日本BLドラマ「インディゴの気分」第4話を本気で見た
今回の副題は「愛するということ」突然の命題。
冒頭からさっそく城戸が元カノとよりを戻している件。
彼女がうっとりと「幸せになろうね」と言うものの、城戸は浮かない表情……そして何かを振り切るように彼女を抱き込む……ハイしんどい……。
蒲生田先生の家に呼ばれ、テーブルには寿司、天ぷら、鍋という豪勢なラインナップ。もうすっかり先生に可愛がられてる木島。マジ老若男女を狂わせるな……この男……。
城戸が上がった原稿を手に「お前のかよ……てっきり先生が書き終えたかと」とがっかり。木島はたかが一本書き上げたくらいで大袈裟だと先生に言うと「めでてぇじゃねえか、お前にとっちゃあポルノとしては処女作だろう」もはや孫みたいな勢い。
「お前も一緒に祝ってやれ、城戸」と次々酒を注がれて飲む城戸ですが、初対面では考えられないほど和気あいあいとしている二人を横目に面白くない顔。
「(木島とまともに顔を合わせるのは、あの夜以来だった……)」
あの夜のことを思い出してしまう城戸に、蒲生田先生は「これな、俺が帯を書いてやろうと思うんだがどうだ?」「ええ……」「挿絵は松本さんに頼もう。売れっ子で忙しいかもしれないけど俺の頼みなら断らねえだろ。なあ?」「編集会議にかけてみます」
木島は蒲生田先生を気遣い、体の調子が優れない時の野菜ジュースを取りに行ってあげる。
「理生がいてくれて、正直助かってる。気は利くし、若いのに妙にジジくさいところがあってな、話が合う。最初は野郎の弟子なんているかよと思ったんだけど、あいつが女だったらこましたくてうずうずしてたろうから、ちょうどよかったよ」
蒲生田先生の、木島に対する超絶高評価にとりあえず笑っとくしかない城戸。
戻ってきた木島「何話してたんですか」「お前の事さ」「はい?」「お前が女だったら愛人にしてたってな」「何ですか、それ……勘弁してください。僕にだって選ぶ権利はあります」「……だな」
顔を見合わせて笑い合う二人。軽口も叩けるようになってる。これはもうリアル孫の域。そんな二人を見た城戸の表情……この人、もしかして何か疑ってるね……?!?
そこで、先生は木島の名前を改めることを思いつく。木島理生じゃ優しすぎる。もっとごつくて色っぽい感じがいい、と「鬼島蓮二郎」はどうだと提案。
城戸「鬼……」木島「どうかな、城戸くん(どうにかしてのオーラ)」
城戸はひきつりながら「はっ!?……まぁそういうのも、追々……考えないとですねえ、ハハハ」
ひとまず話を流そうとする二人に、蒲生田先生は「おいおい、名前ってのは大事なんだぞ」とたしなめます。そして占い師に考えさせよう、と立ち上がり電話をしようとしたところで倒れてしまう。
苦しむ先生に寄り添う木島を見てる城戸の顔と、あの風で戸がカタカタ揺れる感じなんかとってもホラー作品っぽくて不穏さ煽りまくり。
蒲生田先生を部屋まで運び、出てきたところで城戸に捕まる。こっち、とだけ言って木島を引っ張っていく。真っ暗な部屋に二人きりで、おもむろにネクタイを外す城戸。
それでがっと木島にキスをするわけですが、いや城戸……まさか君……一人前に嫉妬を……?
屈服させて自分の征服欲を満たしてくれる相手だと思っていた木島が、すっかりあの曲者の蒲生田先生に孫どころか、愛人のようにかわいがられてるとなれば、まあ面白くないのは分かる。あの大学時代、誰にも懐かなかった木島からは考えられない。自分がまきこんだとは言え、蒲生田先生と木島がここまでうまく行くとは思っていなかった。城戸からすれば予想外の事態なわけですよね。
それでキスしながら「あの気難しい爺さんを良く手なずけたもんだな」なんて言っちゃったりして「なあ、こういうことしてんじゃねえの?」と蒲生田先生と木島の関係をガッツリ疑う。まさかあの夜からずっと城戸との「明日」に備えていたとはつゆ知らず……。
木島が「ばか言え、僕は、純粋に先生を尊敬して……」と反論し、動きをゆるめる城戸を見計らってか「でも君の事考えてあそこいじってた……」とぶっとびカミングアウト。
いや……木島……それ自分から言っちゃう?あ……さては待ってたな?城戸を待ってたんだな?!?!?って感じだったんですけど、ここの二人の矢印の縺れ方がヤバすぎる。
「マジかよ……」「ねえ、もうだいぶ広がったよ」
もうポルノからは外れてお堅い出版社に異動が決まりそうで、親からも認められて元カノとよりを戻し、結婚も見えてきた。ここが城戸の決め時というか、ただでさえ一度破局して追い出されているので、絶対に間違えられないポイントなのに木島に翻弄されてしまう哀れさったらないね……。
まあ言うて私は女だし、男の人の心理が分からないところもあるけど、なんかその、頭ではいけないとブレーキをかけられる理性とは対極にあって、でも、誰の心に存在している自分の欲求を満たすものと出会ってしまった男の末路みたいな。だからちょっと私は城戸を責めきれない部分もあるんですよね。城戸も木島もかわいそうな男……。
そして二人はなだれ込んで、木島と行為に及びながら城戸は「(自分でも最低だと思う。俺はその時彼女の事を考えていた)」
なんて分かりやすい板挟み……も~~みんなの情緒が不安定。そして行為の途中に廊下で木島を呼ぶ声がする。
とんだ緊急事態だと思い、部屋に向かうと蒲生田先生が血を吐いて倒れている。大焦りで救急車を呼び、病院に入院することになります。
木島は献身的に病院へと通っている一方で、城戸は蒲生田先生の原稿があがるのか気が気ではない。
木島が病室で筆を走らせる蒲生田先生に「あまり無理をなさらないでください」と言うと今日はわりと気分が良いと返す。「ほんと、言うこと聞かないんですから」とびっくりするくらいの愛人力をみせてくる木島。
いやあの……もしかしてあなたの中に壇蜜か橋本マナミが棲んでるんですか……?急激にプロだな……?
「理生、ちょっと話がある。お前ここまで俺に付き合わなくたっていいんだぜ。言ってみりゃあ赤の他人だし、義理があるわけでもねえじゃねえか」
「……ご迷惑ですか」「これから先、俺は悪くなる一方だと思う。病人に付き合うってのは、思った以上にしんどいぞ。まあ長い付き合いじゃなかったかもしれない。けど、お前にとっちゃ俺のかわいい弟子だよ。しなくていい苦労はさせたくない」なんと良い師匠だ……そりゃ慕う……。
「多分、僕のエゴなんです。僕は父を病気で亡くしていますが、勘当された意地で死に際に一切かかわりませんでした。だから、先生を看病することで罪滅ぼしをしているつもりになってるんでしょう……」
ここで2話の木島の話とつながる。あの城戸の下衆な推察とは裏腹に、蒲生田先生に父親を投影し、父親にしてあげたかったことを先生にしてあげていた部分もあったのかもしれない。
「先生が負担に思われることはありません。これは、僕のためですから。……僕はまだ、先生に教わりたいことがたくさんあるんです」
そう言った木島にありがとうと繰り返す蒲生田先生もなかなかグッとくる感じでした。
短い期間でもいい師弟関係だなあと思いました。師匠と弟子とは言っても赤の他人で、しかし時に愛人のようであり、親子のようでもある。ポルノ小説で結ばれたなんとも奇妙でありながら愛のある関係。世の中いろんな形の愛があるよね……。
木島が単行本の打ち合わせで城戸の出版社までやってくる。久しぶりにビジュアルの話しちゃうけど改めて顔が本当にいいな。このエロい眼鏡どこの??さて、ペンネームはどうするか、という話にちょっと考えるという木島。
そんなところにやってきたハイテンション水谷社長。すぐ名刺が出てこないところがまたヤバキャラ。先生のいらないことまでベラベラと喋り、ついでに城戸が担当ではないということまで喋っちゃう。この空気の読めなさがまた絶妙でさ……いるいる、こういう人……。
そんな担当の話なんて聞いたことなかった木島は「どういうことですか?」と問う。
社長「あれ、お前言ってないの?あ~もうだめじゃん!こいつがね、蒲生田先生の遺作の出版権取ってこれたらうちの系列会社に転職させてやるって約束してたんですよ」
木島「ここ辞めるの?」
社長「ほら、こいつ結婚反対されて気の毒だったでしょ?うちはさあ、上品な方たちに嫌がられるようなものたくさん作ってるから!ハハハ!」
木島「彼女……」
罪悪感からか何も言えない城戸。この、一人の人間がボロボロに綻んでいくスピードの早さがやばすぎて怖かった……。
社長が出て行ったあと、責めるように城戸を見つめる木島。ここもめっちゃ顔が良い……目が綺麗……同じ三白眼でこうも違うか……。
そして城戸に言い放った言葉は「君は最低だ」。
自分でも最低なのは分かってたけど、木島に言われたのは心臓えぐられるようなショックだったなと思うわけです。
身を固めたいと思って彼女との結婚をするにしても、自分の欲求を満たす木島と歪な関係を続けるにしても、城戸の気持ちはどっちにも振り切ることができずにいる。
だって木島と寝た時には彼女の顔が思い浮かんでて、でも木島と心を通わせて仲良さそうにする蒲生田先生にまで嫉妬してしまったりして、どっちの世界にも飛び込んでいけないっていう八方塞がりなわけですよね………。
自分の好きな事を胸張ってやっていけたら一番いいけど、外と関わり合う以上は世間体が付き纏う。何言われたって突き通せばいい!とはいいますけど、やっぱり自信なくすこともあります。
ほ~~~んと人生ってままならないよね~~~!!!!城戸は確かに木島を騙して弄んでた悪いやつかもしれないけど、一番人間らしくて憎めない男だなと思います。
ってところで4話が終わり。
いつの間にか折り返しまして、最終回に向けてガンガン佳境に差し掛かっております。何度見ても超面白くないですか?人間の揺らぎが超面白い。
地上波版でこれだけ濃いんだから、カットしてないやつはどんなもんなんだろ?と思った方はぜひFODに登録、もしくはブルーレイで見てください。登録してから買っても全然後悔しないです。フジテレビありがとう。
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