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情報収集と判断推理①

 国家公務員の夏はアツい。人事異動があるからだ。
 一般的には年度の変わり目で異動することが多いのではないかと思うが、国家公務員においては、特に幹部は国会が閉会するまで持ち場を離れるわけにはいかないので、閉会後の7月に大規模な異動が行われる。

 公務員の場合、多くの人は2年おきに異動時期が訪れる。早い人では1年で異動する場合もある。これは民間企業に比べると早いスパンのようで、経験する部署も多いということだ。その理由としては、ゼネラリスト育成や関係業界との癒着防止がよく言われる。

  「異動のたびに全く違う仕事をすることになれば、一から勉強しなおさないといけないから大変ではないか?」と聞かれることもあるが、確かにたいへんではあるものの、毎日その分野にどっぷりと漬かっていれば、そのうち自然と必要な知識は身についてくる。初めから網羅的な知識を習得する必要はなく、その場その場で調べた断片的な知識が、一つにまとまってくる感覚だ。

 それよりも大変なのは、その分野を取り巻く潮流がどのようになっているかを抑えることだ。すなわち、直近のトレンドはどうなっているか、その分野で力を持っている人物・企業は誰かなど、施策を推進するにあたってキーポイントとなるステークホルダーの関係性、いわば相関図を把握するということである。
 これが大変なのは、このポイントを外すと致命的になるにもかかわらず、その時々によって変化する場合があり、しかも本などには書かれていないため地道に情報収集するしかない、という点にある。

 この相関図を把握する過程は、さながら公務員試験の判断推理・数的処理のようである。すなわち、いくつかの個別の情報から全体として言えることを探っていくということである。

 ただ、公務員試験での判断推理は時間に対する分量が多すぎて、全問正解など到底不可能なように感じるのは自分だけだろうか。まずどの問題から手を付ければいいかを判断しなければならないのが、やっかいである。

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