ハイロイン(上瘾)第13話を本気で見た

ハイロインは中国当局から「低俗、反道徳的で不健康。社会の暗黒面を誇張している」という判断で打ち切りとなりました。
同性愛のみならず、不倫や未成年の恋愛についても放送禁止されているようで、よく考えるとハイロインは地味に全て当てはまっていて(不倫はグーハイ母が死ぬ前からグーハイ父とバイロイン母は関係があったと読み取れる)、強硬手段に出る感じになったのかなっていう。
前回、少し生殖器検査のことを調べている中で、中国では優生学に基づく「優生優育」という政策の存在を知りました。あれ?これはもしかして、作者は国でタブーとされる全ての要素をドラマを通して明るみに出し、世間にこの国はこのままでいいのかと問いかける側面もあったのではないか。えっこれはすごいドラマ……という私の勘繰りです。すいません。でもすごいドラマであることは事実です……。

さて前回、手っ取り早く稼ぐ方法を閃いていたバイロインですが、それはなんと賭け麻雀でした。グーハイとグーハイのいつメンと共に麻雀をやり、驚くべき強さで周りを圧倒しまくり。グーハイは自分は勝ってないのに、とにかくうちのインズすげーだろ??とばかりに終始ドヤ顔。
そして麻雀で儲けたお金を数えて満面の笑みのバイロイン。グーハイ様も「本当いい嫁だな」とうなじを撫でながら満足げだったんですが、嫁というワードにバイロインは「また言ったら玉取ってやるぞ」と世にも恐ろしい脅しをしますが、「それならデカい盆用意しとかないと入らねーな」とかあっさり返されて、言い返す言葉を失うバイロインさん。ここの札束でペシペシ叩き合うシーンの雰囲気めちゃくちゃいい。

学校の売店の前で立っていたバイロインに「インズ〜僕のこと助けて!」とヤンモンちゃんが後ろから飛びついてきます。ひとまずヤンモンちゃんを下ろし、話を聞くとどうやらヨーチーに付き纏われて困っているという。
付き纏う上に貶してきて意味わかんない!休み時間もずっと狙ってくる!ほら!とバイロインにひっついて隠れていると、売店からグーハイ様が出てきます。おいコラ俺の嫁にひっついてんじゃねえぞとヤンモンちゃんを突き放し、嫁のために購入したアイスを渡す。ありがとうも特に言わずアイスを食べるバイロインからはすでに嫁の風格が漂いますが、ヤンモンちゃんはアイスに夢中。「アイスなんてしばらく食べてないなぁ……味はどう?」と前のめるヤンモンちゃんに、バイロインはアイスごと渡そうとするんですが、そこはグーハイ様が許さない。すかさずアイスを取り上げて「俺が味見するわ」と言ってバクバク食べる。全然味見の量じゃない。
再びバイロインの手元に戻ってきたアイスを見たヤンモンちゃんはたまらず「僕にも一口ちょうだい!」とバイロインにねだると、あっさり全部やるよと言ってアイスごとくれる。
一連のやり取りを見たグーハイ様は、おいおい俺の嫁の唾液ついてんだけど!?食うのかよ!?と心中穏やかではありません。
グーハイ様「なんであいつにやったんだよ」「いいだろ?お前も食べたんだし」「俺とあいつ一緒にすんなよ」「グーハイ……そんなことでいちいち怒るなよ」と窘められる。グーハイ様はバイロインに特別扱いされたくて仕方ないので……。

授業の合間、またヨーチーの件でヤンモンに引っ張り出されるバイロイン。最近は放課後もすぐに出ていかないとヨーチーに邪魔されてどこにも行けなくなるというヤンモンちゃん「僕のこと殴って気が済むならいいけどそれもしないで爆竹みたいに罵ってくるんだよ!説明できないくらいひどい言葉で……」と切実な様子。
しかし、バイロインいるとヨーチーは何もしてこない。あれ?なんで貶さないんだろ?と困惑するヤンモンちゃんをひとまず教室に戻るように促します。
教室に戻って授業が始まりますが、バイロインの分の問題のプリントがない。前の席のヨーチーに「俺のは?」と聞くと「ちゃんと後ろに回したよ」と言われてすぐにピンとくる勘のいいバイロインさん。くるりと後ろを振り返り「俺の渡せよ」と言うと、グーハイ様は「ない」とは言いますが机の上にはプリントがバッチリ2枚ある。「配ってるときいなかっただろ。1時間ずっと外で喋ってこいよ。問題なんかやる必要ない」と、ヤンモンちゃんと廊下でコソコソしていたせいかどう見ても拗ねまくっている。バイロインのことを嫁とは言いますが、全然余裕がないグーハイ様……。呆れたバイロインは何も言わずにプリントを奪って前を向く。
教室にいたヤンモンが誰かに呼ばれて出て行くと、バイロインがその隙を狙ってヨーチーに話を聞きます。しかしいやいやそんな心当たりないと主張しまくるヨーチー。そんな二人のやり取りを聞いたグーハイ様は「そこの前の二人静かにして」とわざと大きめに注意してくる。とにかく拗ねています。

ヤンモン、バイロイン、グーハイが並んで下校。バイロインは「ヨーチーは寮生だからもう追いかけてくることないよ。安心して帰りな」と言ってやりますが、ヤンモンちゃんはそんなことない!一緒に帰ろうよ!と言って食い下がります。幼稚園からずっと一緒だったのに最近はずっと一人で遠い道を帰らなきゃならなくて寂しいというヤンモンちゃんに、バイロインは「じゃあ一緒に帰ろう」と言ってくれるんですが、グーハイ様が納得するはずもなく先に帰っていってしまう。
ヤンモンは「なんなのあいつ!?なんで俺にいい顔しないんだ?」と不服。まさか嫉妬の対象になってるとは思いもしないので不思議でしょうがないよね……ヤンモンちゃん、実はあなたの幼馴染、グーハイ様の嫁になってるよ……。

先に帰っていたグーハイ様ですが、なぜか家に入らず外で立っている。
遅れて帰ってきたバイロインは立っているグーハイを見て「入れよ」とか何度か声を掛けますがまさかの無視。無視され続けて腹立ってきたバイロインは「入んないなら立ってれば!」とスタスタと家に入る。その後ろ姿を覗くグーハイ様。
帰ってきて早々にお父さんに「グーハイは?」と聞かれますがノーコメント。外に立っているグーハイを見たお父さんは、また何かケンカしたのかと思いバイロインに説教しようとします。「だってあいつが入りたくないって言うんだ」「いいから呼んできなさい」「行かない」「じゃあ俺がいく」「父さんも行かないでよ!」って言うやり取りを経て、完全に分が悪くなるバイロイン。お父さんを追いかけていくと案の定グーハイ様は「お前が立ってろって言ったんじゃん」とか言うので、あーハイハイ分かりました!ずっと立ってろ!とお父さんと共に中へ引っ込みます。
気付けば外は暗くなり、まだ勝手に外に立ってるグーハイ様。バイロインが迎えにきて「あとどれくらい立っとくつもりだよ。入るぞ」と言われてようやく中に入る。
部屋の中に入ってきたグーハイに充電式のカイロを渡すバイロインさん……出来た嫁……そしてグーハイは「いらないなら寄越せ」と手を伸ばすバイロインの手がなぜか冷たいことに気づきます。グーハイが外に立ってるせいでお父さんにずっと睨まれてたので部屋に入れなかったと言う。かわいそうに。さすがに悪いと思ったのかグーハイ様がカイロを渡そうとしますが「いいよ」と言われてしまいます。どうか嫁には優しくしてあげて欲しいところです。

そして、何だかんだで一緒に寝る二人。グーハイはバイロインの足が怪我している事に気づきます。「昼間ロバに蹴られた」というやや衝撃の理由ですが、そんなことよりもその足の怪我にキスしようとするグーハイ様。「何すんだよ!父さんが外にいるだろ!?」というバイロインに「構わないね。俺はキスしたい。じゃないと気が済まない」と言ってまたキスしようとする。「冗談だって!痛くないから。普段もよくぶつけるし、大丈夫」とどうにか落ち着かせたいバイロイン。
なんだか変な感じになってしまい目を泳がせるバイロインを見たグーハイは「……俺が悪いよな。お前の友達にあんな態度はとるべきじゃなかった。でも、俺は自分の気持ちをコントロールできない。不安でしょうがないんだ。もしお前が確実な返事をくれたらこんなことしない」と告白の答えをもらおうと試みます。
バイロインは「お前……どんだけ安心したいんだよ。毎日タダで俺の家住んでるくせに?」(超意訳:だから、俺もちゃんとお前のこと好きだって何度伝えたら分かるんだよ)と言って布団を被る。そんなバイロインに「俺が何が欲しいか分かってるだろ?」と言いながら覆いかぶさってくるグーハイ様。この時キスされるんだけど、バイロインの中のせめぎ合いが出てていいシーンでした。これは多分本能ではキスしたいのと、理性では外にお父さんがいるのとでちょっと反応が鈍っている。場所も何も関係なくガンガン求めてくるグーハイ様に困惑しつつ耳真っ赤なバイロインちゃん。本当にお疲れさま。心が大変だよね。
「こんなことで安心感が欲しいなら教えてやる。一生得られないから」(超意訳:俺だってしたいけど我慢してんだよ)というバイロインに、余裕のないグーハイ様は「インズ、誤解してる。俺はこんなことのために一緒にいたいんじゃない。俺も普通の男だし、やりたいだけなら女とすればいい」とかいう。女とすればいいって言われた時のバイロインに注目したい。は?何でそうなるんだよ?!俺はしたいけど!?っていう顔で笑う。急に女の話しないでほしいよね。
「俺はお前のことが好きだからコントロールできないんだ。心の中ではめちゃくちゃ綺麗だと思ってる。お前に触れることすら怖いくらい」と、急に死ぬほど甘く口説いてくるグーハイ様に、たまらず「グーハイ、俺たち男同士だろ。お前とできることはここまでだ」(超意訳:お前がいつもみたいに強引に連れ出してくれよ)と言い返すバイロイン……エ……エモ………。
グーハイは「じゃあ教えて。俺のこと好きなのかどうか」。そこでバイロインは「男同士でそんなこと言って、おかしいと思わないのか」って言うのがすごくヤバいですよね。バイロインの中のジレンマが。そして正直、あんな監禁未遂とか、自分が肝炎かもしれないって言っても聞かずに無理矢理イかされて、それで今更好きかどうかなんて聞く?何なんだ?俺はここまで許してるのに何で聞く??好き以外にあるか?って感じもあります。
グーハイ様はそっとバイロインに触れながら「おかしくても聞くんだよ。俺のこと好きか、嫌いなのか。少しも心は動かない?」と健気に聞く。とにかくバイロインの口から聞きたいという強い意志。「認めたって損しないよ」というグーハイに観念したバイロインさんはついに「……知ってるのに聞くんだ」と言ってくれます。これはデレの致死量スレスレ。超嬉しいグーハイ様。おめでとうございます。

翌朝、バイロインの家にヤンモンちゃんがやってくる。あの朝が苦手なバイロインが飛び起きて「早く服着ろ!あいつのこと困らせるなよ」と言ってグーハイを起こします。安心感は得たので「分かってる」とは言いつつもヤンモンちゃんに不機嫌丸出し。朝から気まずさがすごい3人。
ヤンモンちゃんに「お前らずっと一緒住んでんの?」と聞かれる。「もうすぐ2ヶ月」「人と一緒に寝るの嫌いだったじゃん!」「行くとこないからしょうがないだろ?」「あいつが、あの少将の息子?あいつのお母さんがお前のお父さんと結婚するの?」と急な質問。バイロインが自分の母親とあいつの父親に決まってんだろと言うと、何で一緒に住むの?それじゃ道理が合わないと急に尤もなこと言う名探偵ヤンモンちゃん。お互いそれぞれ父親、母親と合わないからこうなったというバイロインに「はあ………?」ってなるヤンモンちゃん。正解の反応です。

アランの散歩をする二人。すると途中でバイロインのお父さんとおばさんが話しているところに出くわします。グーハイは徐に「日を見て式をあげよう」なんていうわけです。何言ってんだというバイロインに対し、「俺は二人に代わって焦ってんだよ。二人の生活が始まればお前が邪魔になる。そしたら俺の家に戻って暮らせるだろ?幸せじゃん」とグーハイは言うのです。そんな簡単に幸せって言いますけども、二人の生活の邪魔になると言われた時のバイロインの気持ちよ。すごく寂しい。
バイロインはアランを引いてスタスタと歩いて行ってしまう。

夜、バイロインはお父さんに「結婚しろ」と言います。
お父さんは今結婚するのは相応しくないと言う。そして、十何年間も一緒にこの生活を送ってきて、今になってバイロインのことを放り出すわけにはいかないというお父さんに、バイロインは「十何年も世話になったんだから、父さんにはもう新しい生活が必要だよ」と言ってあげる。
お父さんはバイロインの気持ちを汲み取るように「父さんが一生一番愛してるのは、ずっとお前だよ」というのです。息子が感じている寂しさをわからないはずがない。自分がバイロインにとってたった一人の親であり、バイロインが遠慮なくわがままを言えて、甘えられる本当に数少ない相手なんだとお父さんはしっかり分かっている。
バイロインは「変なこと言わないでよ。正直、父さんには飽きたよ。もし父さんが結婚したら俺も自由になれる」と強がるんです。本当は、バイロインの方が「お父さんのことを早く自由にしてあげなきゃいけない」って思ってたのかなと思うとめちゃくちゃ切なかった。

ささやかながらも賑やかに行われた結婚式。
おばさんの息子にパパと呼ばれて喜んでいるお父さんを、少し離れたところから見ているバイロイン。切ない。別に父親と縁が切れるわけではないんだけど、今までは自分だけのお父さんだったのに、急に誰かのお父さんになってしまう。もう今までみたいに文句言ったりわがまま言ったりできなくなるわけです。
十何年間もの間、母親がいない中で洗濯物は下水に落としちゃうし、料理もうまいとは言えない、そんな不器用なお父さんが、精一杯惜しげなくバイロインを愛してくれていたんですよね。バイロイン自身もそれをわかっていて、今まで苦労した分だけ幸せになってほしいと思っている。でも本当はすっごく寂しい。これから先、自分は誰を頼っていけばいいんだろうって思っちゃうよな………というところで終わり。

前回同様に今回もエモに次ぐエモな回でした。母親がいなくなってから愛されることを諦めてしまいそうだったバイロインに愛を注ぎつづけていたお父さんが、おばさんと結婚することによって一つの区切りを迎える。
そして前回の、事後にベッドの中でグーハイがバイロインに言ったセリフ「俺は、お前のことを大切にする。お前が十何年間受けられなかった愛を全部補ってやるんだ」っていう部分を思い出してハッとした。グーハイはバイロインという人間が深く愛されるべき存在であることを自分だけでバイロイン自身に証明しようとする。きっとグーハイがぶつけようとしている普通の人だったら気が狂いそうになるほどの愛でないと、バイロインの心を満たすことができないのかもしれないなと思いました。はあ……壮大だ…………ということでまた次回!あと残り2回となりました!今回もお付き合いいただきありがとうございました。

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