寄付や施しに頼らない路上生活自立応援ビジネス
皆さんは一度は以下のような光景を目にしたことはありませんか?
都内もしくは駅付近でこのように雑誌を手売りしている方を一度は見たことはないでしょうか。
この方達は路上生活者でビックイシューと提携し雑誌を手売りすることで、売上の一部をホームレスに還元するというビジネスモデルなのです。
今回は寄付や施しに頼らずにホームレスの自立を促すビックイシューのビジネスモデルについてご紹介していきたいと思います。
寄付や施しに頼らない珍しい支援ビジネス
通常、路上生活者を支援すると聞くと「炊き出し」「宿泊所の提供」「資金援助」と言った支援を思い浮かべる方も多いと思います。
しかし、これらの支援では根本である自立という点で解決には至りません。そこで、ビックイシューは「ホームレスを救う」ではなく「ビジネスの協力者」として仕事を与えることで根本的な解決を図ろうと動き出しました。
ビッグイシューのビジネスモデル
販売員は路上で生活している人、もしくは安定した自分の住まいを持っていない人が対象です。
定価450円の雑誌を販売員が路上で売り、1冊あたり230円が販売員の収入になります。
住まいを得ることで販売員としての仕事は終わりますが、必要に応じて販売を認めてもらえることがあります。
売上は14億円を突破し、多くの販売員が卒業!
このビジネスが始まる前、日本では100%失敗すると言われていました。
なぜなら
若者の活字離れ
雑誌の路上販売文化が根付いていない
フリーペーパー普及で有料では買う人がいない
ホームレスからそもそも買わない
といった課題が多くあったからです。
しかし、創刊18年間でビッグイシューと販売員はこの当たり前ではない常識に挑戦し、累計942万冊を販売、ホームレスの人には14億8,920万円の収入を提供することに成功しました。
これらの活動により、多くの路上生活者が家と仕事を手にしビッグイシューを卒業していきました。
1万8564人いた路上生活者が5534人へと7割減となり、ビックイシュー販売員も3割減るといった素晴らしい成果を上げることができました。
※2007年〜2017年のデータ
前例がないから失敗するは間違っている。
ビジネスの創設には前例が重要視されます。
前例がなければ成功する道筋や見込みがないため失敗すると判断づけられます。
しかし実際はどうでしょうか。
今回の「ビッグイシュー」のように、文化がないから失敗する。時代が進んだから失敗すると言われながらも10年間で14億円という巨額な収入を路上生活者に還元し、社会復帰を果たさせました。
前例がないから失敗するではなく、前例がないからこそ、成功のための道筋がたくさん隠れているが正しいのではないでしょうか?
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