見出し画像

お役所は年功序列

 自分の職場では、会話の中でその場にいない人を指すときに、「平成○○年の××さん」という言い方をする。年次でその人を特定するわけである。

 他の役所でも同じような呼び方をしているのかは、にわかにはわからないが、公務員の年功序列を表している言い方だと思う。年次を言えば、大体どの部署のどのポストについているかというのがある程度イメージできるからだ。

 日本の企業と言えば、終身雇用・年功序列というのがお決まりだったが、最近では実力重視という風潮もあるかと思う。スタートアップ企業なんかは特に典型的なのかもしれないが、彼らの場合は立ち上げメンバーの実力が大きいだろうから、創業からの経験年数がそのまま役職に結びついているケースも多いだろう。

 では、公務員でそうした実力主義による役職指定は可能なのかというと、なかなか難しい(と言われている)。個人的には、年次が上だから偉いといという考え方だけでも改めればいいのにとは思うが、ここだけは難しいようである。

 民間企業の場合は、自社はもちろん、取引先にも当然人事異動というのがあるだろうから、ある分野において同じ人が影響力を持ち続けるということはあまりないのかもしれない。一方、公務員のカウンターパートたる議員の場合は、当選回数10数回、長年地元のために力を尽くしてきており、影響力も大きい、という人も少なくない。

 そうなると、影響力の大きい相手方と付き合いが長い方が、何かと仕事を進めやすくなるから、年次が重視される、ということである。

 また、プレーヤーとマネージャーの役割の違いということもあるだろう。やはりマネージャーには一定の職務経験がないと、どのようにマネジメントすればいいかわからないといった背景である(ここは民間企業でもおなじかもしれない)。

 ただ、海外の公務員はジョブ型配置の場合もことを考えると、必ずしも経験年数が最大の考慮要素でなければならないわけではないと、その可能性も見えてくる。ただし、ここにはその国の政権が安定的であるかどうかも関係しているようで、日本と一律には比較できないようである。

 またひとつ年を重ね、そんなことを考えるのであった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?