台湾BLドラマ「永遠の1位」第5話を本気で見た

相変わらず金曜日のために生きていますが、多方面からの供給が多すぎて処理が追いつかない。基本は幸せです。
それにしても永遠の1位が好きすぎて、1話あたり速度を変えたり、字幕を変えたりして7回以上見ると、なんと字幕無しでいけるようになるということが分かりました。そしてリスニング力がじわじわついてきたのか、生放送で話しているワードが地味に聞き取れるようになってくるという奇跡も起きます。やっぱり少しでも聞き取りたいという強い気持ちが大事。

前回の感じからして大波が来るとは思っていましたが、配信前日にシューイー役のYUさんが日本語ライブで「5話は全部見どころ」的なことを言ってたので私の中の期待値が爆上げ。
そんな5話のタイトルは「レッスン5 お前だからだ」。

シードーは、足をぐねってしまったシューイーの手当をするために包帯を取りに行って帰ってきたら自分の気持ちがシューイーにバレていた、という穏やかではない状況。
シードーは平静を装いながら、話をするよりも手当が先だと足首に包帯を巻く。シューイーは「告白、聞いちゃったんだ」という。だから俺を避けてたのかと自虐気味に笑い、シューイーが彼女を作ろうとしていたと聞いたことを言う。
すると、シューイーは「俺は、男を好きにはならない」。ここでシードーの手当の手が一瞬止まって「分かってるよ」って言ったこの時の表情。単純に言葉にできる感情ではないような表現がすごく上手だと思いました。言葉に出来ないけど、どんな気持ちになっているかを理解できる。間合いにしても、目線にしても秀逸です。「そんな理由で彼女を作ろうとしたのかよ。相手に申し訳ないだろ」というシードーに、そういうんじゃないと否定する。
このあと、何も言わずにただ視線を落とし、まるでこみ上げる自分の感情とかを押し殺すシードーのシーンもすごく良かったです。何が良かったかって、演技者と撮影監督との信頼関係が見えたこと。まずシードーという人物に対して気持ちの解釈が深いっていう部分もあるし、それを表現できる力がある。人の心を動かすのは人の心だけなので、余計なBGMを足さずにカメラワークもただ表情を追うというシーンにした監督の感性に全幅の信頼。
それで「好きな子が見つかったら、大事にしろよ。失恋の傷には新しい恋をすることだ。うまくいくといいな」とか言うんですよ。あんな顔しておきながら……。いつの間にか手当を終えて、何か言いかけたシューイーを遮って立たせる。「マシになった、ありがとう」というと、シードーは「ただ、俺が好きなだけだから、気にしなくていい。もう忘れて」と言い残して保健室を出ていく。

帰宅したシードーは完全にぼーっとしていて様子がおかしい。母親が怪訝に思ってパチン!と顔の前で手を叩くとやっと我に返る。
この壁に飾ってあるアートがアーティスティックな家、最近のBL作品でレインボーカラーをよく小道具とかに使われているので多分意図的なアートかなと思いました。
「なんだ、動けるのね。考える人なのかと思ったわ。どうしたの?何かあった?」と聞いてもはぐらかすシードーに「あなたは私が生んだ子なのよ。何かに悩んでることくらい分かるわ。ほら、言ってみなさい」と母親の頼もしさが最高でした。シードーは「好きな人をどうやって諦めるか考えてただけ」という。10年以上好きな人をそう簡単に諦められるはずがない。
「ちゃんと追いかけたの?何もしないで諦めるのは意気地なしでしょ。あなたを度胸ある子に生んだはずなのに、いつからそんな小心者になったのよ」と発破をかける母。好きになったら、行動に移さなければ結果はどうなるか分からない。何もしなかったらきっと後悔する、と息子を諭します。
「もし、上手くいかないって分かってたとしても?結果は分かりきってる」と弱気なままのシードーに「どうしちゃったの?かっこいいんだから、自信持って。その相手の返事は聞いてないんでしょ?行動するべきよ。もし上手く行かなくてもいいじゃない。傷つくことで男の魅力が増すのよ」という母。強い。もし上手くいってもアメリカ行きはやめないでね、と言われて「そんなことしないよ。約束はちゃんと守る」。
久しぶりの手料理だという発言からして、いつも仕事で忙しいキャリアウーマンであることが分かります。離婚して、女手ひとつでシードーをここまで育ててきた母の強さと優しさたるや。

一方、帰宅しているシューイーはというと、とんでもない広々した部屋に一人。そして足が痛い。そして思わず数日間のシードーとの思い出を振り返ってみたりする。「気にすんなってなんだよ。俺は惚れられてんのに」とぶつぶつ言いながら包帯を取っている。そこにメッセージが来ます。
なんかシードーの名前を設定してて、それが「クソ野郎」みたいな名前でさすがに笑っちゃったんですが、「前の約束は終わり。ビデオは消した。短い間の友情に感謝する」とか送ってきます。「短い友情!?俺、絶交するとか言ってないんだけど!?もういい、勝手にしろ」と何だか可愛い方向性で怒るシューイーさん。つまり、シードーとの友情が一方的に終わらせられたことに対して、とても寂しく思っている。

大学で、ビンウェイと二人、麻辣鍋の店あるから食べに行こうとか話している。シードーの名前が出ると「あいつが行くなら行かない」などと、どう見ても寂しくて拗ねているシューイー。その向かいからはシードーと友人が並んで歩いてきて、見事に鉢合わせポイント。
シューイーと目が合うと、ぎこちない感じに目をそらして避けていくシードー。いや、これは寂しい。しかし告白を聞いた後にシューイーもシードーのことを避けている。

保健室では、何やら痛みに耐える男子?と思ったら、手当を受けてる子が別でびっくりした。君の方だったのね……。そして手当しながら「痛い時は何か噛んどけ」というショウイー先生はマジ……何かで事故って転んだっぽい男子を粗雑に扱う……。
すると、そこに入れ違いで来たシードー。ショウイー先生の名前を呼びますが、呆然と見たまま何も反応しない。
すると大学ではないどこかで、カップ麺を食べながら「会いたかった?」と言いながらやってくる男の子の映像。
シードーがもう一度名前を呼ぶと、ハッと気づく。入り口に立っているのを見たら前にいた高校の学生のことを思い出した、というショウイー先生。なるほど。あれはショウイー先生が勤務していた高校で、あの男の子は生徒。
「で、ジョウ・シューイーとは終わった?」と軽く聞いてくるショウイー先生に「ああ。なんであんな真似したんだ」「ラーメン食っただろ」「ラーメンくらい別にいいだろ?」「他のものならいいけど、ラーメンはダメだ。あれは俺のだから」
このセリフから考えられることは、ショウイー先生があの男の子が来た時のために用意していたラーメンだったのではないか説。でも多分男の子の方からショウイー先生に興味を持っているっぽいですよね。ワクワクしてきた。
「あんたがそんなことしなかったら、卒業するまで友達でいられたのに」というと「恋の炎は紙では包みきれない」。経験者は語る感がすごい。
「恋愛を怖がってるくせに何言ってんだよ」と物申すシードー。たぶんだけど経験してるからこそ飛び出たワードな気がしますけども。
「言うねえ。優しくて親しみやすい設定が台無しだ」とツッコむショウイー先生に、わざとらし〜〜〜〜く「バレちゃった?」とか言う。そのあとに秒で「裏切ったくせに」と急激に温度が下がる。この後のショウイー先生の切ない表情があまりにも良すぎ。自分の過去と重ねてるのかな……第二期……。

さて、あからさまに避けられたシューイーは、ピアノ弾きながらシードーを待ってしまうし、部活中もシードーが来ないか探しちゃうし、あの雑用係期間にシードーと一緒に出た授業を覗きに行ってみたりもする。一緒に勉強した図書館でも全然会えない。
シードーがずっとシューイーを追いかけてきて、今度はシューイーがシードーのことを探しているという。つまりはこれまでと立場が逆転して、シューイーはシードーの行動をなぞっていっている。最高のシナリオ。
そして図書館で居眠りしてるシューイー、シードーがやってくる。最高にすれ違っている。ふと、机に広げられたシューイーのノートにはめちゃくちゃ悩んでいる軌跡(日本語)が書いてあって、思わず声を上げました。しかも大きめにシードーの名前が書いてあって、その下に日本語で「大好き」って書いてぐしゃぐしゃに消してるのが本当にどうしようもなくて、頼むからシードーはその日本語を読めていてくれと謎に願ってしまった。
自分の名前が書かれたノートをなぞって、つらくなってしまうシードー。どうにか諦めようとしてるのに、シューイーの中で自分に意識が向いていると思ったらもう全然無理。そして、ちょっと長めにシューイーの寝顔のカットがあるのは、あの保健室の朝では目を開けたけど、今回は眠ったままだっていう対比っぽい……いや〜〜〜!!!最高にすれ違ってる〜〜〜!!!!!
校舎をジョンウェンと一緒に歩いてる時も心ここにあらずで、目の前を通った人に対して急に「ガオ・シードー!」と声をかけ、「お前、何で避けるんだよ」と言いながら腕を掴むんだけど、その人はシードーではない。
「一体どうしたんだよ」と聞くジョンウェンに、「ヤバい……俺、あいつのこと好きになっちゃった」と、ここで自分の気持ちを自覚する。完全に落ちた目になってた。

シードーの方はというと、あの友人に「シューイーがすきなのか」と詰め寄られていました。「お前には関係ない」とバッサリいくシードーに食い下がる友人。そして俺がお前のことが好きだって気づいてるだろ?と言う友人に対して「自分の気持ちを他人に押し付けるなよ。好きになることは、見返りを求めたりするようなものじゃない」とめちゃくちゃにバッサリいきます。
「もし勘違いさせてたなら謝る」と行って立ち去る。突然の辛辣。

バッサリ振られた友人、荒れ狂ってロッカーに八つ当たり。そこですっとビンウェイが大声出してたから、喉乾いただろとドリンクを差し出す。
ここであの保健室の夜に、閉じ込められたシューイーが大声で助けを求め続けたあとにシードーが水を差し出していたのを思い出しました。なぞっている……。
友人は「言っとくけど!!俺はお前のこと受け入れるつもりねーから!!」と大反発。しかし、ビンウェイ的にはベクトルはシューイーに向いているので全然そんなつもりはない。思い込み強めの友人は勝手に自分のことが好きだと思って突っ走っているのを、至って冷静に「俺が好きなのはお前じゃなくて、ジョウ・シューイーで」と訂正するビンウェイ。
どいつもこいつもジョウ・シューイーかよ!!!とまた激しく八つ当たっている友人をぐいと引き寄せ「そんなの仕方ないだろ」と言う。仕方ない。
急に強く言われてちょっと落ち着いた友人は、ムスッとした顔でもらったドリンクを飲む。そして、何だかんだ言って失恋をなぐさめてくれるビンウェイ……包容力……。

ピアノに向かいつつスマホをじっと見ているシューイーに、ユーシンが「素直に会いに行けば?」と言う。「会おうとしたのに会えなかった」「直接誘ってみなよ」「そんなことしたら、俺が会いたがってるってバレるじゃん。無理」とここでまだ悪足掻きをするシューイー。
「偶然に見せかけて会うために大学内を歩き回ってるわけ?子供じゃないんだから」「……悪いかよ。どれだけ科学が進歩しても、あっちが避けるなら会えないんだな。だけど、あいつ、俺とは学科も違うくせに毎日俺のところに来た」
幼馴染のユーシンも、たしかに昔からシューイーのいる所にいたという記憶がある。かくれんぼしてても、シードーが鬼になった時にはすぐにシューイーを見つけたという。つまり「ずっとあんたのこと見てたってこと」。
シューイーは「ストーカーみたい」とか言うんだけど満更でもない。それからユーシンがシューいーの恋心の核心を突いていく。
ここでシューイーは、もう一つ大事なことにも気がつくことができたわけです。シードーは今までずっとシューイーのことを見ていたし、どんなに避けられて、隠れていようとも、ずっとあの手この手を使って探し出し、追いかけてきた。

ユーシンに背中を押されたシューイーは、たぶん色んな所を探していて夜になったりとかして、歩道橋のところでシードーのことを待ち伏せる。
一応「何してんの?お前と全然会えないんだけど」みたいなメッセージも送るんだけど、シードーは返事せずにスマホをしまう。
そしてシューイーは「ガオ・シードー!お前、どんだけ俺のこと避けたら気が済むんだよ」と言って近寄るんだけど、シードーの方はあの動画のことを聞かれると思って「消した。確認しても良い」とスマホを差し出す。
今はもうそんなことは全くどうでもいいシューイーはスマホを払いのけて、「失恋した俺のことが心配だったから、雑用係にしたんだろ?意識を勝負に向けさせて、俺の気を紛らわせようとした」などといきなり芯を食うことを言い出します。シューイー……あなた急に目覚めて……。
シードーは「俺はそんなに良いやつじゃない。自分のためにやったことだ。卒業までにお前と友だちになりたかったから」と告げる。
それで、保健室の夜にやっと友達になれたのに関係を壊すようなこと=告白するつもりはないと言っていたシードーとつながってくる。
「お前、マジで俺と友達になれるって思ってんのか?」「お前だってユーシンと友達だろ」と言われてしまう。あ〜〜〜、シードーは今までシューイーの幼馴染のことがめちゃくちゃ羨ましかったんだろうな〜〜〜〜と思って死にそうになった。
帰っていくシードーにシューイーは「その幸運は、まだ俺のものか?」と聞く。「俺、お前に片思いされてるやつは幸運だって言ったけど……その幸運はずっと俺のものだったんだろ?今はどうなんだよ」と詰めていく。
ここで直接的に「まだ俺のこと好きなのか」って聞くんじゃないところがいいなと思った。シューイーの性格ならそうやって聞く。
「答えて何になるんだよ」と突っぱねて歩き出すシードーを掴んで、「ガオ・シードー!マジで答えろよ」って強く言う。ここも解釈大一致。
さすがのシードーも「からかうな!」と言うので、はあ!?この野郎……!と実力行使(キス)に出ようとしたシューイーですが、さっと避けられる。全然自分の気持ちが伝わってなくて超ショック。しかもドンと体を押し返されて「ジョウ・シューイー、いい加減怒るぞ」と言われちゃうんだけど、そんなのはこっちのセリフ。
「その幸運は俺のものなのかって聞いてんだよ!いいから言え!」とまだ素直に聞けないシューイーに「何でそんな事聞くんだよ!」と声を荒げるシードー。そしてシューイーは「それは、お前のこと好きだからだろ!」と本当に伝えたかったことがやっと言えるという。
しかし、もうシューイーの気持ちを諦める準備をしていたシードーは全然信じてくれず「男は好きにならないんじゃなかったのか?」というと、声を震わせながら「お前だから。男だけど、好きになってた」とまっすぐに告げます。
まだ自分の気持ちを全然信じてくれないシードーの様子を見たシューイーが、あの幸運のネックレスに手をかけて投げ捨てようとする。幸運のネックレスを捨てれば信じるだろ、と言うのは、ユーシンへの気持ちと完全に決別したこと、もう俺の幸運は別に持っているってことを表したかったのかなと思いました。
しかし「それ捨てたからって何になる」と言われたシューイー、歩道橋に乗り出して盛大にシードーに告白します。日本語でもちゃんと盛大に告白するし……。「これで信じたか?」と言うなり、勢い任せに実力行使(キス)。
このキスされてる時のシードーの目が閉じないのが個人的にいいなと思いました。そして、ぼろぼろに泣いてるシューイーが「俺のものは俺のものだ。永遠に俺の」って言うのでもう胸が一杯になった。一回俺のものになった幸運は、永遠に俺のものなんだって言う……こんなドラマチックなことある……。シューイーは、やっと気づいた自分の気持ちを信じてくれないし、全然受け入れてもくれないし、幸運は誰のもとにあるのかをちゃんと答えてくれないから不安で怖い。でもシードーは、好きになってくれるわけがないシューイーが、急に自分を好きになったなんて都合のいいことは考えられなかったわけです。
でも盛大に告白されたうえに勢い任せなキスされて、本当に好きになってくれたことを理解して胸が一杯になっちゃうのがすごく良かった。奇跡って起きるんだ……って噛みしめる時の表情……。
シューイーが「キスすんの初めてだろ」と自信満々で言うのを、泣き笑いみたいな顔をしたあとに首を横に振るシードーさん。すぐにちょっと悔しそうな顔して「誰とした?」って聞くの最高だし、シードーも「プールの時」って答えるの最高。それはもう忘れもしない初めてのキス、あまりにもドラマチック。
思い当たる節しかないシューイーはほんの一瞬ホッとして「あれはノーカンだ」と言って、シードーの首に手を回して引き寄せてキスをする。
ここは頬の涙の後がきらきらって光るのが最高に美しいキスシーンでした。背景のライトもきらきらしてて本当に綺麗だった。
この時に流れるシードーのモノローグが「人はどうやって人を好きになるんだろう。嫌われていても、好きにならずにはいられなかった」からのタイトルバック……好………。やっぱりめちゃくちゃ歌がいいです。エモが極まる。

というわけで、YUさんの仰るとおりに最高に見せ場しかない5話でした。本当に奇跡みたいな5話だった。色んな小さい歯車が全部ガチッと噛み合った瞬間、グワーッと大きく動き出したときみたいな感動を覚える。語彙が限界でオノマトペがヤバくてすみません。言語化するために15回くらい見ると思う。
しかもそんな余韻に浸る間もなく次回予告がヤバそうで。毎話、エモを凌駕してくるのが「永遠の1位」ということで、残すところあと1話になりました。寂しい気持ちもありつつ、2期への期待をふくらませつつ来週の金曜日に備えておきたいと思います……。
今週もお付き合いいただきありがとうございました!


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