台湾へ、自殺寸前だった女の一人旅⑰10日目_台北から帰国

こんにちは
自殺寸前だった私が、台湾へ一人旅し得たものを書きます。始めての方は序章を参照ください。
(私的に長かった)旅ももう最終日。午前便で日本へ帰ります。

行った場所:
松山飛行場、羽田空港
体験:
免税で買う

台湾最終日は朝早くに目が覚めました。空調の轟音で眠りが浅かったみたい。ホステルにしては珍しく窓があって外を見ると、まだ大通りには車も少なく、どんな都会であろうが朝は人が少ないんだな、と当たり前のことを思います。アジアの都市は賑やかな印象がありますが、眠らない町はないですね。

ホテルをチェックアウトし、リュックを担いで最寄りのMRT駅へ
最後の最後までしぶとく、朝ごはん屋さんへ寄って豆乳+サンドイッチをゲットです。忙しない台北の朝の空気が懐かしい。これからみんな活動するんだなぁ。旅行者って楽しいけれど、日常の流れにおいては、そこだけ違う時間を過ごしていて異質ですぐわかる気がします。
MRTで向かおうとするも、電車に乗るのもめんどくさくなって魔が差して、バスに乗り込んで空港の近くまで行くことに。これがまた、空港の敷地内をバスは通らず、若干歩く距離のバス停で、最後の最後まで焦って空港までリュックを揺らして走るのでした。
松山空港は閑散としていました。
チェックインカウンター前にあった春水堂は数年前になくなり、今はスタバとサブウェイぐらいしかカフェがありません。台湾の最後に、春水堂のタピオカで思いをはせるのがマイ風習だったのにちょとつまらないです。

チェックインと出国はあっという間に済み、ゲートも少ないのですぐに待合ロビーに出ます。
そこでまた見つけてしまった。Hのつくブランド様。
思い切ってスカーフを自分に買いました。元夫に何度ほのめかしても頼んでも出張帰りに買ってきてはくれず、お金持ちだったのにケチんぼ、一度お土産がホテルの備え付けの紅茶のパックだったのことがあります。うーん。うーん。
でも、ここで思い切って自分でほしいものを買えたことが力になりました。
それは、また総評で書きます。
お金云々の話でなく、ほしいものをゲットしていいのだというなにか、私は数あるスカーフの柄の中で、これが好きだと言っていいし、私はこういう柄が好きなんだと思っていい。

バックパッカー用のリュックを背負ったみすぼらしい恰好でしたが、それにオレンジ色のショッパーを持つというアンバランスさでしたが、私はこういう自分の方が好きです。と思えました。

飛行機は全く覚えてないぐらい揺れも少なく、午前のうちに羽田に帰ってこれました。しいてゆうなら、ミールスリクエストに間に合ったので、スパイスベジタリアンミールスがおいしかったです。ベジタリアンミールスって、ラクトオポ(乳製品・卵可)、ビーガン(野菜のみ)ともに、荒いところは、野菜でも食っとけ的な、ごはんの上に野菜炒めがのっていて、それにパン、ぐらいのミールスが多いけど、スパイス系にするとよいです。

羽田に帰ってくると、そこはまた別世界でした。身なりの良い上品な人が多く、着ている服のカラーも落ち着いています。なんだこのシステマティックな町は、と数日日本から離れていただけなのに、改めて日本という国の良い意味での特異性に気づきます。
バスに乗り、地元へ帰ります。バスの中では、まだ気持ちが高ぶっていたのか全く寝れず。
着いた久しぶりの家は静かで、まだ2月だったので空気も冷たく澄んでいました。

日中の用事を終わらせ、自分の部屋の布団に潜り込みます。
とても不思議な感覚でした。布団と毛布に挟んでもらった自分の体の表面がシュワシュワと発泡酒の泡みたいにはぜてゆきます。微細な、ミクロン?(ぐらいしか単位が分からない)泡が私の表層から浮き上がってゆくのです。10日間、私なりの大冒険ですごくすごく身体も頭もがんばってくれていたんだな。旅も楽しかったし、そして屋根とふわふわの布団の定住地があるということも私にはありがたいことなのだと思いました。

総評?として、この旅をしてから2か月たち、完治というわけではないし、たまにものっすごく希死念慮に支配されるときもあります。
これまでの旅は、たくさんの親切に触れてありがたい、ありがたい、という旅でした。でも、友人が言ったんですよね、それが「私がいるから旅を味わえるし、触れ合えるし、やっぱり私最高!」ぐらい思えるといいよねって。
人に寄らず、自分を再確認する旅でした。
一歩づつ、選び、進み、電車に乗り、乗り遅れ、ごはん屋さんに入り、たくさん食べ、その小さな選択が困難になるのが心の病だと思います。偏りが強くなり、自分に苦しい方ばかりが増えた結果、決断がなにをしてもうまくいかないのです。決断がうまくいくいかないの定義は分かりません。でも、結果、本人が良ければなにしてもいいのだとは思います、思いますが、やはり、心地よい決断というのはあるのです。
旅の初日でも、最終日でも、私は自分の身体さんに感謝をしました。
何度も自殺を考え痛めつけてきた体が、飛行機にのり、足は異国を歩き、胃腸は慣れない食べ物を咀嚼し、口は外国語を話してくれました。
うまく書けないけど、すごく身体と心と私は別物でありつつ一番の友達であって、その心と身体が助けてくれている私をどうしてどうして痛めつけてきたんだろうと思うのです。
一度壊れたのは、体と心の声でした。もうがんばれない、ギブアップでした。それ、私の一番の親友に対してなにか手段を講じるのはそれはもうなによりの義務だと思うのです。私がいきついた自殺してはいけない理由はそれです。
旅のあと、また体調を崩し、フラッシュバックのようなものに覆いかぶされれまたどうしても自傷をしたくなりました。でも、大泣きです。もう絶対に傷つけたくないのです。自分だったらどうしてもいいけど、こんなにがんばってくれた体を傷つけたくはないのです。
あれから自傷はしていません。それは私の第一の親友である、私自身に対する敬意です。
もし、いるか分かりませんが、同じような境遇の方がいたら、自分を大切にしてください、私はそのやり方が分からなかった。
分からなければ、私という混乱した自分に聞くのではなく、一番身近な、私の体、私の感覚に聞いてみてください。
私は、体と心が「限界だ、旅に出たい」と言いました。私自身は「無理だ、こんなに体調が悪いし私なんかにお金使うのは勿体ない」としぶりましたし、不安でした。
でも行ってよかった。私はこのままの私でいれるし、なんの気遣いもない私のフィルターで進めたことが本当によかった。
あれから二か月たち、実はまた体調を崩したので旅に出ました。そしたら、また神様のプレゼントとしか思えない幸せな場所に出合えました。
次はそれを書きます。

人生は苦しいことばかりでもないし、楽しいことばかりでもない、すべては湖面のまたたきのように表れては消えてまた表れては消えていきます。
そのまたたきの美しさを味わえて、そんな私で私は好きです。



花蓮から台湾間は2時間ぐらい。花蓮の漫々(だらだらした)時間が実は体力を奪っていたらしく、電車酔い。頭も朦朧としてきて、何度途中下車しようとしたことか。また、間、羅東、宜蘭と懐かしい町が並びます。
一人旅なので頼る人がいません。これが大人になるということか。アラフォーがなにをのたまう。
なんとか台北市内に入ったものの、チケットは、台北までだったが、台北駅の混雑の中で乗り換え、宿のある駅まで行ける気がしない。
台北駅まであと5分という、ひとつ前の松山で降りることにしました。
よ、よくがんばった私。

重たいリュックが急にずっしりと肩に食い込みます。
しばしベンチで休憩。
最寄り駅まで歩ける距離だったため、MRTは使わずてくてく地下道を歩きます。台北の地下街が好きです。チェーン店や衣類店がごっちゃになっていて、地下と食品と都会の、市場とは違った独特の空気と匂いがあります。
地下道から地上にでると、そこは大都会。
高いビル、遠くに見える101。行きかう複数路線のバス。おしゃれなファッションに身を包んだ若者たち。地雷系に、韓国系に、原宿系。スーツ姿のビジネスマン多数。
ひぇ~台北にきたよ~
台北に降り立ったのが9日前なのに、ずっとずっと昔の出来事のように感じます。

最終日の宿は、忠孝復興の近く。ビルの7階にある機能的なホステル。
宿のスタッフが口コミにもあるぐらいイケメン。台北の都会の天然のイケメンはとんでもないな。
都会の物質社会におびき出されて、夜の台北に繰り出します。

私の台北で一番好きかもしれないスポットの「松山文創園區」
台北のど真ん中にある、リノベスポットで、オシャレホテル、誠品書店、ショップと最先端のものが入っていて、何時間いても飽きることがありません。本屋さんも24時間営業。ショップも21時までやっています。昔は、世界一になった台湾のパン屋さん(ドキュメント映画が最高にいいからおススメ!シェフが台湾地方出身の方で、ヤマザキに修行に来られたりしています。指導役に演歌歌手の小林幸子さんも出演してる謎)もありました。
いつも旅の最終日に訪れていて、MIT(made in Taiwan)ものを見ていると時間がすぐに過ぎます。

台湾メイドの「samber」という靴屋さんを見つけました。
台湾の靴って幅広で日本人に合うんです。200元激安店のも本当に履き心地がいいし。また鯖江で修行した台湾人が作る眼鏡屋さんなど、いいものがたくさん。石鹸もいいけど高すぎるのが個人的感覚。
靴をちゃんと買うの久しぶりです。スニーカーばかり履いてて、おしゃれしたいなという気持ちがもくもく。試着させてもらって免税カウンターも利用してかわいい革靴を買いました。
次は、台湾メイドの香水を見つけました。
香水ヲタクの友人が、「香水はバリアになるんやで」と言っていたのを思い出し、これまた「アジアの風」という名前の香水を買いました。
中国語の教科書もゲットして、紙袋を持っているだけでなんだろう、このわくわく感。
松山文創区は、敷地が大きすぎて、夜はひっそりしています。大き目の池があって到るところに「泳ぐな」の看板がイラストや各言語の言葉で書いてあって、それだけ注意しても泳ぐ人なんかいるんだろうか。大きなアヒルもいるし、不思議な空間です。足元も暗いし、少しだけ冒険と心細さを引き出す。
帰り道はバスで。台北のバスは手をあげて乗り込みます。運転が荒いので座っていても私は酔います。帰りはホステルの近くのカルフールとドラッグストアによってタイガーバームとお茶を買う。
最後の最後に、残ったお金で、UFキャッチャーに挑戦。台湾旅行中、毎日、5回だけと決めてやっていました。
台湾のUFキャッチャーはずるっこくて、アームが斜め上を向いています。せっかく落とし口に持ってきても、ポイってさらに遠くに放り投げられてしまいます。そんな手口すら可愛く思えるのは私が台湾好きだから?
なんと、最後の最後に1回でパチモンのステ〇ルーちゃんをゲット!すごい!間7日間は取れなかったのに、初日と最終日に、UFキャッチャー取らせてくれるって、台湾、どれだけ飴鞭が得意なんだ。すごいなぁ、と思いながら宿でカップラーメンを食べて台湾最終の夜が過ぎていきます。

夜中、ずーーと排気口の轟音が鳴っていました。
都市部は都市部で暮らしにくい。



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