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読書日記219 【ニートの歩き方】

 phaさんの作品。エッセイというのか指南書というのか?京都大学を卒業した、いわゆる高学歴の著者が会社勤めを辞めて定職につかずにぶらぶらと生活をしていたいたという話をまとめた一冊。

 noteにも日記を投稿しているし、テレビにも何回も出演している著名な人なので知るひとも多いらしい。基本的なスタンスが『人生が「だるい」「めんどくさい」人の考え方』という。初期の作品で指南書というか色々なニート生活に必要な情報も書いてある(国保とか生活費とか)

 TwitterをいうSNSを知って衝撃を受けたと書かれている。ソーシャルネットワークの始まりというかネットの中でどう繋がるのか?というのが昔あった。掲示板サイトというかから始まり、ホームページ制作、ブログ、そしてTwitterやFacebookなど、どう人がどう繋がっていくのがいいのか?みたいなことが試行錯誤されていく経緯の中で、著者がネットの世界を利用した自分らしい生き方みたいなものが書かれている。

 冒頭に書かれている「メキシコ人の漁師の話」というのに著者の考え方が表れていると思う。
 メキシコ人の漁師が生活できて自分家族が食べる分の魚しか漁をしない(漁をしている時間がすくない)ことに、旅行者であるアメリカ人が馬鹿にする。メキシコ人の漁師は余った時間で寝て子供と遊んで女房とシエスタ(昼寝)して夜に友達と酒を飲んでギターを弾きぐっすりと寝ると答える。アメリカ人の旅行者は、それならビジネススクールで勉強してMBAをとって水産加工会社を作ってそれを成功させて億万長者になった方がいいと言う。「億万長者になってどうする」と答えると「たくさんの金を持ってリタイアして田舎に家を買い、子供と遊んで女房とシエスタして夜は友達と酒を飲んで毎日を暮らせばいいさ」と言ったという笑い話をあげている。
 
 実際にビジネススクールに通ったり会社を興していたりすれば「時間」を取られるので子供とは遊べないし、女房と昼寝など夢のまた夢。仕事人間になって老人になって、よぼよぼで足が動かなくなってから労働を楽しむなんてことになるという例え話らしいけど、どこかで線を引くのも大事な感じがしてくる。


 著者は「ネットで得られる三つのもの」として

  • 人とのつながり

  • 暇潰しにやること

  • 最低限のお金

 というのをあげていて、最低限のお金のためにプログラミングの独学で習いブログやサイトを立ち上げてアフェリエイトで稼いだり、ブックオフに通ってせどりをしていたりしたらしい。まあ「情報商材」というか「販売促進」というか、未だにTicTokでブログを複数開設して月に何十万みたいなものが普通に流れているのをみる。ただ、著者はコンビニのバイトより効率の悪い作業といっている。ただ好きなものを書くというのは楽しいし、楽しみながらということが前提にあるのでといわれるとすごく納得がいく。

 

「サイト作り」にしろ「せどり」にせよ僕が続けられたのは、
〇 時間を自分の自由に使える
〇 人と会わなくていい
という二つの点を満たしていたからだった

pha著 ニートの歩き方

 カンパやクラウドファンディングなどで資金を得ながら好きな文章やイベントを行っていく著者。今何処にいて何を感じることが、生活を豊かにすることより大事というのが、なんか良くわかる一冊になっている。

 

 

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