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国家公務員の働き方④

 ~国家公務員の働き方として正しいイメージを発信中~

③何事も組織として対応しなければならない
 政策一つをとっても、関係者が多く、内部で決裁を取るのに時間を要し、意思決定スピードが遅いという意見がある。個人の名では仕事をすることができず、常に組織としての見解が求められるため、慎重に仕事を進めることを強いられるということのようだ。

 しかし、組織として対応するからこそできることも多いと思う。自分の取り組みに対して、組織内から色々な観点でフィードバックをもらえるし、それを通じて実態に即した政策ができあがっていく。

 また、少なくともプレーヤーでいる間は、外部からの責任追及を受けることなく、存分に自分の腕を試すことができる。「組織」という傘に守られながら、その中でトライ・アンド・エラーのサイクルを回せるのだ。

 組織として動かなければならないことに関するもう少し踏み込んだ懸念点として、不祥事が発生したときに、その対応に巻き込まれてしまう、ということもあるようだ。自分が悪いわけではないのに振り回されてしまうのが非生産的に感じるのだろう。

 ここでいう不祥事というのは、国家公務員法やその他国家公務員が遵守すべき手続法などに抵触する行動を想定しているが、もちろんそれが違法だと知りつつやってしまったことなら同情の余地はないものの、グレーな事案もある。その時には、直ちに孤立するということはなく、周囲からのサポートを受けつつ状況改善への取組を進められるとも言える。

 ただ、不祥事というのはそうそう起きることではないし、基本的には起きないようにするのが大事である。また、起こったとしても対応が迫られる部署に自分がいるとは限らない。加えて、民間企業であっても、トップの不祥事に対応している事務方というのは必ずいるものである。

 これが、自分の組織内ではなく、例えば関係業界で起こったことであれば話は全く変わってくる。それはまさに業界を監督すべき立場として対応すべきなのであり、業所管の省庁であれば新たな規制などの政策立案の端緒ともなりうる。

 組織が巨大だから身動きしづらいということがネックになっているのであれば、それ自体は変えていく必要がある。そしてそれはまさに、これからを担う若手の発想が求められる点だと思う。
 従来のやり方を打破して時代に即したものに変えていくのはやりがいがあると思うし、また、それは民間企業で活躍しようと思えば同じように求められるため力なのではないだろうか。

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