詩52「再会」
窓の外で
しきりに
鳥が囀る
あまりに
しつこいので
ベランダを見遣ると
雨上がりの夕陽に染まった
胸元緑
全身茶の鳥が
小刻みに首を傾げ
音ズレしながら鳴く
目が合うと
ぴたりと
動きが止む
あぁ
あなた
でしたか
夢にも現れないから
忘れられたと思っていたら
鳥になったとは
驚かそうと思ったくせに
気づかれなかったらどうしようと心配して
自分の好きな色を胸元に入れるなんて
そんなことをしなくても
わたしは分かるのに
音痴だったから
鳥になっても
やはり音ズレしてしまうんですね
生きていると
色々とあって
忙しいから
あなたのことは
段々と忘れてしまう
だから時々
訪れて下さい
鳥でも
ネコでも
構いません
音ズレを聞けば分かるので
できれば鳴く方が良い
だけど
緑色は反則です
窓を開けても
入ってこないのは
飼われるのは嫌だ
という意思表示
性格も変わらないようで
安心しました
二年が過ぎ
忘れようとしたけど
忘れたことは嘘です
ずっと待って
待ちくたびれていた
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