読書日記256【村上朝日堂】
村上春樹さんの最初のエッセイ。日刊アルバイトニュースという雑誌があった。今だとダウンワークとかなのかな?僕らも使ったことはないぐらいの古い雑誌なのだけど、そこに載せる簡単なエッセイをまとめた本となる。
週刊朝日に連載になってというのはそのあとの作品で、簡単に1000文字程度でまとめられている。その分、雑に荒くまとめられていて、逆に「ここら辺で短い文章はこれでいいんだ」と思えるのがすごく良いと思う。
・食べ物の話
・過去の話
・運動の話
・文章を書く話
・地域(住んでいる場所の話)
・旅行の話
・仕事の話
・ライフスタイルの話
・翻訳の話
・有名人の話
村上春樹さんのエッセイの基本がもうここら辺でまとまっている。ランニングをして本を読み音楽を聴いて自分でご飯をつくる。英語の翻訳を趣味でして小説を書く。収入源はそれでエッセイも稿料をもらってする仕事になる。
ここら辺を「いいな」と思い始めると、エッセイの良さがわかる。ただ、興味がないとそこらへんで挫折してしまう。ここらへんが村上春樹さんの好き嫌いで、特に英語がそもそもできる人って「村上春樹って良い?」と聞かれることが多かった気がする。
時代的にはこの後にギリシャに移住をしてヨーロッパに住み、『ノルウェイの森』が大ヒットしてそのあとにアメリカに渡る。ここら辺の作家って多くって何人もいるのだけど、近い作家として池澤夏樹さんがいると思っている。池澤夏樹さんもギリシャに時代は違えど3年間住んでいる。
翻訳の仕事もしているし、ただ池澤夏樹さんは芥川賞を受賞したけど、長編の作品というのはあまり残していないというか、長編小説に拡がらなかった気がする。
村上龍さんが芥川賞をデビュー作で受賞したけど、そのあとに長編小説を書いているように、自分を見つめて文章を紡ぎ長編を書いたので、村上春樹はベストセラー作家になったんじゃないか?と思えるところが正直このエッセイを読んでいるとある。
イラストの安西水丸さんがいい味をだしている。今回noteで安西水丸と入力して安西水丸風のイラストを出そうとしたらなかった。???正直びっくりした。ヘタウマのイラストで「誰でも書けそう」がコンセプトなのにないなんて……とちょっとしたカルチャーショックをうけた。
エッセイには必ず挿絵が入っているので、そこらへんも見ると楽しい。
英語をカタカナで表現する村上春樹流の表現はもう顕在で、ソフィスティケート(sophisticate)とかは最初から書かれている。普通に都会的とか洗練されたとかでいいんじゃない?と思うところをあえて英語でもなくカタカナで書くのが流石、村上春樹流と思ってしまうw
おこがましいけど、これはデジタルでなく古本でできれば100円の棚で見つけて読んでほしい作品でもあります。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?