日本BLドラマ「インディゴの気分」第2話を本気で見た

2年前のブログから引っ張ってきて読み返すと恥ずかしさがありました。
普段からまぁ自分の文を読み返さない書き逃げオタクだったんですけど、とりあえず読み返しました。安定のノリと勢い。ファーストフィーリング大事。

インディゴの気分、第2話の副題は「忘却の時を求めて」。

冒頭。なんか訳アリっぽい男女が、二人とも勢いよく脱いで裸でガッと抱き合っている。
こちらはお察しの通り、木島が書いた小説の一節であって読んでいる城戸の頭の中で上映されてるシーンであります。

ものすごい険しい顔した城戸が煙草をくわえながら読んでいると、5行で濡れ場が終わる。
「……えっ」「どうかな」「えっ、終わり!?」「うん」
ややドヤ顔の木島に対し「お前さ、これで抜けると思うか?」と聞いてみると「いやあ、これではちょっと」「じゃダメだろ!」
1話の時から思ってたけど、城戸はツッコミの素質があるよね。好きです。
つれない城戸のコメントに秒で不貞腐れる木島。この時の顔がまあ恐ろしく可愛い……色気と可憐が共存する顔面……。
そんな不貞腐れ木島に気付くやいなや、秒で「いや、その、筋は悪くない。文章はさすがにうまいよ」というフォローする城戸。これは爆モテの気配。まさか片方が名前を憶えてなかったとは思えぬ見事なコンビネーション。

「ただ、二人が絡むまでが長すぎる。ラスト10ページでやっとヤりはじめてほっとしたぜ」「しょうがないだろ、静子はそんな尻軽じゃないんだ」
ここの木島の煙草の吸い方が超エロかわ。エロかわとかどう考えても死語だけどそれしか形容しようがないので許してほしい。この顔面がそうさせるので。
「なら、メイドを尻軽にして濡れ場を追加しろ」「なるほど」
なるほど、っていう言い方が全然真剣に聞いてない風なのが可愛いですよね。そんな顔して木島、城戸の言葉めっちゃ気にするタイプでしょ???どう考えても??
「あと、濡れ場の描写があっさりしすぎ。やっと始まったと思ったら5行で終わってるぞ」「……そんなに書くことある?」
なんかストーリーに没入できないので私としても割愛したいところではあるんですけど、顔面も声もすごくないですか?こんな庇護欲掻き立ててくることある……?

「書くんだよ。歌ならサビだぞ」「むずかしいなあ……」
「お前さ、俺が勧めたヤツちゃんと読んだか?」「読んだけど、正直ちょっとキツかったよ。性描写の箇条書きって感じでさ……あ、でもいくつか好きなのあったよ」
そうして木島は本の山から一冊を取り出す。「特にこの人。初めて官能小説の面白さに触れた気がした。ゾクゾクしたよ」
すると城戸は納得と言った様子で「その先生は特別だ。大御所だからな」
「道具だなんて言ったのは傲慢だったかもね。それだけじゃない気がする」

ここまでに木島の性格の脆さ?危うさ?チョロさ?みたいなものが、ちらちらと見えるのが大変好きです。言い回しにしても何にしても、捻くれてるようだけど素直で、変な意味ではなく幼女のような純真なところも死んでいない。魅力的なはずである。
「とにかく、改善点としてはエロとストーリーの配分と、濡れ場の描写のディテールだ」「うん、頑張ってみる」
……ここまでで約3分半、情報量が多すぎ問題……。

出版社で仕事をする城戸に「今日から蒲生田先生の担当な」と、あの木島が気に入った小説を書く大御所の担当を任されることになります。
「先生の遺作、取って来い」「いやいや、まだご存命ですよね」「本人が言ってんだ。次の本が俺の遺作だって」
「でも、先生の遺作なんて大手も狙ってますよね」「うちは先生と一番付き合いが古いし、望みがないわけじゃないだろ。絶対説得してこい」
突然とんでもない大仕事を任されてしまった城戸は、さっそく蒲生田先生の家に馳せ参じることに。
どこからどう見ても大御所に恐縮しまくる城戸「先生、本日はお時間いただきありがとうございます」と頭を下げる。
先生は城戸を見て「ああ、あんた確か一遍、麻雀やったよなあ……桃水の須藤とかと」「はい、その節は……先生、お加減の方は……」

「いい訳があるかよ。うまいもんは食えないし、女は抱けないし。もうさっさとくたばりたいんだがよ、あいにくここ(頭)はしっかりしてるし。まあ、最後に、自分が満足いくものを書いておきたくてなぁ……」
煙草をくわえた先生にマッチを擦って火を差し出す城戸ですが、マッチの箱を取られてしまう。一筋縄ではいかぬ大御所に早速かまされる。
「そういやさっき、あんたと入れ違いで、春潮のやつも来たぞ?」と、おそらくライバル大手の名前を出されてすっかり面食らう城戸……。

大御所にぶっかまされて疲弊して帰宅すると、ソファーで爆睡中の木島。
ここ!!!ここのカメラワーク超よくないですか?あえて中から撮らないで、向かいの家から見てるみたいな、外のベランダ越しなのめちゃくちゃ良くないですか?雰囲気の凝縮。
「た、だ、い、ま!」と木島を無理矢理起こす城戸。「んうう、遅かったねえ……」と、またもや甘えた声を出す……こんな人と一緒に住んだら気が狂いそう……私は1日で限界……。
「また随分飲んでんなぁ」「たまには城戸くんも一緒に飲もうよお」「いいご身分だぜまったく」「明日休みだろ」酔っぱらったしたっ足らずの口ぶり……。
するとテーブルに木島の父の一周忌を知らせるはがき。なんとその日にちが今日という衝撃。葬式に行ってないから行けないという木島。
「本なんて読んだらバカになる。父の口癖だよ」
ここの父親の口癖を言う時の口調がちょっとはっきり張るのも良いですよね。ここから空気が切り替わる感じ。

「父には年の離れた兄貴がいて、東京の大学に進学したんだけど学生運動にハマった挙句、捕まったりしてさ……随分迷惑被ったらしい。それ以来父は知を恐れたのさ。幼稚だろ。つまり、僕とは徹底的に気が合わなかったんだ。どんな賞をとっても、どんなに金を稼いでも、あの人は何の言葉も寄越さなかった。ひどいだろ?」やっぱ相当ナイーブだな……ピュア、そしてナイーブ……。

「つってもよ、さすがに親の葬式のくらい」「そうだね。死に顔くらい見ておくべきだったかも。でも、こんなていたらくじゃ合わせる顔もないけどね」そういって席を立ち、また酒を注ごうと台所に立つ木島「父の方が正しかったのかな。だって、確かに僕はバカだ」と呟くのです。

よく考えるというか、捻くれて考えると、本なんて読んだらバカになるって、ある意味では真理をつくところでもあるような気がしてくる。
本を読んで知るべきことだけを知る……という都合のいいことばかりではなく、知らなくていいことも知ることもあり、それを知ってしまったから苦しむこともあるのも事実……いや、でも私はやっぱり無知は罪かな!!尊敬するソクラテスのパイセンが言ってるので。

と言ったところで飲み過ぎて吐く木島。トイレで吐き、介抱してやる城戸によりかかって謝るわけです。死に顔を見ることのなかった父に。
ここで木島はさ……胃の中のみならず、自分の心に棲みついた闇までも全部城戸に吐き出すわけ……ここでもまた一気に距離が詰まる……。

次の日の朝。洗濯機が回るシーンの生活感すごい。
カーテンを開けられて無理矢理起こされる二日酔い全開の木島。テーブルの上に用意された朝食を見て「これ、君が?」と聞く。
定番のしじみの味噌汁なんか作っちゃってる城戸。よく冷蔵庫にしじみがありましたね。
「ありがとう」と素直に礼をいう木島、うしろめたさ丸出しで「あの、僕、なんかした?」と聞くと「俺のスーツをゲロまみれにした」と言われ、軽く項垂れる……。この人可愛い顔してるんだけどマジで酔い方のタチが悪いんすよね……身を滅ぼす系だから……。
「安心しろ、クリーニング代は請求しねえよ。ただし」「……ただし?」
「明日から禁酒な!一滴でも飲んだら絶交だぞ!」ヤ、ヤダ……絶交って……ピュアがここにもいるんですけど……?
「はい……」と、記憶がないがやらかしたことは事実なので城戸の言われたとおりにするしかない木島。

そして城戸は「今時なあ、無頼の作家なんて流行んねえんだよ。独りぼっちで死ぬだけだ。ちゃんと食って、ちゃんと寝て書け。ここで終わりたくねえんだろ」と諭す。なんていい担当なんだ。大出世させてほしい。
ちゃんと食って、ちゃんと寝て書くってすごい大事なことです。死んだら終わり。人間らしい生活の上に、質の良い創作があるよね。……なんか急にそれっぽいこと言っちゃった……。

城戸、会社でなにやら調子のいい声大きめの社長から声を掛けられる。「そういえばお前、女と別れて家追いだされたんだって?」
「親父が堅くて、エロ本とか作ってんのが気に入らないんすよ」「はあ~~なるほどなるほど!その子に未練とかないの?」
「ああ、ないことはないっすね。俺も身を固めなきゃ、とか考えますし」「じゃあ転職すれば?」「社長がいいます?!」
突然の漫才かと思いきや、同属の実用書などを出してる手堅い教伝社に口利きをしてくれるという。多分これの元ネタは祥伝社ですよね。遊び心。
「ただし、蒲生田先生の原稿取ってこれたらな。親父がさあ……いや、会長が期待してんだよ」という社長のセリフでこの出版社がどういうところなのかが分かる。会長は父、社長を息子。後継ぎ系。

そこで城戸は今よりも給料がよさそうだし、こんなチャンスは滅多にないとやる気を見せはじめたところで先生からの電話。タイミング。力が入り過ぎ。すると、電話の内容は城戸の桃水社ではなく春潮で進めると言う。これはヤバい。粘る城戸。しかし「桃水社で出す理由がない」と一蹴されてしまいます。ヤバイ。そこで目についたのが木島の本……おっと、まさか……。

帰宅すると激おこの木島「信じらんないよ!弟子になれって、勝手にそんな話するなんて……」そりゃあ怒る。怒っていい案件。
「咄嗟にそれしか思いつかなかったんだよ!頼むよ!あの蒲生田先生の最後の作品になるかもしれないんだ。お前も先生の作品、気に入ってただろ?お前にとっても絶対悪い話じゃないって!ほら、大先生から何か創作のヒントが貰えるかもしれないし!……俺、絶対この仕事取りたいんだ。俺の手で出したい本なんだ。お前だけが頼りなんだ」
木島の手を取り、懇願する城戸。
あーもう、これずっる~~~~~!!!ずるいですわ!!やり方がずるい!!!木島をタラシなうえに色気の化身だなとか思ったけど城戸もなかなかだな。木島の中のスイッチを的確に突いてくる。
なにせ木島にとって城戸は言うなれば命の恩人ですよ。つまりはOS-1なわけじゃないですか。そんなOS-1にそこまで言われたらやるしかないじゃん……私でもOS-1のためなら一肌くらい脱ぐ……。

ということで、城戸と共にやってきた蒲生田先生の家。
「先生、この度はありがとうございます」「急に呼びつけてわるかったな」
いそいそと気を遣う城戸に対し、立ったままで部屋を見回す木島の温度差。

弟子希望の、と紹介されて「木島理生と申します」とあいさつすると、蒲生田先生「はあ?てめえ、騙しやがったな?」「エッ」「何で男なんだよ」「エーッ!」城戸、知らないうちにやらかすの巻。
「いいか、リオって言ったら女じゃねえのか普通は」「いえ、そうはならないかと……」
先生はてっきり官能小説家希望の女性だと思い込み、どんなスケベな姉ちゃんが来るのかと期待していたのでした。そこにやってきた木島に激おこ。
「今更野郎の弟子なんてのはいらねえんだよ!気分悪いや、さっさと帰れ!」と、食い下がる城戸を追い出そうとする。すっかりコテンパンにやられた城戸に対し、急に腹をくくった木島が動く。

「先生、誤解があったようでお詫びします。残念ながら僕は男ですが、体は健康だし、頭もそれなりに回ります。なにより、僕はいま自分の創作に悩んでいて……先生のおそばで学ばせていただきたいのです。どうか僕に、先生のご執筆のお手伝いをさせていただけませんか」

あれだけ嫌がっていたはずの木島が、蒲生田先生に懇願する様子を見て驚く城戸。
「なんでも、やらせていただきますので、お願いします」と頭を下げる。
そこで蒲生田先生は「なんでもだな」と念を押す。ヤバイ。これはヤバいやつだぞ。
「それじゃあ、お前あいつのしゃぶれるか?」ここ、しっかり音が消されてて巧みな地上波対応を見ました。フジテレビの粋をこんな形で見ることになるとは。「は!?!?」一同驚愕。特に城戸。当然まさかそんなことになると思いませんので。
「なんでもするんだろ、できねえのか?」と詰める先生に、城戸は「いや、先生それは」と焦る。

「いかせられたら、俺の遺作はあいつのところで進めるとしよう」
ヤバイ……これは思った以上にヤバいとこに来たぞ……。そして先生は木島を試すように顔を近づけて手を伸ばし「お前、妙な色気があるな」と瞬時に見抜いて見せる。
「俺は、男の弟子なんてのは取る気はさらさらねえんだ。女の真似事くらいやってみせろ」

ここの画面の質感エグいのでぜひ高画質にしてみてください。色温度といい、ざらつきのある質感といい、全部がめちゃくちゃです。これがジャパニーズドラマ。どこの国で真似しても、きっとこの湿度は出せない。

突如として先生にしかけられた勝負に、木島は「やるよ」と返す。腹をくくった木島、振り返って城戸を見る。
「絶対取りたい仕事なんだろ。なんてことないだろ、これくらい」
木島の、絶対取りたい仕事なんだろは城戸に言ったとして、なんてことないだろは自分にも言ってるんじゃないかなと思いました。
いくら腹をくくったとはいえ、そこに葛藤がなかった訳ではないので……むしろ葛藤の塊……「自分を救ってくれた城戸のためなら、これくらいなんてことない」と最後に自分の中でアクセルをぐっと踏み込んだ瞬間だったりするのかもしれない。
腹をくくったというより、世間知らずで浮世離れした木島だからこの流れが成立するのかな。
「ウソだろ……」と動揺しまくりの城戸を見上げる木島「僕は構わない」。

で、2話が終わり。
ジェットコースターでいうと降りる直前みたいな回でございました。ここから一気にいきそうな予感しかしない。
我ながらいちいち木島の顔面に刺さりすぎだなと思いつつ、一話でうっすら分かるけど実はいろんな意味で城戸の内面とんでもないこじらせ方してるんじゃ……と気付きました。
木島の方が意外とまっすぐで、それがまた恐ろしいと言うか何というか。
とにかく面白くなってまいりました。

第3話に続く。

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