ボランティアスピリッツ

僕がnoteを始めて1ヶ月が経ちました。

そしてしっかり描くことが尽きてきました。

なので今回は僕のストック話、中学の部活動の話をします。



中学時代、僕は1年生の頃に卓球部に入ったのですが、
体罰で1番問題視されていた時期にラケットでどつかれて「この部活に常識は通用しない」と思い退部し、
2年生で入部したのがボランティア部でした。

ボランティア部とは自分たちの代にできた謎の部活で、
メンバーは同級生の部長と副部長の2人で構成されていました。

この部活の主な活動は「掃除」です。

朝練として学校の周りをひたすらゴミや枯葉をを拾い集めるという部活動として成立しているのかわからない部活動です。



僕はそれの幽霊部員をやっていました。



幽霊部員になった理由としてスポーツ系の部活動が朝練をしている中、フェンスの向こうで箒をはくことに恥じらいを感じていたことと
部活動に入っているという事実があればよかったこと
そもそも朝練に行ったとしても自分は台車をただただひくだけの居ても居なくても大差がない仕事しかなかったというボランティア精神が1mmもない理由でした。

そんなある日、ここまで珍しい活動をしているということが市に伝わり、市の公民館で表彰されることになりました。

そこで何故か顧問の先生が優しすぎて「表彰式にいこう」と誘っていただき、平日に表彰式が開催されるという
「合法学校サボりチャンス」が舞い込んできたともあり、参加することになりました。


そして当日

待ち合わせ場所へ行くと、教頭先生が1人。


一番乗りかと思い挨拶すると、部長、副部長を待たず会場へとむかおうとします。

「もしかしたら自分が遅すぎて先に会場へ行った」と思い
むかうと道中に教頭先生が

「ごめんね、2人ともインフルエンザだから1人になっちゃって」


は???


表彰式に何もしてない幽霊部員が賞状を受け取る
異空間です。

到着すると、他の学校で何かしらの功績を獲た方々が次々と表彰されます。


スクリーンに流れる活動内容

「道端で倒れているおばあちゃん保護した」

「被災地まで行き、復興活動をした」

「海外に行き数日間のボランティア活動をした」

ここで気付かされるのは我々の活動が「ゴミ拾いをした」という良いことではあるものの「エピソードとして弱い」という面です。

そして我々ボランティア部の番になります。

そしてもう1つ気付かされます。
スクリーンに映し出される活動の中に僕の姿がひとつも映っていないということです。

会場はちゃんと「アイツは何者なのか?」という小さいザワつきが起きています。

顔を赤らめながら下をむき、さっさと賞状を受け取り席に戻ります。

「こんなことならちゃんとボランティア活動しときゃ良かったぜ」

そう思いながら、式は終わりに差し掛かります。
そして司会の方ご一言

「この後、一人一人表彰台にあがっていただき記念写真を撮影します」

は???

そして何故か一番最初に呼ばれたのが自分です。

表彰台には王様が座るような椅子が一つだけ真ん中に置かれ、僕はそこへと座らされます。

数秒後、明らかに市の偉そうなおじ様方がずらずらと20人ほどで幽霊部員である僕を囲み、記念撮影が始まりました。

後に聞いたのですが、僕の隣で立っている人が
「市長」だったみたいです。

何も成し遂げていない幽霊部員が市の偉い人に囲まれ、
裸の王様の如く1枚の画として残ります。


これがしばらく我々の学校の職員室前に飾られたのですが、担任の先生に「この学校の1番の恥」というお言葉をいただきました。

僕はその日から、月に4〜5回はボランティア部の朝練に参加するようになりました。

学生の皆さん。
幽霊部員で1番恥ずかしいことは「何もしてないのに讃えられる」ということです。

ちゃんと部活に出ましょう。

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