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台湾へ、自殺寸前だった女の一人旅⑫8日目_台東・花蓮1/3

こんにちは
自殺寸前だった私が、台湾一人旅し得たものを書きます。始めての方は序章を参照ください。
今回は、8日目。昼まで大好きな台東の町を散歩し、イケメンから鞄を買い、電車にのって花蓮に移動します。

行った場所:
台東・花蓮
食べたもの(旅も後半で食べ物が段々ごちゃごちゃしてくる):
台式朝ごはん・台東味アイスクリーム
体験:
台東名物の鞄をイケメンから買う、台東駅でアイスを食べる、電車に間に合わなそうでダッシュ

夜中、宿のコダックにうなされ、叫びながら目が覚めました。むしろこの環境下でよく寝れたな。図太い自分が少しづつ戻ってきた。
宿のカウンターに古びた文字で、台東駅まで100元で送ってくれる旨の案内を見つけ「10時半には宿に戻ってこいよー」というおちゃんの呼び声を背にして、最後まで台東を歩きます。
コダックから逃げるように、朝ごはんは外へ。

台東で有名な朝ごはん屋さんの
「早點大王」ここは台湾式朝ごはんの食べ物(豆乳、包子、焼餅、ダンピンetc)なんでも揃っていて、回転もめちゃくちゃ早い。昔、11時頃言ったらほぼ売り切れてたなんてことがあったので、今回は8時頃向かいます。お客さんも多い中、ほとんどの人がテイクアウトのため中は空いていました。焼餅油條ダンピンを食べます。ここで買い過ぎた包子は、もったいなくてずっとあって、スーツケースにもぐりこみ東京まで着いてきて今は冷凍庫で眠りについています。


朝から長い列
炭水化物サンドと豆乳

台東の町は、文字通りの中央に「台東中央市場」があり、野菜、肉、魚、雑貨、衣類、翡翠、リネン類なんでも揃っています。
腹ごなしに、中央市場をぶらぶらと散歩。目の覚めるようなド派手な色のパンツや、朝分かれたばかりの鳥の頭、魚の頭、胴体、日本製を謳うタオル、貴金属が混然一体となって並んでいます。
前の記事でも書いたけど、日本にいると到底鳥の頭なんて見る機会がないし、精肉は、テレビ画面の中で、工場で捌かれていくのを別の世界の出来事のように見るだけで、こんなにも生と死と生活が近いことを思わずにいられません。


それから、
気になっていた、台東名物の帆布(ビニール布でできた鞄屋)へ
ふたつのお店が間近にあって、先代までは兄弟店だった模様。台湾ってそういったお店がよくあって、しかも、わざわざ近くで店やるか?って程いがみ合ってて、台北にある林系列の茶屋さんもそうだし、素直に喧嘩するところがむしろ好ましいです。内実は知らないけど。

縦縞のほう


「東昌帆布行」と「台東帆布行」。
特徴は、
縦縞の「東昌帆布行」に対して、
横縞の「台東帆布行」
縦縞は、おじちゃんがやっていて比較的安価で形もシンプル
横縞は、イケメンすぎるお兄さんが作っていて、声かけるのもためらうレベルで、柱のちょうど斜めのお兄さんは見えないけど、天井からぶら下げられたバッグは見える絶妙な小心者のポジションから、お店を、実は昨日から見てました。だがしかし、勢いをもって、縦縞、横縞、両方のバッグをゲットです。
イケメンって正義だな!由緒正しい神社のお守りにご利益があるように、イケメンが作った鞄というだけで大変ご利益が詰まったものに思える。
バッグを肩にかけて帰ったきた私に、宿のおっちゃんが笑いながら、ボロボロの車で台東まで送ってくれます。お代の100元は、駅に着く手前の交差点で払うところがちゃんとしてる。

改めて台東駅を見ると、駅前にはお土産屋さんも数件あり、台東名物のハイビスカス味や、釈迦頭(フルーツの一種)のご当地限定スナック菓子も売っています。電車まで時間があったため、感じの良い原住民のおばちゃんが売っていたアイス屋さんに。地元の名産で作られた味が並んでいて、タロイモ味、パイナップル味、その中でも、金針花味のアイスを食べました。
金針花は、台東側の「玉里駅」からアクセスできるらしい場所で、シーズンになると満開になるお花。一度は行ってみたいです。
おばちゃんに、「日本人?ひとり?すごいわねぇ」とのんびりした口調で話しかけられ、
!私もしかしてスゴイことをしているのかもしれない!
と突然元気がでてきました。
よく考えたら、リュック背負って、台東でアイス食べている時点で、
私はすごく力が湧いてきているのかもしれない。

台東駅とアイス



おばちゃんと話していると、電車の時間が差し迫っていることに気づき、アイス片手にダッシュ!大きなリュックを背負って、片手にはアイス。なんだか自分の姿に笑ってしまうのでした。
日本にいたとき、とんでもなく苦しいときがあって、そのとき、私の体も心も混然一体となって、まるで粘土をギュッとまとめたように、潰され、息もできませんでした。それが、今はリュックを揺らしながら片手にアイス持って台湾の東側の駅を猛ダッシュしてるんだから、すごい。

花蓮から台東までの電車では、隣のおばちゃんが話しかけてきましたが、私は日本人で言葉が分からないの、と伝えたら「うむそうか」と残念そう。それでも、花蓮に到着すると、「うむ良い旅を」みたいにお互い笑顔を交わしたから、そういった一期一会っていいなと思います。

花蓮の駅
がこれまたあまりに大きくなりすぎていて、バス停が分からない!
タクシーには乗らない派なので、どうしてもバスで行きたいのです。
分かるでしょうか。外国の駅にてバス停が分からないドキドキさ。それと、花蓮はバスが比較的少ないのかな、観光ルートのバスは少ない模様。そりゃそうですよね、東京でも全部のバスが東京タワー行くわけじゃないし。
落ち着いてアプリを見直すと、あと2分でバス!またもや、リュックと揺らしてダッシュ。宿の近くまで行くことができました。

花蓮の宿は、自転車貸出を第一条件に、今回初めてのホステルタイプ。
今回の旅は一人になりたかったので、飯店(ホテル)タイプの最低値の場所を選んでいました。でも、自転車も借りれるし場所もいいということで決めたホステルが大正解。
名前は次の記事で出しますが、日本人の方が経営していて、久しぶりに日本語の通じる安心感で、たまには自分を甘やかすことの必要性を感じました。
あと、このホステルの良いところは、清潔で、ベッドのリネン類が整っていた。台東の旅行社のあとだったから余計沁みます。気持ちって大切。
ホステルにチェックインしてから、すぐに自転車を借ります。

花蓮の町
ホステルの目の前


いざ!花蓮の自転車旅へ

花蓮も、町の作りは台東と似ていて、海沿いに広場(夜市が開催される)真ん中にリノベ倉庫があり、その周辺が繁華街となっています。台東よりも人が多く、台南より生活味にあふれています。
中心地から駅まで自転車で15分ほど。駅周辺と中心地のどちらにホテルを取るか悩むところだけれど、町や夜市の付近の空気を味わいたいなら中心地がいいと思います。ちょうど、京都の駅前に泊まるか、四条に泊まるかみたいな感じ

花蓮の町も、父と自転車で廻りました。
今思うと、よく私の猛スピードについてきてくれたな。花蓮の名物のワンタンを食べ比べたり、かき氷を食べたり、マッサージ屋さんでは、「俺は昔ヤクザだったんだぜ、ほら、頭に銃痕あるだろ」と頭の傷を見せてきたマッサージ屋さんなど、思い出が多い。

自転車で目指すは
「松園別館」私が今回の旅で一番美しい景色を切り取ったところ。
高台からは花蓮の町と海が見え、父との思い出がつまった場所です。
長くなったので、次回へ

花蓮の町は広く高い建物も見当たらず空が広く感じます。
海からの風はどこか暖かく、町全体に穏やかでリラックスした空気が漂います。
生活圏が東京のど真ん中だったころ、高層ビルに囲まれて、道にはごみ一つ落ちておらず、身綺麗な人々とブランドモノが行きかっていました。言い方は悪いけれどそのレベルによって服装を変え、大手町ならこんな服、銀座ならこう、渋谷ならこう、とコスプレのように服を変え食べ物を変え、キリがなかった。ここでは、台南で買った布バッグが私の相棒になったし、だんだんと服装もメイクも手抜きになってきて、一番楽なものを選ぶようになっていた。もちろん、その中で好きなものを選んでいたかったけど、別に好きなものをまとっていなくても、そこにいる自分がそこにいるだけでいい気持ちがしてきた。台湾旅行に限ったことではなくて、旅って、高いビルに囲まれて狭くなっていた自分の私見を取り払って楽にしてくれる。日本に帰ってくると、それはまた現実問題が待ち構えているけど、それほど身構えなくなったかもしれない。花蓮の空は、私にとって宝モノで、そういった一瞬一瞬が私を支えていて、そこに行く力があった私が、また自分で立って歩けることを思い出させてくれた。
もし、掠るぐらいにでも似た苦しみの中にいる方がいたら、一呼吸してみてください。呼吸できるだけでもものすごいことです。呼吸することを選んでいるのはあなたです。そこから、自分のコントロールが始まっています。
その一瞬一瞬が繋がって生きている。もちろん、苦しい夜はもがき苦しむことでしょう。私は酷いときは、よりそいホットラインに一晩中鬼電してました。死のうとして友人が警察を呼んだこともあります。私は自分を憎んでいいました。でも、今思うと、夫を恨んでもよかった。人を恨むのも結構、憎むのも貶めるのも結構。恨んでも、その恨むを手放せばいいだけの話でした。私は、夫にDVに合った事実が理解できず半年たち、そのまま台湾に行って、やっと「このク〇野郎」と思えるようになりました。思いながらも、DV夫のことはそういった選択肢しかなく可哀そうな人だな、とまだ習性とは恐ろしいもので、D被害者の最たるもので彼の元に戻りそうになるのですが、いやいやちょっと待てよ、と。彼が可哀そうという気持ちになる私は分かる、だけど、あの花蓮の空のほうがあなたは好きではなかったの?と問いかけると、混乱した心が、好ましい選択しに立ち戻ってくれます。
私は哲学科というめんどくさい学科を出ているので、原因をとことん追求したくなります。なんで、私はDVに合ったんだろう、彼はなにがしたかったんだろう、ふたりの関係性はなにがいけなかったんだろう、言葉を変えたらよかったんだろうか、もっと適切な振舞があったんじゃないか。
考えればきりがない。私になにが起こったか知りたい気持ちは今もあります。けれど、シンプルに花蓮の空を見て、私はこっちの方が好きだ、それ以上でもそれ以下でもなく、過去の関係の原因はいつか分かるかもしれないし分からないかもしれない、そんなことより、花蓮の空が美しかった。
日本に戻ってきて相変わらず不安定な立ち位置にいるけれど、私にはあの空の下にいた私がいたから、少しだけ大丈夫と思えます。

花蓮の空



ややこしい言葉を読んでくださってありがとうございます。
あなたの好きなものはシンプルになんですか。それは、あなたの大切な軸であり、それに固執することなく、でも、それを好きだと思った感性はあなただけのものだと思います。私は、パンケーキが大大好きだけど、台湾ではワッフルが多いので、パンケーキ愛は忘れずにワッフルでも可にした楽しんでいます。





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