【01Night】「なぜ、あなたの新規事業の社内提案が通らないのか」【イベントレポート】
皆様、こんにちは!ゼロワンブースター桑田と申します。普段は技術系や行政系の皆様の新規事業支援を行っております!
ゼロワンブースターは、「創造をルーティンに」をビジョンにアクセラレーターをメインに運営している会社です。
ゼロワンブースターでは、01Night と表して、オンライン配信を積極的に行っています!
前回は、エフェクチュエーションという考え方についてイベントのレポートがありました。記事はこちらです!
今回は、01Night 「なぜ、あなたの新規事業の社内提案が通らないのか」のイベントレポートを書いていきますので、宜しくお願い致します!
▼この記事はこんな方におすすめ
1.新規事業の実行と担当をしている方
2.経営企画など社内の事業のコントロールされている方
3.会社で新しいことをしたいが、課題を感じている方
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【内容】0→1Night from SAAI
ここ数年の経済の鈍化で、社内における新規事業への期待感が高まっています。他方で、新規事業を担当する方からはこんなお悩みをお聞きすることが多いでしょう。
・「新規事業の提案が通らない」
・「管理職をどう巻き込めばいいのかわからない」
・「どう伝えれば社内は動いてくれるのか?」
・「そもそも私の提案は会社でできるんだっけ?」
などなど、組織でやるからこそ難しい悩みがあるものです。
今回は社内新規事業支援にも取り組むゼロワンブースターが、上記のお悩みについて語り合います。
▼タイムスケジュール
12:00〜12:05 オープニング、SAAIの紹介
12:05〜12:25 テーマトーク(随時QA受付ながら)
12:25〜12:30 全体Q&Aコーナー
▼登壇者
・合田 ジョージ GEORGE GODA
コーポレートアクセラレーター・事業創造アクセラレータを運用すると共にアジアを中心とした国際的な事業創造プラットフォームとエコシステム構築を目指している。日本国内の行政や大学を含む、多数の講演やワークショップを実施。
・桑田 靖章 YASUAKI KUWATA
1998年、大阪大学大学院基礎工学研究科博士前期課程を修了後、大手OA機器メーカに入社。大手医療機器メーカを含め、研究開発から生まれた自社技術の商品化、新規事業の立ち上げに従事。自社の販売チャネルが無い市場への参入をはじめ、技術のQCDから販売まで広い視野で自社のビジネスを考える事業開発を経験(経験した製品カテゴリ:液晶ディスプレイ、半導体レーザ、体外診断薬、他)。転機を迎えている日本の製造業の活性化に係りたいという想いが強くなり、香港政府系機関に転じ、日本企業の海外進出、輸出入、ビジネスマッチングの支援に従事。2018年6月より01Boosterに参画し、大学研究技術の社会還元支援に従事。
・冨田 到 ITARU TOMITA
早稲田大学卒業後、スリーエムジャパン株式会社にてヘルスケア領域と製造業・工業系領域におけるB To C, B To B営業、既存・新規開拓営業、代理店営業、新製品(プロダクト・アウト)の市場開拓型のソリューション営業に従事。加えて、社外活動でNPO・NGOの営業・マーケティング支援を実施しており、ソーシャルビジネス系のスタートアップにもプロボノで参加。2020年より01Boosterに参画。
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(こんな感じで、有楽町SAAIというコワーキングから、ソーシャルディスタンスを取りながら、お伝えしております!)
0.社内提案が通らないという経験、お持ちですか?
今回の01Nightは“新規事業の社内提案が通らない”問題を取り上げて座談会をしました。
各社各様の事情があると思いつつ、これまでの自分自身の体験や支援した社内起業家のエピソードに基づく私見満載の45分となりました(30分の予定が15分延長!)。
今回は行き当たりばったりで、視聴されていた方は申し訳ありませんでした!
と思いつつ、今回話をしていて、そもそも新規事業って誰のため、何のためにするのかとか、自分を評価してもらうための提案だったりするのかな、とか、新規事業の社内提案って何だろうとすごく気になりました。
なので、そもそもの社内新規事業についてもう少し意味や期待とかを取り上げてみたいと思いました(聞きたい人がいないかも、ですが)。
座談会での話をざっくり整理すると下記のような話でした。
1.新規事業の社内提案が通らない原因
・ 反対する上層部や非協力的な部門は、自分たちのKPIに関係無い新規事業を応援するよりも、自分たちのKPI達成が評価されるので、新規事業を応援している場合ではない。
・ これまで自社の売上に貢献してきた事業や自分たちの事業から売上を奪われるような新規事業を通すわけにはいかない。
・ 提案を判断する側に提案内容を理解する知識や経験が無く、良いか悪いか判断できない。
・ 社内提案を判断する側(上層部、管理職、上司)の判断基準と提案内容が噛み合っていない。新規事業が将来の会社の事業とすべき事業であると受け取られない。
・ 単純に提言レベルになっていて、事業として考えられないレベルの提案になっている。まだ事業を始められる状況が整っていないのに、事業を始めようとしていると見られている。
・ 提案してから動くような場合、提案を実行するつもりなのか、覚悟が伝わらないので、提案を判断する側も覚悟ができない。
・ NPOやボランティアとしてやるべき事業になっている。社内外で応援する人が出てくるので良さそうだが、売上がイメージできないと社内新規事業として認めることは難しい。
・ 課題設定とソリューションが噛み合っていない。課題設定が間違っている、納得性が無い。
・ 提案の判断基準になるべきビジョンが社内に無い。
・ 自社でその事業をやることの有利な点、Unfair Advantageが不明確である。
私自身も、「こんな感じだよなぁ」、当時のことや相談を受けた時のことを想い出します。
まだまだたくさん原因として考えられるものはあるように思いますが、皆さんはいかがでしょうか?
もしよろしければコメントでもいただけますと嬉しいです。
他方で、社内に提案が通らない場合、どうすればよいか?というディスカッションについては次のようなものが出てきました。
2.社内提案が通らない場合の考え方と行動の仕方
・ 提案する側の問題なのか、提案を判断する側の問題なのかを分けて原因を探る。提案する側の問題であることが多い。
・ 社内提案を判断する側の判断基準を事前に理解しておく。
・ 提案する前に、自分でできる範囲で動いてみる。そして、結果も提示する。誰もやったことが無いなら、自分で小さくてもやってみること、できれば売ってみることが大事。
・ 提案を判断する側、特に経営者クラスになると客観的に良い判断をしていることも多いので、自分の提案内容の見方を経営者目線に上げる努力をする。3年10年で数億という事業ではなく、もっと飛びぬけて成長する自信と実行する覚悟を持てる提案にする。
・ どうしても実行したい提案であれば他社に移るか、自分の会社を始めることも考える。起業だけでなく、やりたい事業をやるために転職を繰り返している人もいる。やりたい事業ができる場所を探す。会社を辞めてでも実行したいのか、会社を辞めるオプションは真剣に考える。
・ ビジョンの共有から始めてみる。提案の判断基準をクリアにしていく。
・ 自社のUnfair Advantage、会社の強みを考える。
これも、「言うは易く行うは難し」、ですね。
どういう思考回路になるか、どういう行動ができるか。これはその当事者自身はもちろんですが、周りの環境にとても影響を受けます。
とはいえ、第三者からの言葉がヒントになったり、背中を押されたりすることが多々あります(もちろんあまりに自分ができることから離れていて聞く耳が持てないこともあると思いますが。私自身を振り返って)。
メンタリングやコーチングなどの価値が出る場面の一つです。
ゼロワンブースターでも、このように悩んでいる人々に壁打ちをしながら、背中を押すことがありますね。
3.新規事業を進めるチームについて
そして、社内で新規事業を行う際に、チームについての質問もたくさん来ましたので、その対策をご紹介してみます。
・ スキルというより、行動できる人、協調性がある人を揃っていると良い。イエスマンではなく、一緒に正しく新規事業立上げに行動できる人を集める。
・ 飛びぬけたタレントが必要なイメージがあるかもしれないが、一人では事業ができない。フォロワーが必ず新規事業には必要なので、チームメンバーを集めることは大事。
・ 強烈な指示が出せる人がマネージメントするとか、裏方でチームメンバーを繋いで協調させる役割ができる人もいるので、そういう人をメンバーに入れると、協調性がある人ばかりを集めなくても良い。
スーパーマンのような人でも1人でできること、時間は量を考えると意外と少ないですよね。
困っている人を全力で助けることができる人もそんなに多くないと思います。
チームをいかに作れば良いのか、起業家支援のプログラムで、そして私自身の経験からも大きな課題の一つです。
4.人と企業はどこで間違えるのか?
最後に、社内新規事業をかつてやっていたときのことを振り返った時に、1冊の本を思い出しました。
内容紹介
ビル・ゲイツとウォーレン・バフェットがともに最高のビジネス書と絶賛した知られざる古典。フォード、GE、ゼロックスなどの経営者たち、ウォール街のブローカー、引退後のビジネスマンなどの10の物語を通して、彼らがその人生やビジネスにおいて「どこで間違えたのか(あるいは間違えなかったのか)」を明らかにする。
著者:ブルックス,ジョンについて
1920年生まれ。1993年没。雑誌「The New Yorker」で金融関係を専門とする記者として長年勤務したほか、フィクション・ノンフィクションの両分野で多くの著書を残した。特に本書の原著『Business Adventures』など数冊は古典として高く評価されている。『マネー・ボール』や『世紀の空売り』などのベストセラーで知られるマイケル・ルイスは「ブルックスは間違った認識をするときでさえ、少なくとも面白い間違い方をする」と評し、影響を受けた作家だと称賛している。
新規事業の試行錯誤にも繋がりますが、色々なビジネスの分岐点を描いている本です。
「発明家のコピー技術に社運を賭けたゼロックスと見送ったコダック(+他の企業)」の事例など…。
人間って、”うまく立ち回ろうとしがち”ですが、それをやっても結局は、起業もそうですが、こうやったら失敗しない、とかそういうものはないんですよね。
誰かがいい答えを知ってるなんてことはないんだなぁと。
失敗エピソードが詳細に描いてあって、結果的にみたら”正しい”と思っての行動が間違いを生み出しちゃうこともあります。
不正に手を染めちゃう、とかも許されることではないですが、事情があってのことだったり、会社の文化があってのことで、誰も責められないこともありますよね。
社内提案に限らず客観的に正しい判断を当事者がするのは難しいなぁ、という感じですが、私はそのような状況の方々もぜひ応援したいと思います。
ご案内
以上で、「なぜ、あなたの新規事業の社内提案が通らないのか」の01nightのレポートを終わります。
日本の会社の皆様、非常に新規事業開発で、組織や個々人で悩んでいらっしゃることを改めて痛感しました。
我々ゼロワンブースターとしても、企業に関わらず皆様の新規事業のサポートを通して、日本が「事業創造をルーティンに」なることを目指しています。
今後のイベントはこちらから、案内を御覧ください。
引き続き宜しくお願い致します。
ゼロワンブースターへのお問い合わせは、こちらのフォームからもしていただけますので、ご興味がございましたら、どうぞ宜しくお願い致します。
また、株式会社ゼロワンブースターでは、採用活動を積極的に行っています!
事業創造に興味がある方、ぜひ、お気軽にお問い合わせ下さい!
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