【崖の上のポニョ】おれも、そうすけ、すきー!
崖の上のポニョ、こないだ金ローで放映されていましたね。
ジブリ好きを名乗る21歳なのですが、なんとポニョをなんだかんだで観ないまま生きてきてしまっていました…ポニョエアプのくせにポニョかわいいよね〜とかほざいててごめんなさい。
それで観てみようと思ったんですけど、Twitterで繋がっただいすきな友達がスペースでいっしょに金ロー観てくれて、これがもうほんとにたのしくて。
あまりに彼女と観るポニョが楽しかったこと、そして「崖の上のポニョ」という作品が素敵な作品だったことに動かされ、こうして文章を書いています。
いっしょに観てくれてありがとう、ほんと涙出るくらい笑って楽しかったよ💐
ポニョを先延ばしにしてきた訳
私は「もののけ姫」「千と千尋の神隠し」「耳をすませば」「ナウシカ」が好きなんですが、ポニョってなんか私の思うジブリっぽさを感じなくてずっと観ないままでいました。
綺麗なグラフィックに耐性がなかったんだと思います。これジブリ好きあるあるなんじゃないか…
いわゆるジブリっぽい、どこかくすんでいて、色に統一感があって、平坦な作画がだいすきでした。
ポニョははっきりとした色合いを使い、綺麗につやつやと動くグラフィックのイメージがあったんですよね。
それといかにも「子ども向け」って感じがしていて、とっつきにくさがありました。
そんな訳でずっとずっと観ないままだったんです。
まるで絵本を1枚1枚めくるような懐かしさ
ポニョを観た感想、最初は「絵本みたい!」でした。
登場人物は綺麗なグラフィックでするすると動くのですが、背景や細かい描写がすべて色えんぴつで描かれていました。
あえて塗りむらや筆致を残しているような描き方で、草ひとつ岩ひとつにもよくみると様々な明るい色が重ねられている。
こちらの画像をよくよく見てみると、緑や赤を表現するというだけにしても、緑だけ/赤だけの色を使っているようには見えないですよね。
子どもの目に映る世界のキラキラさ、絵本のような柔らかさは、こうやって表現されるのだな…と感動さえ覚えました。
さらに色とりどりのカラーリングも絵本っぽさを演出していました。
きっと現実世界で観たら違和感を抱くほどの配色なのだろうけれど、不思議とポニョの世界ではしっくり素敵に馴染んでいるんです。
特にこちらの老人ホーム「ひまわり園」、こんなカラフルな建物なんてなかなかないですよね笑
緑の屋根に赤い窓屋根、カラフルなステンドグラス、黄色い日差し避け。
それでもこの世界にはこんなに素敵に馴染んでいる。
少しぼこぼこした画用紙のような紙面の絵本を、そうすけやポニョ達がとことこ元気に動き回っているような、そんな作品に感じました。
初めて観るはずなのに、どこか懐かしく、わくわくするような感覚。
まさにあれは、初めて手にした絵本を1枚1枚めくるような、そんなわくわくに思えました。
個性豊かすぎるキャラクター達
なんといっても「崖の上のポニョ」の魅力は、個性豊かすぎるキャラクター達でした。
宗介
心優しく、常にだれかの痛みや喜びに寄り添える男の子・宗介。
周りから愛され、また周りを愛し、とても保育園生には思えないほど彼の視野は広く、大人です。
いや、「大人」と表現はしたくないかも…彼のそんな特性を「大人だね」と言うことは、この作品を否定してしまうような気がして。
こうやって文章を連ねながら思うことは、「大人ってなんだろう?」ですよね。
よく周りが見え、だれかの痛みに寄り添え、行動できること。それが「大人っぽい」に繋がるのだろうかと言われると、違う気もします。
でも、宗介のそんなところは、とても保育園生には思えない。うーん、まだまだ私の語彙が足りません。
でもこの画像のシーン、瓶に詰まったポニョを助けるために石で瓶を砕くのですけれど、そういう安直なところはなんだか子どもって感じですよね。笑
ひやひやしながら観たシーンでもあるのですが、ひやひやしながら観てしまう自分に、もう大人になってしまったんだなと思ってしまいました。
ポニョ
もうひとり、この作品を動かすキャラクターが、まっかっかの♪ポニョです。
初めて見た人間の宗介に懐き、天変地異を起こしてまで宗介に会うために奔走する、どこまでもまっすぐで素直で純粋な女の子です。
どこかカタコトで、それでもまっすぐ発せられる彼女の声、とっても可愛らしい!
「伝えたい」が常に先頭にあるように感じられる彼女の言動には、現実世界を生きている私達が今なかなか触れることのできないような、そんな鮮明さを感じます。
ポニョのまっすぐさ、初めて触れるものへの接し方、想いに実直でどこまでも懸命になれる姿、どうしてもそこに愛おしさと共に尊敬の念を感じざるを得ないです。
もう自分が二度とそのままは持てないような、そんな寂しささえ感じるほどに。
彼女はただただ面白く可愛いキャラクターではなく、この作品の根本に携わるキャラクターでした。
りさ
そして彼女!宗介のお母さん、りさです。
私この女性を本当にだいすきになってしまいました。
船乗りを夫に持つ彼女は、宗介を育てながらもひまわり園で働く職員。
思わず笑ってしまうほどガサツで(運転がレーサーか?と思うほど荒ぶるところが筆頭ですが、ドアを足で閉めるような些細な描写に至るまで全部ガサツです)、
喜怒哀楽が分かりやすく、
夫のことがだいすきでそれ故に拗ねてしまったり、
宗介に慰められたり諭されたりしてしまうほど、可愛らしい女性です。
ただ彼女の素敵なところはそれだけではありません。
宗介やポニョ、ひまわり園の方々に対する無償の愛の深さです。
初めて触れる「ポニョ」という存在にも彼女は動揺も否定もしませんでした。
海に濡れる彼女を受け入れ、タオルを用意し、はしゃぎ回るポニョを叱らず、ハチミツ入りホットミルクやハムの乗ったラーメンを振る舞う姿。
嵐の中ひとりでひまわり園へ向かい、不安がる宗介の気持ちも受け止めつつ、しっかり彼に役割を託す強さ、宗介への圧倒的な信頼。
その広く深い愛情に包まれ、宗介が宗介である時、またポニョがポニョである時、私達もきっと彼女の愛情に包まれているのです。
どこまでも愛情深く、自分を飾らず、ありのままで生きる彼女、幼少期はきっとポニョのような女の子だったのかもしれませんね。
りさ、カッコイイです!
2度と見えないあの頃の世界をもういちど
ネタバレを避けるためにストーリーに細かく言及はしないでおきますが、私がこの作品を通して感じたことは「あの頃の自分が観ていた世界」です。
例えばこのシーン、海の中から宗介のもとへ帰るべく全力疾走するポニョなんですが、この海の景色を宗介は「おっきい魚」と表現します。
もちろんアニメーションでもおっきい魚なんですが、同じこの波をみたりさや父・こうすけは1度も「おっきい魚」とは言わないんです。
大きく荒れ狂う海を「おっきい魚」と表現するのは、いわゆるトトロのように「子どもにだけ見える」のではなくて、「子どもにとっては大きな魚に見える」ということなんじゃないかと思うんです。
私達が小さい頃、子どもながらに見る世界を様々なものに例え、新しい世界を目に映していたように、宗介にはきっと大きな波がびちびちと泳ぐ魚のように見えたんだと思います。
このように、大人になってしまった私達がもう二度と見ることのできない新しい世界、見るものすべてが新鮮でおもしろく、わくわくキラキラしていて、現実を現実と捉えない、そんな世界が「崖の上のポニョ」には詰まっているように感じました。
またこのシーンだけではなくて、きっとポニョをご覧になった方なら分かると思うのですが、
「いやそうはならんやろ!!!!!!」
みたいなシーンのまあ多いこと。笑
どうしてその現象に疑問を抱かないのか?
どうしてそこに恐怖心を抱かないのか?
どうして誰もツッコまないのか?
私が抱く違和感は尽きませんでした。画面越しにツッコミ入れちゃうくらい。
でもそんなところなんですよね、きっと。
大人になった私たちにとって違和感や疑問、恐怖、危機感を抱いてしまうことは、子どもの彼らにとっては案外そうじゃなかったりする。
彼らにとってはごく自然に、違和感なく受け入れられる世界。
わくわくキラキラ、無限の可能性と自己効力感を持ち、見るものすべてが面白く見える世界。
そんな世界を、もう一度。
私にとって「崖の上のポニョ」は、前述したようにまるで懐かしい絵本を1枚1枚めくるような、そしてあの頃の世界をもういちど覗けるような、そんな作品でした。
おまけ:爆笑が止まらなかったところ
ここからは完全におまけなんですが、私がポニョを見ながら爆笑しちゃったシーンをいくつか列挙しておきます。
③りさマジで運転レーサーでウケる
(画像なし)
あと急用で帰って来れないこうすけに「BAKA」を連打するりさかわいすぎる
それに対して「あ い し て る」と返すこうすけ、もう慣れすぎている
え無事!?!?!?これ第2形態なの!?!?!?
(以後私はこの姿を「第2形態」と呼びました)
(友人:「概念」って感じだよね〜)
走り方幼女で可愛いね!?!?!
以上、21歳による「崖の上のポニョ」初視聴感想noteでした。
思ったよりボリュームすごくなってしまった!
ここまで読んでくださった方、もしもいらっしゃるならばありがとうございます。愛です。
ではまた💐
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