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台湾へ、自殺寸前だった女の一人旅⑧5日目_台南1/2

こんにちは。
自殺寸前だった私が、台湾へ一人旅し得たものを書きます。始めての方は序章を参照ください。
今回は、5日目の台南。
台南はもしかしたら台北よりも訪れている回数が多く、家族それぞれで一緒だったり個人だったりで何回も訪れている思い出の場所です。
食べ物がおいしいのはもちろん、歩いて回れる街の規模感、路地裏の雰囲気、台北が東京なら、台南は京都(高雄は大阪、台中は名古屋)と言われています。

行った場所:
台南→赤崁楼→水仙宮市場→安平(安平樹木屋・安平古堡・安平老街)→花園夜市
食べたもの:
鶏肉飯、春巻、かき氷(裕成水果店)、豆花、夜市で一人鍋
体験:
暑い安平、夜市でのスマートな人の助け方

なんとなく滞在は今じゃないと感じた嘉義に早めに別れをつげ早めに次の町へ行くことに。その前に嘉義名物「鶏肉飯」を駅前のお店で食べました。

命削ってでも有名なお店に行くということをしなくなったこの旅、手近な店で済ませたけれど、とても美味しくて、眺めも駅が見えてよかったです。口コミだけが世の中の全てじゃなくて、その場所にいつ自分の感覚が加味されて思い出になる。 東京のど真ん中で暮らしていたとき、それこそ東京駅も渋谷もチャリ圏内で、休日は取りつかれたようにインスタで見たカフェや飲食店巡りをしていました。味もよかったしお店の雰囲気もよかったけど、どこか空しかった。インスタのストーリーにのせてたけど、あの時の感覚がどこか空虚でした。今回の旅はいっさいインスタにも誰にも言っていません。
嘉義の駅を見ながら、ひとり安い食堂で食べる鶏肉飯はとてもとても美味しかったです。


駅前鶏肉飯

台鉄で台南に向かいます。
台南駅がとても好きです。
死にたいと思っていたとき、それでも行きたかったのは台南の駅でした。

台南駅のプラットフォーム


台南駅の出口を背にして台南に到着する、それが私のやり残したことでした。駅はプラットフォームが広くて、特別な待合室がない代わりに、フォームの一角にたくさんベンチがあってそこでは人々が電車を待っています。入口と出口が違っていて、出口をでると少しの日陰と、目の前に台南のロータリーが目に飛び込んできます。進むためには、地下道を通るしかなく、そのややこしい作りも変わっていません。駅前のロータリーは円環になっていて、町には円環の道が数個あって、向こう岸に行くために信号を何個も渡らなければならないとこもあります。

ホテルに荷物を預け、ランドマークと勝手に思っている「赤崁楼」へ向かいます。思い出がぐわんぐわん蘇ります。

台南に初めて訪れたのは、2回目の台湾旅行、なにを血迷ったか、一人での年越しでした。年末年始だったためホテルがなくて、一日目はホステルのドミトリー4人部屋に一人で寝ました。遠くの方で、新年を祝う爆竹が鳴っていて、当時はなにも分からなくて、怖くて「この町やばい」と布団の中で震えていました。二日目は、airbnbで音楽一家のお部屋に泊めてもらって、その家の娘さんと同い年で境遇も似ていたため仲良くなって、10年経った今も縁が繋がっています。新年で台北に帰るチケットが取れずその子にチケットを探しまくってもらって、ちょうど同じ日にその子も音楽資格取得のため台北に行くということで、同じ電車のキャンセルチケットを一枚だけゲットして、席を変わってもらい、台鉄自強で5時間(長)その子の恋愛や未来の話をして台北に向かいました。その子の家に滞在していなければ、私は台北に帰れず、飛行機にも乗れなかった。

道を歩くと、このコンビニでチャージしたとき、このバス停で待ちぼうけをした、この店の冬瓜茶は母が好きだった、思い出が大波のように押し寄せ、また間髪入れずに去ります。
よく「執着するな」「手放せば楽になる」というお言葉あります。
私はこの言葉にずっと翻弄されてきて、あの人、あの仕事、私の嫌な気持ち、不安、欲に意外とがめつい自分を卑下してきました。
こんなんだから、幸せになれないんだ。この負の感情を持ってなんて悪いんだろう。
だけど、執着していいのだと思います。それを持って、そして手放す、またやってきたら持って、また手放す。
表れては消えている波の瞬きのように、
大切な思い出を手放す必要がどこにあるでしょうか。それは確かに過去、私に存在して輝いていました。不安もそうです。悲しみも怒りも、浮かび上がっては消えてゆく。それを認めないと苦しいだけでした。
これを頭でなく、体感として、じわじわと分かったのが今回の旅です。

長くなり話を戻します。
「赤崁楼」に着くと、入場料80元。うん、いいや。手放した(笑)
何回も入ってるからヨシとします。ちなみに、朝は前の道で、炭火でトーストを焼いてくれるお店があってとっても美味しいのでおすすめ。私はそこで、ピーナツトーストを待つ間、ずっと「花生(ピーナツ)」の発音を治され続ける体験を過去にしました。


春節仕様の寅さんがかわいい


赤崁楼を曲がると、台南老舗かき氷のひとつ「裕成水果店」にやってきました。
バケツサイズ?少なくとも、うどんのお椀ぐらいのかき氷が出てきました。日本から助けを呼びたいぐらいの大きさです。家族と3人で食べたなぁ、なんて家族のありがたみを感じながら一人で食べきります。変わらず、おばちゃんたちが元気に営業していて、ご馳走様を言いにお皿を片付けました。台湾は基本片付けなくていいので、片付けるとそれで日本人と分かります。

ラーメン丼ぐらいはあるかき氷

先へ進むと、美味しいものが集まった水仙宮市場へやってきます。
胃袋がひとつなので、市場入口にある春巻き屋さんで、一個頼んで握りしめながらバス停へ、安平に向かいます。

左右にお店がたくさん
作りたての春巻



長くなりそうなので、台南は2つに分けます。
安平では、変わらずの南部の暑さと人混み。そして値上げした?名物料理。
帰ってからは、大好きな花園夜市で、スマートな人助けをみて、それが私のまた指針となるのでした。

心象描写が多い旅行記になります。
日を追うごとに、少しだけワガママに、少しだけ自由になっていくのが感じられます。
読んでくださってありがとうございます。


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