塗りの段階でも積層痕が少し見えたので2度塗りした。ここまで来て積層痕は見えなくなった。
ちなみに筆塗は手が震えてなかなか難しかった。

そして最後に水性プレミアムトップコートを吹いた。
水性ホビーカラーはなかなか塗膜が強そうだったが、光沢具合に統一感がなかったため、半光沢のトップコートで「いい感じにな~れ」をした。
  '``・ 。
  |     `。
 ,。∩      *    いい感じにな~れ
+ (´・ω・`) 。+゚
`。 ヽ、  つ ゚
 `・+。・' ゚⊃ +゚
 ☆   ∪~ 。゚
  `・+。・ ゚

塗装だけで1日以上持ってかれるとは予想していなかった。
乾かす時間が非常にめんどくさい。
新しい道具をまとめて買うときは、収納場所も用意すべき。

完成


「光よ!」

まあ満足する仕上がりにはなったか。
動かすにあたって、元のデザインのディティールをだいぶ省略しているが、色がついていたりするだけでそれっぽく見えるかなと。

デカいと組み立てとか加工精度とかが楽になるけど、質量が大きくて激安部品じゃ動かせなくなるジレンマ。でも激安部品を使い続ける、壊せるので。


サイズ比較

サイズはヒフミさんぬいぐるみと同じくらいでレーザポインタにしてはデカい。スイッチや電源も外部だし。数字で言うと全長240mm。

動く様子はこちらから。


Conclusion

アリス、お前が勇者だ…

時間や手間はかかるが、何とか形になってよかった。

ユウカはゲーム開発部の予算を増やしてくれ。


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