あなたは透明造花を誰に贈りたいか
こんにちは!
今回はおいしくるメロンパン2nd single「透明造花」について投稿していこうかなと思います。
https://youtu.be/POR0D6EzznY
いつものごとく考察なんてものではなく、あくまで私が勝手に「そうならいいなあ~~~」って考えていることです!笑
きっとみなさんと違う部分もあるかと思いますが、そう捉える人もいるんだな〜程度に温かく読んでくださるとうれしいです( ˊᵕˋ )
その前に、
私この曲のイントロすごい好きで、「じゃーーーん」の音から入ることによる「違和感」が本当に好きなんです。
このあとのドラムシンバル4つ鳴らすとこから入ったらベターな感じだったかなと素人は思うのです、
が、この「じゃーーーーん」をあえて入れることによる「始めるけど準備いい?ついてきてよ?」感がすっっっっごい好きです。
それではさっそく🌷
夏の模造品をあなたは幾つも持っていた
極めて風流な 日傘から覗く永遠や
今でも夢に見るのさ
ここでの「夏の模造品」とは、「あの夏を想起させる思い出」のことかなぁと思っています。
夏をぎゅっと模造品にしたようなそんな思い出が、「あなた」との間には幾つもあったんですね。
また「日傘から覗く永遠」、この日傘をもった人物はおそらく「あなた」かなと思います。
ちなみにここの「覗く永遠や」の部分、このあとに何か他の事例を挙げそうな接続詞で終わっていますよね。
Aや、Bや、Cなど…といった感じで。
このあとにつづいて挙げられるはずだった「夏の模造品」は、きっとこの曲を聴いたあなたにとっての「夏の模造品」で補完できるように「や」で終わっているのだろうかと解釈しています。
なので、あなたが今でも夢に見るような夏の思い出を、夏の模造品を、ここで思い起こしてみてください。
僕はもうどこにも居ないから
縋っちゃいけないよ
凛と咲いておくれ
ここで初めて直接的な歌詞が出てきます。
「僕はもうどこにも居ないから」、ただ単にこう言っているだけではなくて、なんだか諭しているような言い方に聞こえます。
僕はもうどこにも居ないんだから、どうか縋らないで、独りでも凛と咲いてくれ。
そんな思いが滲み出ているように感じます。
またこの歌詞から、この歌の主人公「僕」はもう「あなた」の傍には居られないということが分かりますね。
この視点を軸に続く歌詞を見ていきましょう。
陰謀を謳歌した 終わりなきその生命に
水滴のような解
それも偽りというなら
「陰謀を謳歌した」というフレーズ、すごく強烈じゃないですか?
おいしくるメロンパンって、こういう強烈に心に残るような歌詞を創るのがとっても上手いなぁと思います。
その言葉とその言葉を出会わせるのか、みたいな。ほんま毎度感嘆します。
軋む黄昏 靡く鉄(くろがね)
遍くすべてに本当なんてないね
水滴のような解でさえ偽りと言うならば、軋む黄昏、靡く鉄、この世のすべてに「本当」なんてない。
「軋む黄昏」「靡く鉄」、実はすごく面白い組み合わせなんです。
「軋む」とは、固いものと固いものが強く擦れあって音を出すことだそうです。
「黄昏」とはいわゆる夕暮れ時のことですが、どちらかというと柔らかい印象じゃないですか?印象論にしても現実的にも、黄昏が軋むことは有り得ません。
また「靡く鉄」に関しても、普通に考えれば鉄が靡くことなんてありませんよね。
ここ、本当は「軋む黄昏」「靡く鉄」ではなく、
「軋む鉄」「靡く黄昏」、逆の組み合わせだったんじゃないかなって思うんです。
言葉の組み合わせを逆にすれば、意味を通すことができるんですよね。
でも「遍くすべてに本当なんてない」ので、黄昏が軋んだって鉄が靡いたって関係ないんです。本当なんてないんだから。
逆に組み合わせちぐはぐな言葉にすることで「遍くすべてに本当なんてない」ことを表しているんじゃないかな、なんて思います。
遮るように翳した(かざした)掌に
掴ませる便箋
熱りのさった空を仰いだ
日焼けの跡だけがそこに残った
波のさらった砂に描く点線
おそらく太陽を遮るようにかざした掌に掴ませた「便箋」。
この便箋については、後ほどお話します。
ちなみに便箋を掴まされたこの人物は、「あなた」なんじゃないかな~と思っています。
私はあくまで「僕」目線の歌詞であると思っているので、「僕」は掴ませる側なんですよね。
また「熱りの去った」「日焼けの跡だけがそこに残った」の部分から、夏がもう終わりに近づいていることが分かります。
そして「砂に描く点線」は、きっと砂浜の上を歩いた足跡の隠喩かなと思っています。
砂浜の上を「あなた」が歩き、次の季節へ。
「あなた」にとっては「僕」が、
そして「僕」にとっては「あなた」がいない生活へ進んでいくのです。
夏のような
あなたのような
それは二度とこない季節 刻む
ここ、不思議な歌詞だなぁと思うんですよね。
「夏のような季節」、すごい違和感なんです。
わたしなら、例えば
「かき氷が溶けるような あなたのような それは二度と来ない季節」
とかにして、そんな季節=夏 というふうにすると思います。
でも「夏のような季節」だと、本来「季節」であるはずの「夏」が何かの比喩に使われているんです。
「二度と来ない季節」は、あくまで
「夏のような季節(is like summer)」なのであって「夏である(is summer)」のではない。
考えると分からなくなってきますね笑
例えば春に「夏みたいに暑いね〜」みたいな感じなら is like summerですね。
てことは、「二度と来ない季節」は夏ではない、ということになってしまうんです。
でも、「夏の模造品」を考えると季節は夏と考えても良いと思います。
そう思うと、主人公が今までの夏と「あなた」が思い起こさせる「夏」とを異なるものだと区別して認識しているんだなぁと捉えることができます。
それほど特別な、名前がつけられないような、ふたりにしか分からないような季節だったのだろうな〜とか。
僕はもうどこにも居ないから
泣いて笑ってよ 造り物の愛で
さよならあなたと凪ぐ街よ
遠く 遠くへ 滲む水平線へ
「造り物」はタイトルにある「造花」の「造」の漢字を使っていますね。
「造花」とは、本物の花に似せて作った人工の花のことです。
これを「造り物の愛」に当てはめると、「本物の愛に似せて作った人工の愛」。
つまり「偽物の愛」で泣いて笑ってよ、と言っているんですね。
「僕はもうどこにも居ないから、偽物の愛だということにして笑ってくれないか」。
これってすごく強烈な言葉ですよね。
僕たちの間にあるものは本物の愛に似せて作ったなにかだった、そういうことにしてしまわないか?と。
なんせ「遍くすべてに本当なんてない」ので、本物の愛なんてどこにもないのかもしれませんが…
少し自虐的にも聞こえる言葉ですが、「僕」なりの励ましなのかなと思いたいです。
きっと「あなた」なら笑ってくれるだろう、そんな思いを込めた軽口のような。
また「さよならあなたと凪ぐ街よ」の部分、この曲の中で私が1番好きな部分です。
あなたと凪ぐ街。
「凪ぐ」とは風が止んで波が穏やかになることを表しますが、あなたと過ごしたそんな日々に別れを告げます。
ここでMVを引っ張ってきたいのですが
この曲のMVはどこか懐かしく、ノスタルジーな世界観でつくられています。
なので私のイメージ的には「僕」が「あなたと凪ぐ街」を離れ、遠くへ上京してしまうようなイメージなんです。
なので「遮るように翳した掌に掴ませた便箋」は、主人公が「あなた」へ向けて送った手紙だと思っていたいなと考えています。
遠くへ行ってしまうから、せめて最後に伝えたいことを綴った手紙。
この曲は私にとっては、
「僕」が街を離れゆく車窓から、今頃便箋を受け取って読んでいるであろう「あなた」を思い浮かべながら海を眺めているような、
そんなイメージです。
だから、さようなら。
あなたと凪いだ街は、遠く、遠くへ、空と海が滲んで見えるように遠い水平線の彼方へ、どんどんと小さくなっていってしまう。
そして、この曲のタイトル「透明造花」についても綴っておきたいと思います。
これはまじのまじで考察とかじゃなく、本当にただのわたしの願望です!
私はこのタイトル、歌詞の「僕はもうどこにも居ない」ことと「透明」が重ねられていて、
「透明造花」は「僕」から「あなた」へ贈られたものであってほしいな、なんて思うんです。
明確に「もの」ではなくて、「概念」と言った方がいいかもしれません。
それに、造花って造り物にせよ、造り物だからこそ永遠に美しく咲き続けるものですよね。
そこには無いけれど、永遠にそこにある花。
そんな花が、もうどこにも居ない「僕」から凛と咲いて欲しい「あなた」へ贈られたとしたら、とっても素敵じゃないですか?
造り物の愛で笑ってくれと伝えた相手へ、
造り物だからこそ美しく咲き続ける花を。
どこにも居ない僕のように透明で、でも確実にそこに咲く花を。
私はそんな風な思いを胸に込めながら、この曲を聴いています。
「造り物」だからこそ価値があり美しいものもあると、そう思います。
以上が、おいしくるメロンパン「透明造花」について私が思っていることです!
透明造花、春に初めてラジオで聴いたときはなんて爽やかで、かつ苦しいメロディーなんだろうと思ったんです。
メロディーも歌詞もMVも、夏のすべてを思い起こさせるような。
この曲は私にとっての「夏の模造品」です。
長々と拙い文章にお付き合いいただき、本当にありがとうございました!( ; ; )
みなさんは透明造花、誰に贈りたいですか?
それでは。👋🏻
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